ようやくどちらの予定も合ったので、超~久しぶりに会いに行ったら、赤ん坊だったメイヴが、おしゃべりしたり歌を歌ったりしてた…。
なんてこった…。
おまけにフィンはもう5歳。
やれやれ…。
ハロウィンの翌日だったので、カボチャさんたちはまだまだ健在。
メイヴはビーになったのだそうな。
部屋の中にもハロウィンの名残が。
壁には恐竜が。
アンドリューとモーリーは、我々と会うと必ず、みんなで音楽を楽しもう~な時間を作る。
今回はメールでまず、家にある楽器の紹介とかもしてきて、こりゃかなり力が入ってるなと、夫と二人でヒソヒソ言い合ってた。
カラオケマイク登場!
その横っちょで、ちょっと冷め気味のフィン5歳。
メイヴはドラムにも興味しんしん。
娘に即興の歌をプレゼントするパパ。もちろんバックバンドは夫とわたし。
小さな子どものおかあさんのモーリーは、だから日本の原発事故のその後をとても気にしている。
会うと必ず、その後どう?と聞いてきて、わたしは知ってる限りのことを説明する。
でも…良いことをひとつも伝えることができなくて、わたしはだんだん恐縮してしまう。
いったいどうして、あんな地震や火山がいっぱいある小さな国に、原発のような危険な施設が50以上も建てられたのか。
いったい誰が、そんな無謀で責任の取れないことを、企画して実行したのか。
それを真っ直ぐに、目と目を合わせて聞かれると、わたしは唇をぎゅっと噛み締めて黙る。
反対した人もいたんだろうね。
でも、そういうものを押し付けてくるような連中は皆、金と権力を十分に持っているから、それらをふんだんに利用して、そういう人たちを蹴散らしていったんだろうね。
この国にも、そういうことは山ほどあるから、事情もわかるし想像もつく。
けれども、あんな事故が起こったんだよ。
もう4年半も経つのに、全く収集の目処が立たないまま、汚染は水や空気や葉っぱや土に、どんどん広がり続けているんだよ。
なのに目が覚めないのはどうして?
目が覚めるところまでには至らなくても、例え芝居でも、こんな事態を招くことになった自分たちの策を反省し、検証し、修正すると言わないのはどうして?
それを許しているのはなぜ?
そして、また稼働するっていうのは、どこの狂った人間が言ってるの?
彼らの家の近くの公園に寄って、秋の終わりを眺めながら、わたしはまた、原発のことを考えていた。
原発再稼働なんて、ほんとのほんとに間違っている。
どうしても動かしたいのなら、まずその前に、事故処理と収集を完全に終え、検証をまとめ、問題を解決してからだ。
だって、今回の事故は、地震と津波がいつかどこかで起こるという、日本の宿命のひとつがきっかけとなって起こったのだから。
そして今は、火山噴火の可能性も高まっている。
これまで自民党は、たまたまそういう大きな自然災害が起こらなかったという幸運をいいことに、起こる可能性がある領土に、危険な施設を次々に建て続けた。
もしものことがあったらどうするのだ、という学者や議員からの警告や質問に、誰ひとりまともに取り合わず、無視を決め込んで。
そしてそのことを、報道機関も黙ってた。
安全だ~安心だ~快適だ~を念仏のように唱え、ありとあらゆる宣伝をし、啓蒙し、金と箱物で地域のつながりを分断し、それを外の人間は見て見ぬ振りをした。
除去することが不可能な放射能汚染、決め手が無い最終処分場、満杯の中間貯蔵所、どれ一つ、明確な解決策が無い。
人は核と共に生きることはできない。
そんなことができるようになると夢見て、大勢の頭脳明晰な人間が、気が遠くなるような時間をかけて研究したけど、それは結局無理なのだということに世界は気づき始めている。
日本の面積は、世界の0.25%でしかないのに、マグニチュード6以上の地震回数の20.5%が集中しているという、文字通りの地震大国。
そんな特異な自然条件を持つ国に、これほどの数の原発が建てられてしまった。
今まで福島原発のような重大事故が起きなかったのは、単なる幸運だったことに過ぎない。
そのことにどうして気づかないふりをしているのか?
気づかないふりをするばかりか、次々と再稼働を企てている国を、報道はなぜ、放ったらかしにしているのか?
原発稼働で潤った福島の、事故後の惨状を見てもなお、原発に頼る暮らしに戻ろうとする自治体が存在する。
原発は麻薬。
一度中毒に陥ったら、なかなか戻れない。
麻薬の元締めは原発ムラの人間たち。
まず彼らを摘発し、刑罰を課し、責任を取らせるシステムを作らなければならない。
それを作ることができる政治家を、市民からどんどん出していかなければならない。
これまで危険と背中合わせに、電力を供給してくれていた、原発所有地に暮らす人々に感謝をしつつ、
安全対策も避難計画も、ろくにきちんと為されていないままの危険な原発を稼働させないよう、国が言うことを聞くまで声を出し続け、
原発周辺のみならず、日本全体、アジア、そして地球に暮らす生命を、危険に晒さないという覚悟をもって、力と知恵を合わせて、原発ムラを退治しよう。
原発は、稼働ではなく廃炉事業に転換し、稼働の時と同じように国策でやるべきだし、予算のサポートももちろんするべき。
廃炉の実現のためには、長い年月と大勢の人出が要る。
国に、その責任をきちんと取らせなければならない。
原発の是非は、エネルギー問題ではない。
人間が近づくと、たったの20秒で死に至るほどの放射性廃棄物を、日本のどこかに埋めるというけど、
そんな場所など無いし、それを10万年も管理するような技術も無い。
こんなバカらしいことを、いかにも重要なことのように偽って、何十年もの間、わたしたちの税金を湯水のように使い続けてきた。
施設のために、人員のために、そして万が一のことが起こった時にかかる費用のために、適当に名目を作り、そこに支払うように仕向けてきた。
こんなデタラメな、横暴な、理不尽な目に、これからも遭い続けていきたい人などいない。
日本から稼働する原発を無くし、全基廃炉を要求する。