ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

DSRC路側機設置の社会コスト ボーダフォンだって買える

2006年03月04日 | ITS
DSRCを活用して全国ベースで道路交通状況システムを構築するためには2-3兆円かかるのではないか、と試算した。これが正しいのかどうかは全くわからない。都市部ではもっと密に路側機を設置する必要があるだろうし、過疎地では不要だろう。

そうはいっても、兆円レベルのプロジェクトになることは間違いなさそうだ。

ITSに関係されている方々はXX兆円という数字に慣れているから2-3兆円はたいした金額には感じないかもしれないが、実際とんでもない金額である。
日本ボーダフォンだって2兆円で買えるのだ。

この事業からもたらされる公益サービスは、果たしてそれほどの投資に見合うものなのか?兆円規模の投資に、本当に見合うのか?

そもそも、ITSは何が目的なのかをもう一度考えるべきだ。
巨額の税金を投入する以上、それは決して運転中のエンターテイメントや観光地の情報提供ではない。
交通事故死者を減らし、かつ渋滞を減らしてモビリティを向上させることだろう。

私には、「車と道が通信する夢の高速道路を世界で一番最初に作りたい」という思いだけが先行しているようにも感じられる。

交通事故削減には追突防止装置やアルコール検知装置のような通信とは関係のないスタンドアロンのASV技術の方が効果的、かつ現実的なのではないか?
いま官がやるべきは、それらの有効性確認と法制化是非の検討なのではないか?

(明日から海外出張となります。更新はホテルの接続状況次第になります)