ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

カーナビとワンセグについて

2006年03月28日 | ITS
12セグの車載地デジチューナーの時にはあまり盛り上がらなかったが、ワンセグ対応になってにわかにカーナビというか、カーTVでのデジタル放送が話題になってきているようだ。

しかし、その内容はちょっと複雑なので一部には誤解もあるようだ。

まず、車載ワンセグチューナーというものは存在しない。今あるナビやカーTVに「ワンセグチューナー」をつけることは出来ない。
 注)2007年1月加筆:現在はいろいろ存在します。11月のエントリー(ここ)を参照してください。
装着できるのは5社ほどが販売している12セグの車載デジタルチューナーであり、そのなかでパナソニックとパイオニアはアップグレードでワンセグに対応するようになっている。

なお、4月に発売されるパナソニックの新しい車載地デジチューナーは最初からワンセグ対応で、今後の新商品はワンセグ対応になっていきそうだ。

また、サンヨーのポータブルナビ「ゴリラ」は4月にワンセグチューナー内蔵の新機種を発売する。これは12セグはつかない。

そもそも、カーTVでデジタル放送を見る場合、ワンセグでなくてはいけないということはない。ワンセグでも12セグでも乱れない映像が楽しめる。
むしろ、視聴可能エリアさえ拡大すれば12セグの方が断然良いのだ。先日の日経新聞の記事がわかりにくい表現であったため、誤解している方も多いと思うが、車載に関して言えばワンセグ対応はおまけ機能である。

車載の7インチ画面でワンセグを見ると、見るに耐えないとは言わないがかなり画質は劣る。静止画像は綺麗だが、動く映像は汚い。
ワンセグが綺麗に見えるのは4インチ画面位までだと思う。

一方、ワンセグのメリットであるが、フル12セグの放送が現在車載で気持ちよく見ることができる範囲は東京でいえば環状8号の内側、といったところであるのに対し、ワンセグならもう少し範囲が拡大する。
つまり、視聴範囲が広いことだけがワンセグの優位点だ。

しかし、フル12セグにしても電波が強くなったり、新東京タワーが出来たり、アンテナ性能があがったりすることで状況は数年で劇的に改善することは決まっている。

ということで、わざわざカーナビ、カーTVにワンセグ専用チューナーだけを装着する意味はあまりない。