ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

『OKINAWA』

2019年06月07日 | 音楽とわたし
一ヶ月前に、辻井伸行さんの演奏を聴きに、カーネギーホールに行きました。
チケットを2枚、いつもの如く手を伸ばすと天井に届きそうな席でしたが、カーネギーホールの音響は、高額な席を買えないわたしたちの耳にも、素晴らしい音を聞かせてくれるのでありがたいです。

ドタキャンした夫の代わりに、ドタinviteした紀子さんを助手席に乗せて、いざいざ出発。
カーネギーホールのすぐ隣にある駐車場が、なんと時間制限無しで20ドルだったのでそこに車を停め、二人でウキウキしながら会場に向かいました。

ああ、やっぱり高いわ〜。

でも真正面!


この日のプログラムは、一部がサティの3曲、ドビッシーの映像から3曲、ラヴェルのソナチネ、二部がショパンのスケルツォ1番から4番。

一部と二部の間に、ものすごい集中力で仕事を進める調律師さん。

今さらながら、やっぱり同じ(もちろんレベルは月とスッポンなのだけど)ピアノ弾きとしては、全く見えないのになあってつい思ってしまいます。
特にドビュッシーの映像は、まるでホール全体に薄いベールがかかり、そこに様々なイメージが映し出されていくような、それはそれは不思議な空間に身を置きながら聞きました。
自分が学生の時、イメージがわいてもそれを音で表現できなくて、悶々としながら練習していたことを思い出しました。
もう一回チャレンジしてみようかなあ…。

プログラム曲を全曲弾き終えた辻井さんに、満席の会場からは、惜しみない拍手と賞賛の声が送られます。
ニューヨーカーは意思表示がとてもはっきりしているし遠慮がありません。
この夜、辻井さんは、付き添いの男性と一緒になんどもカーテンコールに応え、アンコール曲をたくさん弾いてくれました。


でも、拍手は一向に鳴り止みません。
そこで辻井さんはとうとう、ピアノのフタをパタンと閉めて、もう弾きませんよと伝えてくれたのでした。

この頃はまだ、作曲を仕上げることができなくて、パートナーのサラとも合わせることができなくて、だからとても焦っていました。
けれども辻井さんが、彼自身を丸ごと音楽に溶け込ませている姿を見て、そしてその彼の指が奏でる音を聞いて、大丈夫、きっとできると思ったのでした。

友人が紹介してくれた25歳の若いヴァイオリニストに、本番までに2回ほど、『OKINAWA』をレッスンしてもらえることになりました。
彼はイスラエル人で、マンハッタンにある音楽学校を卒業したばかり。
去年一緒に演奏したエリオットが、みるみる上手になったのが、この新しい先生との出会いだったと聞いて、今からとても楽しみです。
ただ、曲が曲なので、先生も困るかもしれません。
明後日の合わせ練習で録音したものと楽譜を、1回目のレッスンを受ける前に送っておこうと思います。

舞台までの1ヶ月で、どこまで練り上げることができるか。
一日一日を大切にして、そして体調が崩れないように注意して、自信を育てていきたいと思います。
そして、一緒に演奏してくれるサラに、レッスンをしてくれる先生に、このチャンスを与えてくれたACMAに、作曲や練習に時間を費やすわたしを見守ってくれる夫に、
心からの感謝の気持ちを持ちながら、頑張りたいと思います。
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年金返せデモを全国規模で

2019年06月07日 | 日本とわたし
安倍政権による成長戦略の実行計画案。
『70歳までの定年延長』
『兼業・副業の拡大』

今年わたしは62歳になりました。
いわゆる年金を受けることができる歳です。
年金といってもわずかな額だし、家のローンを払い終えるまでにはまだ20年以上もの年月がかかるので、もちろんもう働けないという時まで仕事を続けようと思っています。
そのためには、食べものや睡眠時間に気を配り、健康でいられるようにしなければなりません。

でもやはり、年金をいただける歳になったんだなあと、しみじみありがたく思うのです。
これまでよく頑張りましたねと、実際に言われたわけでは無いけれど、ちょっと照れくさく、ちょっと嬉しい気持ちになるのです。

もちろん、もう少し待って66歳から受け取ると、ひと月の支給額が2倍近くになります。
でも、66歳まで待つのはしんどいな、なんてあれこれ迷っているところに、

日本は70歳まで年金がもらえなくなるかもよ、というニュースが目に入ってきました。

うわあ…そりゃないわ。
労働者はクタクタになるまで働きながら、長年かけて年金を納めてるんです。
なのに、株価を釣り上げるために(アベノミクスを体裁良く見せるために)、事もあろうに年金資金を使い、思いっきりスってしまったんです、政府は。
自分たちの不手際(国民から集めた年金を株に運用して思いっきり失敗した)で支払えなくなったのに、このひょっとこさんは、なんて偉そうなんでしょう。

「俺が生まれたころの平均寿命はいくつだか知ってるか?47歳だよ、だいたい終わってるよな」
「それが戦後は53歳になって、こないだまで81歳とか言ってたのが、100だって言うんだろ」
「そうすると、人生設計を考えるときに、100歳まで生きる前提で退職金って計算して見たことあるか?」
「いきなり100って言われて、あと20年間ゴルフを続けられるのって、そんな体力ねえなとか、金が無いなとか、だから今のうちからきちんと考えないと」


 




年金返せ!😡 





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