ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ETC なぜ100%装着したいのか

2006年03月14日 | ITS
大体において、なぜETC装着率向上にそんなにこだわるのか。
渋滞緩和という意味なら、高速をあまり使わないユーザーへの普及はナンセンスだ。

背景には当然ITSがある。100%装着されれば、路側表示への投資が不要になり、通信系の交通情報提供に一本化できる、ということなのだろうか。
しかし、現在の表示機(モニター)と連動しない単機能ETCをいくら普及させても、意味はないだろう。

一方では国家セキュリティの観点から全車にID判別が出来る発信機を付けたい、というニーズもある。
これがいわゆるスマートプレートである。
ETCは100%装着されない、したがってスマートプレートは法制化で義務付けてしまおう、というのことだ。

ETC装着ユーザーにしてみればすでにその車両のIDを発信しているのに、なぜさらにスマートプレートをつけなければならないのか、という大きな疑問が生じてしまう。スマートプレートだってただではない。明らかな2重投資となる。

そして、ここの話の裏には旧建設省と旧運輸省の覇権あらそいがある。
一度は消えてなくなったと思っていたスマートプレートが100%装着の話で蘇ってしまった訳だ。

車の移動履歴を国家に把握されるということについては、個人的にはまったく好ましいとは思っていないが、まあいずれにしてもナンバープレートを晒して走らなければならないのが車だ。スマートプレートが実現しなけりゃNシステムが強化されるだけなのだろう。

いずれにしても、スマートプレートはその目的を盗難車発見とか行政の効率化などと妙にオブラートにくるんでいるが、はっきりセキュリティだと宣言し、キチンと世論と戦った上で実現させる(もしくは、だめならあきらめる)べきだと思う。