ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

VICSプローブ 続き

2006年03月22日 | ITS
さて、いろいろニュースが飛び込んできたので先週からエントリーを中断していたVICSプローブに関する話題であるが、一方で昨日話題にしたJ-safetyの報告を読む限りでは、VICSやDSRCなどの既存インフラをメディアミックスで活用し、段階的に車車間通信などへ進むというロードマップが示された。

VICSは国交省の単独事業ではなく、警察庁、総務省との共同プロジェクトだ。
そのためか、今まで国交賞のITS施策の中に決して組み込まれていない訳ではないのだが、微妙な距離があるように感じられた。
しかし、J-safetyの提言のように、これらを国の施策として効率よく組み合わせ、低コストで効果の高いITSを構築するという考え方に進むのであれば、これは歓迎するべきことだろう。

さて、現在のVICSはメディアが3つある。
FM多重、電波ビーコン、光ビーコンだ。
その中で、もっとも普及しているのはFM多重だ。というか、「VICSナビ」はFM多重VICSを装備したナビの意味で、ビーコンは追加オプションだったりする。

これら現状のメディアは情報伝送容量が小さく、見直しが必要だとされている。
地デジやデジタルラジオ、DSRCなどだ。
まあ、FM多重をデジタル放送に切り替えていくのは時代の流れだろう。

ここで真剣に考えなくてはならないことは、ビーコン系がこれまでなぜ思ったように普及しなかったか、ということだ。

答えは簡単。現在の情報では何万円もするビーコン受信器を購入する価値はない。

今後、安全情報を車載器に表示する方向で検討が進んでいくと思われるが、消費者にとって金を出す価値のあるものに仕上げるのはなかなか大変なことだ。
提供する情報に数万円に値する付加価値をつけない限り、現在のビーコンのように絵に描いた餅に終わるだろう。