ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

雨のち曇りのち晴れ

2022年10月31日 | 音楽とわたし
昨日やった大人の生徒だけのリハーサルで、「僕は舞台の上で弾くのなんか絶対に無理だ」と言って発表会には出ないことにしていた生徒さんが、みんなの前でよく弾けて、それでみんなからもったいないよ〜と散々言われて、じゃあ連弾曲だけなら、と勇気を出して参加することになりました。
人前で、それも100人近くの大勢の人たちの前で弾くのは、実際大変なことです。
ましてや初体験ならばなおのこと、経験が無いので恐怖感はうなぎのぼり。
生徒さんの中に、緊張が高まってくると指全体がブルブルと震え始める人が二人います。
実はわたしも、50歳を過ぎたあたりから、演奏の最中に指や足が震えるようになりました。
それまではいくら緊張してもそんなことは無かったのに、初めてその震えを経験した時はびっくりして、舞台の上で止まれ!止まれ!と、心の中で叫び続けていました。
それからというもの、人前で弾くと必ず震えるようになり、ああ、これは新たなわたし流の緊張の表れなんだと、とりあえず納得するしかしようがなくなってしまいました。
ピアノ弾き専門、そこまで贅沢言わずに楽器の演奏家専門のセラピストさん、なんていらっしゃるのかな。
もしいらっしゃったら相談したいものです。
その生徒さんたちにリハーサル後にお話ししました。
わたしも弾いている途中に指が震え始めて困ったんだけども、どんなにいろいろ試しても止まらないので、もう諦めて震えるっていうことも全部ひっくるめてこれがわたしだと思うことにした、と。
そうすると震えてはいるんだけど、震えていない時と同じように弾けるようになった。
だから震えても焦ったり止めようとしたりせずに、ありのままで、このままでいいんだと納得してあげて、音作りやフレーズの流れや表現に集中することができるよう、この最後の1週間を頑張ってみてとお願いしました。
うまくいくといいなあ。

さて、夫がようやく陰性反応を得ることができました。
発症して4日後からはほぼ普通の状態に戻っていたのに、検査結果だけがいつまで経っても陽性だったので、さぞイライラしただろうと思います。
今日から毎週日曜日に、マンハッタンのスタジオで、オーケストラの練習が始まりました。
毎年のこととはいえ、オーケストラのメンバーを集めるのはとても大変で、音楽協会のエグゼクティブディレクターとメイン指揮者の二人が大奮闘してくれて、ようやく練習開始に漕ぎ着けたのでした。
今日の曲はバルトークのRumanian Folk DancesとHolstのSt. Paul Suiteの2曲。
どちらもうちのオーケストラのサイズと性格に合っていてすごく面白い曲でした。

マンハッタンのビルは空と相性がいいので、ついつい撮りたくなってしまいます。

ABCニュース局の放送中。


オーケストラの練習前に、めっちゃ遠くからレッスンを受けに来てくれている生徒さんを、同タジオ内の練習室を借りて教えることができたのも嬉しかったです。
というわけで、今日は1時から5時までスタジオにこもりっきりで、その間待っていてくれた夫が「このまま帰るか、それとも食べて帰るか」と聞いてきたので、せっかく久しぶりに外に出たので食事をしてから帰ることにしました。

夫の待つレストランまで行く途中で撮ったメトロポリタン劇場。

帰りの車の中から撮ったメトロポリタン劇場。

歴史博物館もいい感じ。


やっといつもと同じに戻れた感じがして、抱えていた心配が小さなため息と一緒に唇からもれてきました。
これから日本に向かって飛行機に乗る20日の朝まで、とにかくCOVIDに罹らないよう祈り続けるつもりです。
2年と8ヶ月ぶりの日本。
いろいろと準備を整えてはいるのですが、旅行を決めた際に一番難しいのが、家猫たちの世話を頼むことです。
今回は11月20日から12月4日までの15日間。
感謝祭後の1週間は、友人がうちに泊まり込んで世話をしてくれることになりました。
最初の1週間は感謝祭がある週なので、これがもう本当に難しい…。
こちらももう、見つかることを祈るしか無いという心境です。
コメント
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