夏競馬が終わり、今年もあと3分の1を残すのみ。
8/31、9/1には札幌、小倉でそれぞれ2歳ステークスが行われるなど、2歳種牡馬リーディング争いも佳境に入りつつありますので、ここでもう一度状況をチェックしておきたいと思います。
**種牡馬ランキング(JRA/2歳/総合/9月1日終了時点)**(馬名赤字は新種牡馬)
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1位は前回(8/13)チェック時には4位だったエピファネイア、2位はマジックサンズが札幌2歳Sを制したキズナです。前回首位だったモーリスも3位をキープしていますし、このあたりはさすがの実績馬たち、といったところでしょう。
そして4位には、ずっとファーストサイアートップをキープしていたアドマイヤマーズを逆転したサートゥルナーリアが入り、3位モーリスを射程圏に捉えた印象です。今年はエピファネイア、キズナが好調ですが、新潟2歳Sで2着に入ったコートアリシアンをはじめ、産駒たちの重賞戦線での活躍次第ではさらに上が狙えるかもしれません。
新種牡馬という観点では、前回ランク外だったミスターメロディ、ウインブライトが17、18位に顔を出してきたのは特筆ものです。ウインブライトは25頭で56出走とタフさと勢いで押している印象ですが、ミスターメロディは小倉2歳Sでクラスペディアが2着に入るなど、なかなか渋い活躍を見せています。ダート主戦場のナダルもまだ10位に頑張っていますし、13位のモズアスコットはAEI:1.73と、サートゥルナーリア、アドマイヤマーズを上回る優秀さを示しています。
ふむふむ、やはり今年の新種牡馬はかなり面白いですね! と思ったのですが…
9/1に社台SSから2024年の種付頭数が発表されまして、それを見ると、今後数年間の種牡馬勢力図がどう変わっていくのか、社台SSや馬産地の皆さんがどう考えているかが何となく見えてくるようで面白いです。
社台スタリオンステーション 2024年シーズン種付頭数のお知らせ
社台スタリオンステーション (shadai-ss.com)
ちょっと字が小さいので拡大して見て頂ければと思いますが、パッと見で目につくのはキタサンブラック、イクイノックスの親子が合わせて約400頭に種付していること。通常、親が現役バリバリのトップサイアーでいる間に種牡馬デビューをする直子というのは、(かつてフジキセキなどがそうだったように)なかなか苦労をするものですが、この親子に関してはそんな心配はいらないようです。
そして、すでに産駒が高額で取引されているコントレイルは205頭と相変わらずの人気ぶり。コントレイル産駒は来年にはデビューをしますので、ややもするとブラックタイドに推され気味のディープインパクト直系として、キタサンブラック産駒(いずれはイクイノックス産駒)にどう立ち向かっていくのか楽しみです。
あ、もちろん産駒絶好調のキズナも218頭と大人気ですから、まだまだこれから大モノを出す可能性があるでしょう。一時は断絶が心配されたディープインパクト直系ですが、キズナとコントレイルがいれば何とかなるんじゃないのか… いや、むしろ、この2頭に期待するしかない状況、と言った方が良いのかもしれません(^^ゞ
その他で目につくのは、エフフォーリアが202頭、サリオスが196頭と、少し前に重賞をにぎわせていた馬たちがかなりの人気を集めています。エフフォーリアの初年度産駒にはエンパイアブルーの牝、セイリングホームの牡がいますし、サリオスにはルックオブラヴの牝がいますので、広尾TC的にもこの2頭には注目でしょう。
その一方で、社台SSがあんなに推していたレイデオロはわずか39頭に落ち込んでいて…。産駒の現状を見ると致し方ない気もしますが、本当に種牡馬の争いは過酷です。こうなるとレイデオロ復権のカギは、マードラドはじめ、広尾TC主力繁殖牝馬の産駒たちが握っているのかもしれません。(結構出資しちゃっているので頑張って欲しい(^^;))
あとは、ハービンジャーはグッと少なく11頭ですか。。ハービンジャー産駒はこれから益々希少になっていくでしょうし、こういう数字を見ると、クエストフォーラヴ’23には出資しておいた方が良いかな?などと考えていしまいます。
話が脱線してきたのでこの辺にしますが、こういう錚々たるメンバーの中に、いずれ近い将来、パンサラッサも参戦するんだなぁと…。そう考えると身が引き締まる思いですが、今も南半球で頑張っているパンサラッサの戦場は世界規模なわけで、是非とも現役時代同様に、世間様がアッと驚く活躍を見せて欲しいと思います!
ファンとしては多様な血統の繁栄を望みますが、生産者としては早期の結果が必要ですからね。どうしてもサンデーサイレンスの俊敏さであるとかストームキャットのスピードを求めるのでしょう。
パンサラッサは欧系の母から得た持久力を活かした消耗戦を得意としていましたが、生産者にとっては安定して前半57秒台で飛ばすスピードが魅力になるのでしょう。日本ではストームキャットのクロスを持つ仔が多くなるかも知れません。
そういう意味ではシャトル種牡馬として多様な牝馬との配合の機会があるのはいいことですね。
どうしても欧州系は『重たい』という印象があって、主にセールス面から、日本の生産者に敬遠されがちですよね。
ただ、スピード一本やりではうまくいかないのが面白いところ…
どんなタイプのパンサラッサ産駒が活躍するのかなど、考え出すと楽しくなっちゃいます(^^ゞ
レイデオロは……牝馬がわずか4頭しか勝ち上がっていないという壊滅的な状況なのが厳しいですね。
はい、厳し世界ですね。
レイデオロは特に。。
まあ、牝馬が生まれる確率も半分あるわけで、生産者としては怖いですよね(^^;)