ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国「混んでる駐車場の小確幸なお話」事情

2021年09月15日 | 米国○○事情
上の写真はコストコの前に行ったコリアンマーケットの魚売り場のアンコウくん。目と牙がド迫力だったので。


ニュージャージーのコストコの駐車場は、なぜだかいつも混んでいる。
人口密度が全米一だからだろうか、などとふと考える。
特に週末はすごいことになっているので、あそこには平日に行くことにしている。
といってもそんなに頻繁ではなくて、夫が仕事に使うペーパータオル、うちで使うティッシュやトイレットペーパーやコピー用紙(と、ここまで書いて紙ばっかりだなと気づく)を買い足したり、ホールフーズで買うと5倍くらいは高値になるチップスやクラッカーを買ったりするだけなのだけど…。

昨日は月曜日だったのに異常に混んでいて、広大な駐車場をしばらくグルグルと様子見しながら探していた。
ようやく買った物を積み荷している人を見つけたので、よっしゃ〜と思って近づいて行くと、ちょうど同じタイミングで対向車側から近づいてきた車と睨み合いになった。
出る車はわたしの車の側だったので、この場合はわたしが場所をいただけるだろうと思って待っていたのだけど、反対側に居る車の主も全く動こうとしない。
う〜ん…嫌な予感がする。
とりあえず場所が空いたら入れてみようと思いながら待つこと2分、ようやく車が出てきたのでハンドルを切って駐車しようとしたら、
パッパァ〜〜〜!!と、けたたましいクラクションの音がして、鬼のような顔を窓から半分出したおばさん(わたしと同じ年頃)が、こちらに向かって怒鳴っている。
周りの人たちもびっくりしてそのおばさんの顔を見ているのだけど、おばさんは「そこは私のもんだ、どけ!」と叫ぶばかりで、他の人のことなど全く気にしていない。
わたしも一瞬対抗しようかと思ったけれど、そういうのは超疲れるので、スゴスゴとバックして場所を譲った。
すると近くに居た老年カップルが二人して、韓国語でその女性に向かって文句を言い(多分)、次にわたしに向かって「待っていなさい、この場所に停めたらいいから」と言ってくれるではないか。

ああ、きっと彼らはわたしのことを韓国人だと思っているな。
そして同郷のよしみでわたしのために憤慨して、わたしのために場所を譲ってくれるのだ。
ありがたいことだ。
実はわたしは、こちらに在住する韓国の人たちに、韓国人に違いないと思われることがとても多い。
どこぞの島の女性の多くが、わたしと同じようなおでこと目元である、と言う人もいる。
母上は在命か?もしそうなら尋ねてみるといい。きっと大きな秘密を抱えておられる、とまで言う人もいる。
いやいや、そんなことをおっしゃられてもわたしは日本生まれの日本人で、けれども韓国語が大好きで話せるようになりたい気持ちは山々なのだが一向に進まないのです。
と、一体何人の韓国人に説明してきたことか…。

などとあれこれ思い出しながら待っていると車が動き始めた。
ぼんやりしていたので慌ててギアを入れてゆっくりと車を出そうとすると、あらら、いつの間にかそのスポットを狙う車が2台も居て、先ほどの韓国人女性が警備員みたいに手を振ってその2台の車の動きを止め、わたしを誘導してくれているではないか。
「何ぼんやりしてんの、早く、さっさとここに入れなさい!さあ早く!」

なんだか胸がグッと熱くなって、わたしは頭を下げ下げ車を入れた。
途中で窓を開け、外の女性に「トップネヨ!カムサハムニダ!」と一言だけお礼を言うと、「ケンチャナケンチャナ」と言って去っていく。
カタコトの”カ”ぐらいしか話せないけれど、なんかちょっと韓国に近づけたような気がした。
ただそれだけの話なんだけど、今でもその時のことを思い出すと胸がほんわかと温かくなる。
アンコウくんには申し訳ないのだけれど…。
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