ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

何度でも問う。「あなたはこの、『焼き場に立つ少年』の写真を見てもまだ、戦争はしょうがないと思いますか?」

2021年08月09日 | 世界とわたし
タイトル写真の黒い丸は、世界に存在している核兵器の数を表しています。
その数なんと13,865発…。
その中のたった二つが、広島と長崎に落とされました。
その原子爆弾によって家族を失い、幼い弟の亡骸をおぶり、唇から血がにじむぐらいに歯を食いしばりながら、焼き場の前に立つ少年の写真が、米兵オダネル氏によって残されました。







広島での挨拶文の読み間違いが問題になり、忖度した報道側がテロップを流さなかったというお粗末なお話。
ちなみに菅首相は式典に遅刻したそうです。

それに引き換え、ニュージーランドのアーダーン首相のメッセージは、人の心と知性にあふれています。

アーダーン首相のメッセージ書き起こし(訳はDeepl Translatorとわたしの拙訳のミックスです)
Kia ora koutou katoa.

As the world continues to face the challenge of responding to COVID-19, the 75th anniversary of the atomic bombings in Hiroshima and Nagasaki remind us of the devastating impacts of world events.
世界がCOVID-19への対応という課題に直面し続けている中、広島と長崎への原爆投下から75周年を迎えた私たちは、世界の出来事がもたらす壊滅的な影響を思い起こしています。

In August 1945, the world saw for the first time what nuclear weapons could do.
1945年8月、世界は初めて核兵器の威力を目の当たりにしました。

The consequences were catastrophic, involving unimaginable suffering for those who managed to survive the initial impact and radiation exposure.
その結果は壊滅的なもので、最初の衝撃と放射線被曝から生き延びた人々には想像を絶する苦しみがありました。
 
Since then we have also seen the disastrous and impact of nuclear testing, including in the Pacific. 
Each of the more than 13,000 nuclear weapons in existence today possesses an even greater destructive force than that seen in Hiroshima and Nagasaki.
その後、私たちは、太平洋を含む核実験の悲惨な影響を目の当たりにしてきました。
現存する13,000発以上の核兵器の一つ一つが、広島・長崎で見たものよりもさらに大きな破壊力を持っています。


The use of just one bomb would be devastating and nobody believes a nuclear conflict would end there.
たった一発の爆弾が使われれば壊滅的な打撃を受け、そして誰も核紛争がそこで終わると信じていません。
 
Millions would certainly die, and the damage to our environment would be irrevocable.
数百万人が確実に死亡し、環境へのダメージは取り返しのつかないものになるでしょう。
 
Experts have warned that no state, group of states or international organization is able to prepare for or deal with the effects of nuclear war.
専門家は、いかなる国家、国家グループ、国際組織も、核戦争の影響に備えたり、対処したりすることはできないと警告しています。
 
So if we cannot prepare, we must prevent.
だから、私たちが核戦争が及ぼす影響に備えることができないなら、食い止めるしかないのです。

As UN Secretary-General Guterres has said, the international community must reinvigorate its work on nuclear disarmament to quote “save humanity”.
グテーレス国連事務総長が述べているように、国際社会は、「人類を救う」という言葉を引用して、核軍縮への取り組みを再活性化しなければなりません。

It is not a job that we can leave to others or to future generations.
他人や将来の世代に残すことのできる課題ではありません。

He waka eke noa - we are all in this together.
He waka eke noa - 私たちは全員、共にこの課題に関わっている「運命共同体」なのです。

This is why New Zealand - with a majority of the United Nations membership recently adopted the Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons.
だからこそ、ニュージーランドは、国連加盟国の過半数の賛成を得て、先日、核兵器禁止条約を採択したのです。

I urge all others to join with us and ratifying this landmark Treaty as a necessary step towards the total elimination of nuclear weapons, and in pursuit of global negotiations involving all nuclear weapons possessors to achieve nuclear zero.
この画期的な条約を批准することは、核兵器の完全廃絶に向けた必要なステップであり、すべての核兵器保有国が参加する核ゼロ達成のためのグローバルな交渉に向けて、私たちと一緒に行動することを他のすべての人々に強く求めます。

Only that can be a worthy legacy for those who have suffered the use of nuclear weapons in Hiroshima and Nagasaki, and their testing in the Pacific and beyond.
それこそが、広島や長崎での核兵器の使用や、太平洋やその他の地域での核実験に苦しめられてきた人々にとって、価値ある遺産となり得るのです。
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「国民の大多数が東京五輪の中止を望んでいる。彼らは完全に正しい」 by イギリス:ヒラリー・ジョーンズ博士

2021年05月13日 | 世界とわたし
わたしの周りの知人友人に限って言えば、この東京五輪の強行は、日本に対する新たな認識を見出すきっかけになっています。
何においても全て後手後手。
大国であったはずの技術も活かせないまま、どこよりもお粗末で愚鈍で、この期に及んでもなお、利権や癒着や中抜きばかりの中途半端な対応しかできない。

「日本なら◯◯なんて簡単にできると思った」
「日本が感染対応でアジアの手本になると思った」
「まさか日本がここまで◯◯だとは思わなかった」

アジアを牽引するどころか、医療・検査・ワクチン・新たなシステム作りにおいて最低ライン。
自公アベスガ政権は、根拠も確証も無いままに破廉恥なお為ごかしを繰り返し、感染状況は悪化の一途を辿っています。
日本に限らず世界中がこんな時に、東京五輪強行開催は狂気の沙汰だと、今や呆れを通り越して怒りを感じている人も多いです。

日本国内の新聞テレビはだらだらと政府に追従していないで、そろそろ東京五輪の中止を呼びかけていかないと、あとでたいそう後悔することになると思うのですが…。

ニュージーランド
疫学者のトップが、東京五輪を進めると人々を死に至らしめると、国際オリンピック委員会(IOC)に警告した
・何万人が入国すると間違いが起き、日本の人々や医療従事者も開催を全く望んでいない。
・過去にも戦争で中止しているが、現在もウイルスとの戦争だ。
・アスリートやスポーツチームがワクチンを優先的に接種すると、特に貧しい国を中心に、ぜい弱な高齢者を守るためのワクチンが準備できず、死亡する可能性がある。
・五輪の開催は人々を殺す。
・IOCはその代償を許容できるとのことで決定したと思うが、それは明らかに間違った決定だ。
・日本の人々は新型コロナ感染の第4波と戦っている。それは東京で非常に激しく、彼らはほとんどコントロールできていない。


イギリス
大英帝国勲章を受勲するなど英国の権威として知られるヒラリー・ジョーンズ博士が、新型コロナ禍の深刻化により、東京五輪の中止をIOCへ向けて勧告した。
・日本では新型コロナの症例が増加しており、ワクチン接種も今のところ、全国民のわずか1%という状況で、大規模な国際大会を開催する状況にはない。
・開催強行はまったく意味がない。
・国民の大多数が東京五輪の中止を望んでいる。彼らは完全に正しい。
・国民の安全を無視して開催強行へ暴走し続ける日本政府や大会組織委員会、そしてIOCに中止を求める。
・11週間後に開幕する東京五輪を前に、新型コロナウイルスがまん延しており、日本では社会的および政治的な緊張が高まっている。


アメリカ
パシフィック大のジュールズ・ボイコフ教授
「スポーツイベントはスーパースプレッダーであってはならない。五輪を中止せよ」
・新型コロナウイルス禍により、大会が大きなトラブルを抱えている
・世論調査で約6割が中止を求める一方で、ワクチン接種率が2割に満たない。
・科学に耳を傾け、危険な茶番を止めるときが来た。五輪はキャンセルされなければいけない。
・五輪が強行される理由は3つある。金、金、そして金だ。

元米国五輪代表プロサッカー選手・米パシフィック大のジュールズ・ボイコフ教授(政治学)
「スポーツイベントはスーパースプレッダー(一大感染源)であってはならない」
写真・東京新聞12日ウェブ記事(https://www.tokyo-np.co.jp/article/103786)より
・世界的な公衆衛生の危機の中では、科学に耳を傾けまやかしをやめ、五輪は中止されなければならない。
・五輪がごり押しされる主な理由は3つ。カネ、カネ、カネだ。
・そのカネのほとんどはアスリートではなく、大会を運営、放映、スポンサーする人々に流れこんでいる。
・五輪の主催者は、公衆衛生のために、自らの利益を犠牲にするつもりはない。
・日本ではワクチン接種が人口の2%未満で、60%の人が開催に反対している。
・カネより重要なのは家族、友人、公衆衛生だ。
・大惨事となる恐れがある時、スポーツの見せ物は価値がない。


フランス
フランス紙リベラシオン。1面トップに「東京五輪はKO(ノックアウト)か」との見出し
・新型コロナウイルスの感染拡大により、日本国内で中止を求める世論が高まっている。
・日本政府のウイルス対策は緩い。
・東京都立川市の病院が「五輪やめて」とのメッセージを窓に張りだした。
・(政府)当局は、ウイルス検査の拡大も、ワクチンに飛びつくことも、病院の体制強化も、必要な財政支援も、1年以上どれもせずにウイルス流行を放置した。

フランス放送局「フランス・アンフォ」・大会を開催できない『4つの理由』
・一つ目【政治家の発言】
政治家の発言自民党二階幹事長の発言(「とても無理ならスパッとやめないといけない」「五輪で感染症をまん延させたら、何のための五輪か分からない」)を踏まえ、「政治家は中止の可能性を除外していない」
・二つ目【健康上のリスク】
新型コロナウイルスのワクチン接種が世界各地で進んでいるが、日本の接種率は約1%。
日本はG7の中でワクチン接種を始めたのが一番遅い。
・三つ目【日本国民の世論】
日本人の約8割が再延期か中止を求めている。
主催者は、コロナのさらなる拡散を避けるために、外国人の観客を入れない判断をした。
・四つ目【経済的ダメージの大きさ】
外国人の観客がいないことは、収益が大きく不足することを意味している。
海外で販売されたチケットは払い戻しをするしかない。
さらに、観光などのインバウンド効果も期待されていたが、これも当てはまらない」

もうほんと、止めましょうよ。
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カマラ・ハリス氏 「民主主義は状態ではなく行動であり、決して保証されていないものである。当然のものとして受け止めてはいけない」

2020年11月09日 | 世界とわたし
昨日の朝、やっとバイデン候補の当確が報道されました。

夫と二人で町の様子を見に出かけました。


天気は上々、遅れてきたインディアンサマーの気持ち良い日です。


町全体がお祭り騒ぎになっていました。





行き交う車がクラクションを鳴らしてお祝いしています。


本当に久しぶりに、もっと言えば4年ぶりに、人の心を持った言葉を聞けたような気がします。

CNNの政治コメンテイター、バン・ジョーンズ氏の、バイデン勝利確定の報道の際のコメント

このジョーンズ氏のコメントを翻訳してくださったKatsumiさん@tkatsumi06jに感謝!
 
書き起こし
ヴァン・ジョーンズ氏:
今日は朝から、親であることが楽になりました。
父親であることが楽になりました。
人格は大切なんだ、真実を伝えることは大切なんだ、良い人間であることは大切なんだと、子どもたちに伝えることができるから。

他にも多くの人が楽になったことでしょう。

この国に住むムスリムなら、大統領が、自分のことをこの国に居て欲しく無いと思っていると感じずに済むようになるでしょう。
移民なら、大統領が喜んで赤ちゃんを奪い去ろうとしたり、夢見る人々を理由も無しに国に送り返すようなことはしないと思えるでしょう。

多くの苦しんできた人々にとって、これは証明となりました。
「息ができない」と言うあの言葉。
あれは、ジョージ・フロイドだけのものではありません。
大勢の人々が、息ができないと感じていたのです。
毎朝目覚めるとああいうツイートが目に入ってきて、どう感じていいのかすらわからなくなる。

どこかの店に入ると、人種差別的な考えを公に晒すことを遠慮していた人たちが、日に日に酷い言葉を浴びせてくる。
子どものことが心配でたまらなくなる。
妹のことが心配でたまらなくなる。
ウォルマートに行って無事に帰ってこられるだろうか、何か心無い言葉を浴びせられたりしないだろうかと。
自分の精神を日々保つことに全神経を費やしてしまう。

だからこれは、私たちにとっては大変なことなんだ。
こんなにも心が平穏で、「リセット」する機会を与えられるなんて。

国の人格というのは大切なものなんだ。
良い人間であることは大切なことなんだ。

息子たちに見せたい、見せたいんだ。
安っぽい方法で誤魔化すことはできても、いつかしっぺ返しが来るんだって。
しっぺ返しがあるんだって。
だからこの国にとって、今日は良い日なんだと。

負けてしまった方々には申し訳なく思う。
彼らにとっては良い日では無いだろうから。
でも、大勢の人々にとって、今日は良い日なんだ。


バイデン氏とハリス氏の勝利演説が行われる会場に車で駆けつけた市民。
ソーシャルディスタンスが守られていました。



カマラ・ハリス氏の勝利演説



こんばんは。
ありがとうございます。
ジョン・ルイス下院議員は亡くなる前に、民主主義は状態ではなく行動であると言いました。
その意味するところは、アメリカの民主主義は、決して保証されていないということです。
私たちの意思があってこそ強いものになります。
 
私たちは守るべきなんです。
当然のものとして受け止めてはなりません。
民主主義を守るためには、戦い、犠牲を払い、喜びもあります。
進展もあります。
より良い将来を構築することが可能です。
 
私たちの民主主義そのものが、今回、投票にかけられました。
アメリカの魂がかけられていました。
世界中が注目していました。
皆さんが、新たな日をアメリカにもたらしてくれました。
選挙陣営のスタッフの皆さん、ボランティアの皆さん、すばらしいチームです。
感謝します。
これまでよりも多くの人たちが、この民主的なプロセスに入ることができました。
そしてこの勝利を可能にしました。
 
選挙管理の関係者が、すべての集計を進めています。
皆さんが、この民主主義の尊厳を守りました。
皆さんが、私たちの美しい国を成り立たせているのです。
感謝します。
記録的な投票数となりました。
皆さんのメッセージを、しっかりと発信してくれました。

この数カ月は大変な時期でした。
悲しみがありました。
痛みがありました。
心配も、戦いもありました。
しかし、皆さんの勇気を、不屈の精神を、目の当たりにしました。
寛容な精神を発揮してくれました。
4年間にわたって皆さんは前へ進んできました。
 
平等、正義、私たちの命のために、そして私たちの地球のために尽くしてくださいました。
皆さんは投票してくれたのです。
はっきりとしたメッセージを届けてくださいました。
皆さんの希望を選んでくれました。
結束、良識、科学を選んでくれました。
真実を選び取ってくれました。
ジョー・バイデンを次期アメリカ大統領として選んでくれたのです。
 
ジョーは結束を進める人、傷をいやしてくれる人です。
今まで試練を乗り越えてきた人です。
喪失の経験から、目的を意識している人でもあります。
国としての目的、自分たちの中に、目標を見出させてくれる人です。
心の大きな人です。
非常に大きな愛です。
 
ジルは素晴らしいファーストレディーになるでしょう。
私は、彼が父親として、亡くなった息子さんのことをどんなに愛しているかを知りました。
私は、私の夫、子ども、妹、家族全員に対して、とても大きな愛を感じています。
ジョーとジルには感謝しています。
この素晴らしい道のりをともにさせてくれました。

また、私がここに立っているのは、私の母のおかげでもあります。
19歳でインドからやって来た母は、こんな瞬間が訪れるなんて夢にも思っていなかったでしょう。
彼女はアメリカを深く信じていました。
今、母のことを考えています。
多くの黒人の、アジア系の、ラテン系、ネイティブアメリカンの女性たちのことを私は考えています。
彼女たちによって道が切り開かれました。

女性たちは多くのことを犠牲にしました。
対等な権利のために戦いました。
すべての人たちのために、正義をもたらそうとしました。
黒人女性たちは、これまでも見過ごされてきました。
しかし、民主主義の根底にある大切な存在だ、ということがわかっていました。
 
すべての女性たちは、投票する権利を守るために、1世紀に及ぶ努力を続けてきました。
2020年、新たな世代の女性たちが投票しました。
投票するという基本的な権利、自分たちの意見を伝える権利のために戦っているのです。
今夜、私は、その苦しみを思い起こします。
確たる意思、ビジョンを持っていました。
私は、何が成し遂げられるか見極め、後をついで取り組みたいと思います。

ジョーは人格者です。
なんと言ってもジョーは、バリアを打ち砕くことができました。
女性を副大統領候補に選んだのです。
私が初の女性副大統領になるかもしれませんが、最後ではありません。
すべての幼い女の子たち、今夜この場面を見て、わかったはずです。
この国は可能性に満ちた国であると。
私たちの国の子どもたちへ、私たちの国は、はっきりとしたメッセージを送りました。
 
ジェンダーなどは関係ありません。
野心的な夢を抱き、信念を持って指導者となるのです。
そして、他の人とは違った見方をするのです。
皆さんの一歩一歩を見届けます。
アメリカ国民の皆さん、どちらへ投票したかは関係ありません。
 
私は副大統領としてしっかり取り組みます。
ジョーがオバマ氏に対して副大統領として尽くしたようにです。
忠誠を誓い、誠実に準備を整えます。
毎朝、目覚めれば、皆さんや皆さんの家族について考えます。
これからが真の仕事となります。
大変な仕事です。
必要な仕事です。
いい仕事に取り組みます。
 
人々の命を救い、この病気に打ち勝つのです。
経済を立て直します。
人々への差別をなくすことにも取り組んでいきます。
気候変動と戦い、国を結束させ、アメリカの、国としての魂の傷をいやしていかなければなりません。
道のりは決してやさしいものではないでしょう。
 
けれども、アメリカは準備が整っています。
ジョーと私も準備ができています。
私たちが選んだ大統領は、私たちの最善の部分を引き出してくれる人です。
子どもたちが見上げて尊敬できるような大統領、軍に対し敬意を払い、国を安全に保つ最高司令官、そしてすべてのアメリカ国民のための大統領となってくれる人です。
光栄にも、アメリカ合衆国次期大統領、ジョー・バイデン氏を紹介させていただきます。


バイデン氏の勝利演説




米国民の皆さん、このダンスパーティーに私を招いてくれた米国人の皆さん、デラウェアの市民の皆さん、国民が声を上げ、我々を明らかな、納得できる勝利に導いてくれた。
大統領選の歴史上、最も多くの票を得た。
7400万票だ。
私は驚きを隠せない。
今晩、我々はこの国、町、あらゆる場所に、世界に広がる、ほとばしる希望の喜びを目にしている。
明日への新たな信念と、より良き日を迎える希望だ。
あなたが私に与えてくれた信頼と自信を謙虚に受け止める。
分断させようとするのではなく、結束させる大統領になることを誓う。
赤い州や青い州ではなく、ただ米国だけを見ることを誓う。
心から、あらゆる人の信頼に応えるために働く。
米国はそうあるべきだ。
私たちは国民のための政権だ。
米国の魂を立て直す。
米国の屋台骨を建て直し、中間層を再構築し、米国を世界から再び尊敬される国にする。
私の人生において、多数の米国人が我々の理想像に投票してくれた。
そしてその理想像は現実になり、我々の仕事となる。

私はジルの夫だ。
彼女の愛と絶え間ない支援がなければここにはいなかった。
息子のハンター、娘のアシュレー、孫たち、親戚と家族たち。
ジルは母であり教育者で、人生を教育にささげてきた。
米国の全ての教育者たちにとって偉大な日だ。
教育者の一人をホワイトハウスで迎えるのだから。
ジルは素晴らしいファーストレディーになるだろう。
とても誇りに思う。

素晴らしい副大統領、カマラ・ハリスと働けることは光栄だ。
彼女は、女性かつ黒人で、南アジアの祖先を持つ移民2世で、初めて米国の国政選挙で選ばれた人物だ。
何年も懸命に戦ってきた人がいるなか、ずっと先延ばしになっていた。
だが、米国は再び、道徳の弧を正義の方向へと向けた。
カマラと(夫の)ダグ、好むと好まざるとにかかわらず、あなたは家族だ。
名誉にもバイデン家の一員だ。

(新型コロナウイルスの)パンデミック(世界的大流行)下で、投票所でボランティアや働いてくれた人々、各地の選挙管理担当者の方々は、米国全体の感謝に値する。
私の選挙チームとあらゆるボランティアで協力してくれた人、この瞬間を迎えるために尽くしてくれた人に、あらゆる恩を受けた。
我々を支援してくれた全ての人々へ、我々の選挙活動を誇りに思う。

我々は、歴史上最も幅広く、多様な連合を組んだことを誇りに思う。
民主党、共和党、独立派、急進左派(プログレッシブ)、穏健派、保守派。
若い人、年老いた人、都市部、地方に住む人、ゲイの人、そうでない人、トランスジェンダー、白人、ラテン系、アジア系、米国先住民の人。
特にこの選挙活動が停滞していたときに、アフリカ系米国人の共同体が、私のために立ち上がってくれた。
彼らは常に私を支えてくれ、私もあなた方を支える。
私は選挙活動の初めから、この選挙戦を、米国を代表するものにしたいと言ってきたし、そうした。
今度は、政権をそのようなものにしたい。

トランプ大統領に投票した人々は今夜、落胆しているだろう。
私自身も(大統領選への立候補で)2度撤退している。
今度はお互いに機会を与えよう。
暴言をやめて冷静になり、もう一度向き合い、双方の主張に耳を傾けるべきだ。
前に進むために、互いを敵とみなすのはやめなければいけない。
私たちは敵ではない。
私たちは米国人だ。
聖書は全てのことに季節が巡っていると教えてくれる。
立て直し、稲穂を刈り取り、種をまき、傷を癒やす時だ。
米国の傷を癒やす時が来た。

今や選挙戦は終わった。
人々の意志は何か。
私たちの使命は何か。
私は、米国民が、私たちに品位と公正の力を導くことを求めたと信じている。
私たちの時代の大きな戦いのなかで、科学と希望の力を導くことを求めた。
ウイルスを制御し、繁栄を築き、あなたたちの家族の健康を守るために戦う。
この国の人種的平等を達成し、構造的な人種差別を根絶するために戦う。
環境を守るために戦う。
品位を回復し、民主主義を守り、この国のすべての人に公正な機会を与えるために戦う。
私たちの仕事は、新型コロナを制御することから始まる。
ウイルスを制御下に置くまでは、経済を修復し、活力を取り戻すことはできない。
孫をこの手に抱いたり、誕生日や結婚式、卒業、あらゆる人生で最も貴重な瞬間を味わうことはできない。
月曜日(11月9日)に、私は、一流の科学者と専門家のグループを、政権移行のアドバイザーとして指名し、新型コロナ対策の「バイデン・ハリス計画」を作り、2021年1月20日(の就任日)から始める政策の青写真を描く。
その計画は科学に基づいて作られ、思いやり、共感、そして懸念に配慮したものになる。
パンデミックを好転させるための努力や責任を惜しまない。
私は誇り高き民主党員だが、米国の大統領として統治する。
私に投票しなかった人々のためにも、私に投票した人々に対するのと同じように一生懸命働くつもりだ。

この厳しい悪夢の時代に、今ここで終わりを告げよう。
民主党員と共和党員が互いの協力を拒否したのは、われわれの制御が及ばない不思議な力によるものではない。
全ては決断であり、私たちの選択に尽きる。
私たちは協力することを選択できる。

これは、米国民が私たちに与えた使命だと確信している。
彼らの利益のために協力することを望んでおり、それが私の選択だ。
私は議会、民主党員、共和党員に対して、私と同じ選択をとることを呼びかけていく。
米国の物語は、ゆっくりと着実に、チャンスを広げている。
間違いをおかしてはならない。
多くの夢はあまりにも長い間かなわなかった。
私たちはこの約束を、人種や信仰、アイデンティティー、障害に関わらず、全ての人にとって現実のものにしなければならない。

米国は常に、私たちが何者なのか、何を目指しているのかという難しい選択を下した際に、転換点を迎えてきた。
これまでのリンカーン、ルーズベルト、ケネディ、そしてオバマといった歴代大統領が証明している。
「Yes We Can(われわれはできる)」
私たちはいま、転換点に立っている。
絶望に打ち勝ち、繁栄と目的のある国を築くチャンスがあり、それができると知っている。
私たちは、米国の魂を取り戻さなければならない。
米国は、天使と悪魔の絶え間ない戦いによって形作られてきた。
今夜、私たちの天使が勝つ時がきた。
全世界が米国に注目している。
私たちが模範となって、導かなければならない。

私は常に、米国を一言で定義できると信じてきた。
「可能性」だ。
米国では、全ての人が夢をかなえる機会が与えられるべきだ。
この国の可能性を信じ、常に先を見据えている。
自由で公正な米国、尊厳と敬意を持って雇用を創り出す米国、がんやアルツハイマーなどの病気を治す米国、誰も置き去りにしない米国、決して諦めない米国に向かっていく。
素晴らしい国で素晴らしい人々がいる。
これが米国だ。
私たちが力を合わせれば、不可能なことなどない。

投票日までの最後の数日間、私と私の家族、そして亡くなった息子のボーにとって、大きな意味を持つ賛美歌について考えていた。
それは私自身を支える信念であり、米国も支えると信じている。
今年、恐ろしいウイルスで愛する家族を失った人たちの慰めになるよう願う。
私の心は、あなた方一人ひとりに向けられている。
この賛美歌があなたの慰めになることを祈る。

「(賛美歌を引用して)神はあなたをワシの翼で持ち上げ、夜明けの吐息で支え、あなたを太陽のように輝かせ、そしてあなたを神の手のひらの上で抱きしめる」――。

そして今、ともに「ワシの翼」で、神と歴史が求める仕事をしよう。
心を込め、しっかりとした足取りで、米国とお互いを信じ、国への愛と正義への渇望を持って、私たちが目指す国を作り上げよう。
国は団結し、強くなり、そして癒やされる。
子どもの頃、祖父に言われた。
「ジョー、信念を貫け」。
祖母が生きていたときは、「ジョー、信念を広めよ」と。
米国に神のご加護を。
神が私たちを守ってくださいますように。
ありがとう。


今回の選挙は、バイデン氏を大統領にしようという気持ちよりも、トランプ氏を大統領という立場から外したいという願いが勝っていました。
この4年間、市井の市民をはじめ様々な立場の人たちが弾劾を試みてきましたが、そのどれもが最後まで進めることができなかったからです。
自分たちさえ良かったらそれでいい。
差別したり憎んだりすることも遠慮しなくていい。
こんな考えを持つ人々がじわじわと増えてくることの恐ろしさ。
その中心に居るのが大統領であるという現実は、本当に多くの人たちを苦しめました。

選挙の後半になってくると、共和党関係者による信じられない投票妨害が各地で繰り広げられ、その異常さに震えるほどの恐怖を感じました。
トランプ氏や共和党が、何もかも悪いというのではありません。
彼らの何もかもに賛成できないというのでもありません。
けれども見る見るうちに暴力的な社会に変貌していく様は、本当に恐ろしかった。
トランプ氏は任期中、外国に戦争をけしかけなかった大統領ですが、自国で市民戦争が起こっても不思議では無いくらいに分断し、そこに増悪を植え付けた大統領でした。
終わらせることができて本当に良かったです。
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「 『差別主義者でない』というだけでは十分じゃない。私たちは『反差別主義者』でなければならない」 わたしは #大坂なおみさんを支持します

2020年08月28日 | 世界とわたし
こんにちは。
多くの皆さんがご存知のように、私は明日の準決勝の試合に出場する予定でした。
しかしながら、私はアスリートである前にひとりの黒人女性です。
そして黒人女性としての私は、試合をしている私の姿をお見せするより、今すぐに注意を払う必要があるもっと重要な問題が手元にあると感じています。
私がボイコットをすることで何か劇的なことが起こるとは思っていませんが、白人が大多数を占める競技界(まうみ注・テニスはその昔、白人スポーツと呼ばれていました)の中で対話を始めることができれば、私はそれが正しい方向への一歩だと考えています。
警察の手によって黒人が大勢殺され続けているのを目にするのは、正直言ってもううんざりです。
数日おきに新しいハッシュタグが出てきて、何度も何度も同じ会話をすることに本当に本当に疲れました。
いつになったら充分っていうことになるんでしょう?
(拙訳byまうみ)


引用:なおみさんの発言の数々
「あなたに起こっていないからといって、まったく起こっていないということではありません」
「今日はみんなどこに飛び出すの?教えてください」
「チェーンをつけたり、ジムでヒップホップ気取ったり、グータッチしようとしたり、スラングでおしゃべりしたりしたがる人たちが、急に黙りこんじゃって、おかしいです」
「もしあなたが、先週何も発言しなかったのだとするなら、なぜなのか自分自身に問いかけてください」
「もしあなたが、正義のために立ち上がることに自分のプラットフォームを使うことに居心地悪さを感じるなら、なぜなのか自分自身に問いかけてください」
「この1週間の間に、黒い正方形を投稿しただけの人たちをこきおろしたい気持ちと、それとも、彼らは黒い正方形すらも投稿しないということもできたけど、ごくわずかのパンのかけらを与えてくれたと受け取るべきなのか、その狭間で揺れ動いている」
「なんで日本語じゃないの?いつ違う国に引っ越したの?レイシズムがダダ漏れだから、隠したほうがいいよ」
「そろそろ、なんの武器も持たない黒人男性の死についてツイートしないのに、略奪についてツイートする頃ね」
「事件が起きて1週間ゴーストになったみたいに沈黙していた人たちが、略奪が始まったとたん、毎時間くらいの勢いでツイートし始めた」
「アスリートは政治に口出しすべきじゃない、ただみんなを楽しませてればいい、と多くの人が口々に言うのが大っ嫌いです。まず第1に、これは人間の権利の問題です。それに、なぜ私はダメであなたには発言する権利があるんですか? その論理でいくと、IKEAで働いている人はグローンリード(IKEAのソファ)のことしか話しちゃいけないってことになりますよ」
「差別主義者でない」というだけでは、十分じゃない。私たちは「反差別主義者」でなければならない」

彼女が目にしている現実。
そのことを理解しようともしないで叩いている人たちの、本当にみっともないコメントの数々…途中で読むのが嫌になってしまいました。

そして今日、

記事には、
全米テニス協会が、大坂選手が欠場する日の全試合を「(大坂選手による)人種差別や社会的な不公平に対する抗議を承認する表れ」として、27日に予定されていたすべての試合を見合わせ、28日から再開することにした。
と、さらっと書かれていますが、実にアメリカらしいキビキビとした対応だと思います。

が、それとは真逆の現実もアメリカは抱えています。

「BLACK LIVES MATTER」デモの参加者に、銃口を向ける住民がいることはちらほら聞いていましたが…この狂った若者の暴力を事前に止めようとしなかったのはなぜなのか…。

前にも何回か書きましたが、わたしも一度だけ、二人の警察官から銃口を向けられたことがあります。
一つの銃口はわたしの目の前に迫っていました。
それは差別というより勘違いの方が大きい理由でした。
彼らがその時追っていた容疑者が東洋人の女性だったこと、わたしがたまたまその彼女の車のすぐ後ろについて走っていたことから仲間だと思われ、彼らの追跡の邪魔をしたと勘違いされたのでした。
でももしわたしが白人であったら、絶対に起こり得ない勘違いでした。
現物の銃口は本当に恐ろしく、そのことがあってからドラマや映画でそういうシーンが出てくるたびに、あの時の強烈な恐怖と混乱が蘇ってくるほどのショックを受けました。
そういう小さな勘違いで、無残にも殺された黒人男性が大勢いるのです。
その勘違いには肌の色が大きく影響しています。
これは米国社会のれっきとした現実です。
実に様々な肌の色が共存している社会にあって、どういった観念や主張が適切なのか、不適切なのか。
ある特定の人種や国を史上のものと考えることの愚かさや滑稽さは、それを良しとしている人たちにはなかなか伝わりません。
愚かで滑稽なだけで止まっていてくれたらいいのですが、そういう連中は武器を持った途端に危険な集団と化してしまいます。
警察官は武器を手にできる特殊な立場の人間です。
だからこそ、念には念を入れて、人権教育を徹底的に行うべきだと思います。

だからこそ、今回の大坂なおみさんの毅然とした呼びかけは、本当に大きな意味があると思います。
わたしたちが差別とどう向き合っていくべきか、どういう態度を示すべきか、自分の頭と心でしっかりと考えていかなければならないと思います。
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モーリシャス座礁重油流出事故は、誕生日祝いをやっていた乗組員が、Wi-Fiを接続するために陸に近づいたから起こった???

2020年08月14日 | 世界とわたし
モーリシャスという国の名前を知らなかった。
モーリシャスという国がどこにあるかも知らなかった。
こんな事故が起きて初めて知った。
知ったと同時に申し訳なくて、悲しくて、たまらない気持ちになった。

そして今日、この事故が起こった原因の一つとして、こんな供述が報じられた。
商船三井が運航する貨物船「WAKASHIO」の乗組員は当局の調べに対し、「座礁する直前の先月25日夜に乗組員の誕生日を祝っていた」と話しているということです。
さらに、「Wi-Fiに接続するために陸に近付いた」と供述しているとも伝えています。

なんてバカバカしい理由なんだろう。
本当にとんでもないことになってしまった。

ツイッターで詳細を知らせてくれる人たちの力をお借りして、ここに転載させていただくことにした。


日本では詳しく報道されていないと聞いているのだけど、本当なんだろうか?


せめて寄付をしようと思う。
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COVID-19に揺れるパンデミックふたたびのアメリカから

2020年07月17日 | 世界とわたし
アメリカ国内で再び、新型コロナウイルスが猛威を奮っています。
対して3月中旬から111日間、凄まじい地獄を見たニューヨーク市では、先日の7月11日に、ついに死者の数が0(ゼロ)になりました。
新しい感染者、重症入院患者、死者の数が、毎日毎日容赦なく増えていった4月は、本当の本当に地獄でした。
あまりの多さに収容不可能となり、病院に横付けされた大型冷凍トラックに、白い袋に包まれた何体もの遺体を運んでいる様子がSNSに流され、大泣きしながら見た夜もありました。
ニューヨーク市の次に被害が酷かったニュージャージー州の、その市のすぐ近くに住んでいるわたしたちは、まったく他人事ではなく、明日は我が身という思いを抱えながらひっそりと自粛生活を送っていました。

ロックダウンが解除されてからも、実に慎重に、少しずつ様子を見ながら経済活動を再開させているのですが、だから倒産したり畳んだりした会社やお店は少なくありません。
あまりに長い休業に耐えきれなかったからです。
「人命救助」と「経済活動」。
どちらを優先するべきだったのか、どちらも並行にやるべきだったのか、その結論はまだ出ていません。
今回トライステートの知事たちは結束して、経済活動を犠牲にしました。
支援金が渡されましたし、新型コロナ臨時失業保険の支払い期間が再度延長されもしましたし、その額は週に6〜800ドルと、仕事ができなくなった人にとっては大きな支えになっています。
学校給食が無くなったので、学齢期の子どもであれば、他国籍であろうがビザの無い移民であろうが、全員に420ドルが支払われます。
ニューヨーク市内では、全域で、無料の食事配布が為されています。
けれどもそれでも万全ではありません。
失業保険を受けられない人、元々ギリギリの暮らしをしていた人、職場復帰が望めない人、そういう人たちをどう支援していくのか、それはこのパンデミックで人命を優先した大きな街の新たな挑戦になります。
でも、あの111日間の、クオモ知事の陣取りを毎日見ていた人たちは多分、感染後の新しい闘いに負かされてしまうであろう人々を、彼は決して見捨てはしないだろうと思うと思います。

そんな東海岸、いわゆる欧州からのウイルスを多く取り込んでしまった三州の、まさに死に物狂いの努力をよそに、経済活動の再開を急いだ他州の感染者数が、爆発的に増えてしまいました。
特に酷いのはフロリダ州、テキサス州、そしてアリゾナ州です。
どの州も共和党の知事です。
そしてどの知事も皆、コロナ対策を誤ったとして、住民から強く批判されています。
変わりどころとして、全米で真っ先にロックダウンをして、感染を抑えたと讃えられたカリフォルニア州が、お店や施設を再開したために、再び感染が増大してしまいました。
ちなみに知事は民主党です。

とにかくトランプ大統領の、大統領選を意識したパフォーマンスに賛同したり追従したりしたことが、感染増大の原因の一つであることは間違いありません。

「マスクなど着ける必要が無い(着けるか着けないかを選ぶ権利がある)」
「経済を最優先する」
「ソーシャル・ディスタンスなんてバカバカしい」
などと言って、普段通りの生活を続けた州民が今、感染の猛威に襲われて命を落としているのです。

こんなことも言ってたんですね、この人は。

なのでついに、こんなことになりました。
でも、こんなふうに、「連邦政府はもうダメだ」と言える、そう判断できて行動に即移せる、しかも全ての州に呼びかけられる知事たちの臨機応変な思考。
ここがアメリカの良いところだと思います。

そんなこんなで、ようやく、とうとうマスクを着用したトランプ氏。

おまけです。
こちらの検査状況をお伝えします。
日本で検査を受けると、何万円も払わなければならないと聞きましたが、今もそうなのでしょうか?


さて、再び感染問題が深刻化しているアメリカと日本を、自由に行き来できる在日米軍が、沖縄の米軍基地で、新型コロナウイルス感染を爆発的に広げてしまいました。

だってこんなことをしていたのですから…。


本当に酷いものです。
このことに対しても、日本政府は厳しく指摘できず、はっきりと非難もできません。
米国から沖縄に移動しないこと、地位協定を見直すこと。
せめてこの二点は、強く推し進めていくべきです。


余談ですが、ちょっといいお話を見つけたので。
偽善だ、と言う人もいると思います。
でも、偽善であったとしても、この考え方は良いと個人的に思います。
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「患者数だろうと失業者数だろうと死者数だろうと、数字だけでは新型コロナの影響を推し量ることはできない。彼らは単なるリスト上の名前ではない。彼らは我々だ」

2020年05月25日 | 世界とわたし
今日のニューヨークタイムズの一面に、新型コロナウイルスによる死者の約千人の名前と享年、そして一言紹介が載せられました。
アメリカ全土の新型コロナウイルスによる死者が10万人を超えてしまう日が近づいています。

「彼らは単なるリストの上の名前ではない。彼らはわれわれだ」
「患者数だろうと失業者数だろうと死者数だろうと、数字だけでは新型コロナの影響を推し量ることはできない。千人は全体のわずか1%にすぎない」

一言紹介には「厳しい仕事ぶりで知られる裁縫師」など、米国各地のさまざまな新聞に掲載された訃報を集め、まとめたものが載せられています。

世界各国の新型コロナウイルス感染者や死者の数には、国それぞれの政治事情や方針が影響しているので、どこまでが真実なのかはっきりわかりません。
アメリカの人口は3億2700万人、日本の人口の約3倍です。
アメリカの感染者数は約162万2670人、日本の感染者数は1万7262人、
アメリカの死者数は9万7601人、日本の死者数は833人。
どちらも100分の1になっています。
人口100万人あたりの感染者数は、アメリカが5000人弱、日本は131人。
人口100万人あたりの死亡者数は、アメリカが約300人、日本は6.5人。
ところが、感染者数における死亡割合になると、アメリカが6%、日本が5%と、それほど大きな差がありません。

このような事態が起こった際に、数字を弄ったり誤魔化す事を良しとしない国と、国益のためなら隠したり変えたりするのも致し方がないという国では、出されてくる数字が全く違ってきます。
アメリカのこの突出した数字は、もちろん検査数の多さからきているのですが、死亡時の検査がどうなっているのか、そこを調べたいと思っています。
どのような症状で亡くなったとしても、陽性検査を行って、死因が新型コロナウイルスに因るものであるのかを徹底的に調べているのか否か。
それが知りたいのです。

最近「超過死亡」という言葉を目にする事が多くなりました。
「超過死亡」というのは、感染症が流行した一定の期間の死亡数が、過去の平均的な水準をどれだけ上回っているかを示す指標です。
この指標が日本でも上回っていて、2月中旬から3月末までの6週間で、東京だけでも300人の超過死亡が確認されています。

今回のパンデミックでわたしたちは、それぞれの国の在り方、政府における危機対応の優劣、生活と環境のバランス、人と人との繋がりを、立ち止まってじっくり見直す事になりました。
わたしが暮らす地域では、緊急事態の解除はまだまだ先のようで、町のレストランや劇場はずっと扉を閉ざしたままです。
共にとても小さな規模の自営業者である我々夫婦には、5月の中旬にやっと、4月中のはずだった一律給付金約26万円が送られてきました。
完全休業の夫には、今回のコロナ禍限定の失業保険の支給も始まりました。
誰も雇わず全て個人でやっている仕事でこれほどのストレスと不安を抱えるのです。
今まだ休業を続けている経営者の方々、その会社やお店で働いている方々の気持ちを思うと、深いため息しか出てきません。
政治がどれだけきめ細かく、そして的確で十分な支援ができるのか。
それをしっかり監視して、足りない場合は厳しく指摘してきちんとさせなければなりません。
そして何より、次の第二波の襲来に備えるべく、最悪の事態を想定し、医療設備や防護器具、人員、それから症状別の隔離施設を用意しなければなりません。
今回どこよりも辛酸を舐める事になったニューヨークは、もう二度と同じ失敗は繰り返さないでしょうし、頭はすでに第二派の対応に向かっています。
日本は今回同様、安倍政府スタイルを続けるつもりなのか、はたまた政権が変わっていて、違う対応をとるのか。
いずれにせよ、新型コロナウイルスが生んだ新しい世界を生きていくしかないわたしたちは、既存の常識や習慣に拘らない柔軟な頭と心を持てるよう、少しずつ慣らせていかなければならないのでしょうね。
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ワシントンポストが日本語で、しかも無料で読める記事を?!「コロナウイルスのようなアウトブレイクが指数関数的に拡大する理由と、曲線を平坦化する方法」

2020年03月20日 | 世界とわたし
ワシントンポスト(The Washington Post)が、今回無料で読めるよう配慮してくれた、とても参考になる記事を紹介します。
それもどういうわけか日本語なのです。
アメリカ国内の感染事情の記事ですが、日本の方々にも参考になることがあると思います。
ぜひ読んでください!
 
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#IranianCulturalSites 「イランの美しい文化財を攻撃するな!」

2020年01月08日 | 世界とわたし
2年前の2018年4月、アメリカ、イギリス、フランスの3カ国が、シリアにミサイル攻撃をしました。
その時の理由は、シリア政府軍がダマスカス東部で化学兵器を使用した疑いがあるというものでした。
けれども、この時も、民間人を巻き込むかもしれない武力介入を避けるための外交努力をせず、国際安保理決議を経たものでもなかったのです。
ただ、この攻撃はシリア政府軍による化学兵器の使用防止を目的に、攻撃対象を関連施設のみに絞り、攻撃予告から1週間近く過ぎてから行われました。

けれども、内戦が続くシリアの子どもたちはずっと、恐ろしい思いをしながら暮らしています。
その時に作られたビデオです。
Save The Children - #SaveSyriasChildren.




当時、このビデオをTwitterで観た時、頭の上から落ちてくる爆弾の音や、地面で炸裂したガスの臭いに怯えるこの子の心を想像して、たまらない気持ちになりました。
そして思いました。
わたしの人生の中で、見上げた空から爆弾が落ちてくるようなことはただの一度も無かったと。
もしそんな経験があったなら、そんな経験をした人なら、軽々と爆弾を落とそうなどとは思わないでしょう。
そんな経験をしなくても、人の心を持っているなら、爆弾を落とす前に、なんとか話し合って解決しようと努力するでしょう。
爆弾を一方的に落として解決できることなんて一つもありません。
国を背負って他国の人を殺めたら、その殺された人の国の人の激しい憎しみを買い、何倍にも膨れ上がった殺し合いが始まるだけなのです。
これはもうずっとずっと続いてきたことです。
国の長に限って学ばない、今だけ金だけ自分だけという人が多いので、いつまで経っても戦争の無い世界は実現しません。

一体全体、どうしてこんなバカバカしい殺し合いを始めようとするのか。
何か、どんなちっちゃなことでもいい、自分にできることは無いのか。
そんなことをずっと考えていたら、こんな記事を見つけました。
今、世界中の人たちが、あるハッシュタグをつけて、イランの美しい建造物の写真をTwitterに投稿しています。
これは、トランプ大統領が、
「イランが米軍基地などを攻撃した場合、イランやイラン文化において、とても重要な場所を含む52カ所を標的にする」とツイートしたことがきっかけ。
ハッシュタグ「 #IranianCulturalSites(イランの文化財)」が生まれ、人々は「イランの美しい文化財を攻撃するな」と、各国から写真を投稿しています。

なぜ52箇所なのか。
それは、イランで1979年に起きた米大使館占拠事件で、人質となった人の数が52人だったからです。
けれどもこの考え方がどんなに意味が無く無謀で愚かなことか。
そもそも、文化財を攻撃することは「戦争犯罪」なのです。
というか、文化財さえ守ればそれでいいのか?
いいえ、戦争そのものが犯罪であるとわたしは思います。
合法的な殺人なんて狂気は、この世に存在してはいけないのです。

もうこれ以上、子どもたちの頭に、爆弾を落とさないでください。
ビデオの最後に流れる言葉を、よく考えてください。
「ここで起きていないからといって、起きていないという意味じゃない」
世界の、どこの子どもも、空を怖がらないで見上げられる毎日を作ってあげたいです。
だから今、イランの美しい文化財のみならず、その地で暮らしている市民を攻撃するな!と声を上げなければと思います。
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国や政治家が生き延びるために私たちが死ぬなんてもうたくさんだ!

2020年01月06日 | 世界とわたし


大変なことになりました。

これ↓はアメリカの下院議員アレクサンドリア・オカシオ-コルテス氏のツイートです。
彼女だけでなく、今回のトランプ大統領の愚行を非難する議員が続出しています。
拙訳:
これは戦争犯罪です。
あなたは文化施設などを標的にして、つまりは罪の無い家族、女性や子どもを標的にして殺すと脅かしている。
そんな人間はタフガイでも戦略家でも無い、モンスターです。

わたしは正直言って、中東の政治や社会についてあまり詳しく知る者ではありません。
それでも今回のこのトランプ大統領の決定が、先のイラク戦争を引き起こした当時の政治家よりもさらに酷い、極めて愚かな行為であったことはわかります。

引用:
■そもそもの発端は?
報道では、中東の声として、ソレイマニ司令官を美化するものも目立つ。
しかし、ソレイマニ司令官らイラン革命防衛隊は、イラク戦争後のイラクやシリアで、極めて残忍な人権侵害に加担してきた事実が報告されている。
決して美化されたり、礼賛されるべきではない。
今回の事態の発端として、昨年イラクとイランで始まった反政府デモと、イラン当局の動きがある。
2019年、政治変革を求めるデモが相次いで起きた。
香港のデモ等が日本では注目されているが、ここでも若い世代が立ち上がった。
ところが、イランでは、治安部隊がデモ参加者に残虐な弾圧を続け、多数の死者を出した
BBCニュースが弾圧についてまとめているが、革命防衛隊に向けられる視線はこのようなもので、イランは一枚岩ではない

2019年10月、バグダッドのタハリール広場で始まった反政府デモは「10月革命」と呼ばれ、かつてないほどの規模に拡大している。
非暴力を宣言し、現場に寝泊まりし、汚職撲滅、失業率と公共サービスの改善を叫ぶ若者たち。
宗教宗派を超え、思い思いの形でデモに参加する老若男女。
これまでとは全く違う市民の結集が起きている。
しかし、治安部隊の武力鎮圧も激しさを増し、2か月間で死者400名以上、負傷者およそ2万人
首相の辞任が承認されても、デモ隊は、すべての要求が満たされるまで継続すると発表。
イラクのサレハ大統領は12月26日、親イラン派の国会勢力が推す人物を首相に指名することを拒否し、大統領を辞任する用意があると表明していた。
こうしたなか、ソレイマニ司令官は人々の怒りの矛先を米国に向けるようゲームチェンジを模索して画策していたとの報道もある。


知らないことだらけでした。
汚職撲滅や失業率と公共サービスの改善を求め、平和的に抗議集会を開いているイラクの若者が、450人以上も殺されていた、だなんて…。
デモに参加しただけで殺される。
わたしは今までの人生の中で、デモに参加した際に、自分はここで殺されるかもしれないという恐怖を感じたことはありません。
殺されることを覚悟でデモに参加したこともありません。
日本で43年、軍隊を持たないと憲法で誓った国で暮らし、そしてこちらで約20年、他国に戦争を仕掛けて暴力を奮うけれども、デモに参加する市民は傷つけても殺しはしない国で暮らしてきました。
けれどもまた、人が多く集まる場所でのテロ攻撃を、常に頭の片隅に置いて行動しなければならなくなりました。
それくらい、よその国の空から爆弾の雨を降らせ、日々の暮らしを営む人々や動物の命を奪い、大切にされてきた文化や建物を破壊する軍隊の本拠地に暮らす者として受け入れろと、世界は非難の目を向けるでしょう。

でも…。


せめて何かできないか。

そしてトランプ大統領の暴力と脅迫に満ちたツイートを通報しました。

自衛隊員を中東派遣するなどと、国会での議論もせずに閣議決定してしまった安倍首相は、今日もまだずっと沈黙を続けているのでしょうか?
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