ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

モバイルスイカとETCの奇妙な類似点

2006年03月29日 | 雑記
よく考えてみると、モバイルスイカとETCには奇妙な類似点がある。
まず、どちらの事業者も昔は官だったということ。
そして、本来の用途は交通料金の収受にあるということ、さらに、専用のクレジットガードを作らなくてはいけないこと、最後に本来の目的をこえた商業利用に対してなぜか意欲的であり、市場からも過度な期待がされているということ。

大体、ETCもモバイルスイカもクレジットカードを作らせるというところですでに顧客中心思想を忘れている。ETCの場合は、カード会社によってはそのままETCカードを作ってくれるが、私のメインカードにはETCカードがなかったため、やむなく新しくクレジットカードを作る羽目になった。
モバイルスイカはVIEWカード会員にならないと使えない。
いまの時代、新規に提携カードを喜んで作る消費者なんて一人もいない。これはいわゆるメーカー都合、ってやつだと思う。

現在、普通のスイカのキオスクでの利用は10%程度だという。一方、改札通過利用率は45%だそうだ。しかし、通勤時間の山手線主要駅では一年以上前から80%位の人がスイカを使っているように見える。
一方、昨日新宿駅の「スイカが使える」と大きく書かれているキオスクの横で観察をしたが、20人まで数えたが一人もスイカで清算する人はいなかった。

単にまだ使いなれていないだけなのか、そもそもそんなニーズは言うほどないのか、これはわからない。しかし、「殆どの人がもっていて、使えることも知っていて数ヶ月以上経過しているけど、あまり使われていない」ということは、単純に考えれば今後もあまり楽観できない、ということなのではないか。