ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

P-DRGS ビジネスモデル化の課題 続き

2006年03月02日 | ITS
2月27日のエントリーでP-DRGSをビジネスモデルに乗せていく上での問題点についてかいた。

1.ID情報を料金所以外で提供することへの抵抗をどうするか?
2.路側インフラ整備の費用負担をどうするか?
3.渋滞情報の提供メディアを何にするのか?
4.そして、ビジネスモデルを考える上での根幹であるが、その課金はどうするか?

だ、

1.については、正直よくわからない。ダマテンでやっちゃえばだれも騒がないような気もするが、それが正しいことなのかどうか。一方、キチンとオープンな議論をすると、極端な反対論が一部で起きることは明らかだ。個人情報を特定できない情報だけを使う、というような対応が必要なのだろう。

2.は4と表裏一体の議論だ。利用料をとって会員だけに詳細な渋滞情報を提供するのが一番理にかなっているが、これば無理だろう。
曲がりなりにもVICSがあり、利用料を払ってまで渋滞予測の精度を上げたいユーザーはそれほど多くない。昨年末から始まったホンダインターナビの常時接続会員も、過半数がレジェンドユーザーらしい。

さらに、会員だけに情報を提供する仕組みを作るのも厄介だ。既存メディアは使えない。

3.のメディアに話を移せば、これはもう既存のFM音声多重しかないだろう。
今後、地デジカーチューナーの普及によっては地デジという選択肢もある。
どちらにしても、それ専用の受信機が必要だったり、通信料が発生するようなケースでは、広汎な利用者獲得は無理だろう。

ということは、現行VICS、それもFM音多の仕組みに乗せていく、ということだ。
路側機設置と運営費用はVICS協賛金の上乗せで行く。
今年もナビは300万台程度は出荷されるだろう。一台あたり1000円乗せれば30億円。
20万前後の買い物であり、消費者にとって1000円の売価アップはさほど抵抗ない。

P-DRGSにどのくらい金がかかるのかは知らないが、成立不可能な話ではなさそうだ。

しかし、国交省としては大きな問題が残ってしまう。
ITS関連で消費者を巻き込んで展開する可能性を唯一残すP-DRGSなのだが、VICS方式の踏襲ではさらなるITSへの拡張性がないのだ。