吉澤ステーブルWEST在厩のヴィジャーヤは、現在は角馬場での調整後、坂路でハロン16~18秒ペースのキャンター1本を消化しています。
◇柴原担当のコメント 「よく見るとまだごく小さな名残りはあるものの、傷口はもうほとんど塞がっており、外見からは毛で隠れて分からない状態にまで良化しました。この分であれば、完治も秒読みの段階まで迫っていると言ってよいでしょう。まずは念入りに坂路調教を重ね、休んでいた分のブランクを取りもどしていきたいと思います」
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ヴィジャーヤについては、先週水曜の近況で(担当者不在のため)報告が木曜以降になるとの連絡がありましたが、まあ、外厩の皆さんも基本的にお忙しいのでしょうし、毎週の近況報告なども広尾TC馬だけにやっているわけではないですから、個別の事情で報告が多少前後するのは致し方ないでしょう。。と言いますか、しっかり馬を管理して頂けるのであれば、私は全然文句ありません(^^ゞ
それはさて置き、先々週から傷口の回復がさらに進み、坂路でのキャンターが16秒ペースまで上がるなど、引き続き順調な様子が分かって良かったです。ここからさらに乗り込みを強化し、15-15が難なく継続できるようであれば、意外に早いタイミングでトレセンに戻る可能性もありそうです。
池江厩舎のダービーはディープモンスターでの16着と不本意な成績に終わりましたが、何だかんだでダービーに管理馬を送り込んでくるのはさすがです。。ということで、今後はヴィジャーヤで未勝利戦にも強いところを示してもらい、さらには19年産馬(たまたま私は出資してませんけど)、20年産馬(アスカビレン’20)では、矢作厩舎に劣らぬ存在感を見せて欲しいと思います!
【吉澤ステーブルWEST在厩のヴィジャーヤ:公式HP(2021/5/27更新分)より】
バスラットレオンのダービーは15着…。厳しい挑戦だったとは言え、最初から負けるつもりで出たわけではないので、着順だけで言えば残念な結果でした。ただ、一生に一度のダービーに出走し、自分の競馬で戦い抜いてくれたのはとても良かったですし、改めてこういう馬に出資ができたことを嬉しく感じています。
藤岡佑騎手も最後は無理をさせませんでしたから、おそらく大きなダメージはないだろうと思います。今後はマイル路線で上をめざす戦いになりますが、どんなに厳しくともそれは本馬にとって望むところ。秋にはもう一段パワーアップしたバスラットレオンに会えるはずですし、今後の息の長い活躍を期待したいと思います。
しかしアレですよね、ダービーが終わってホッとひと息…みたいな感覚は、出資馬がダービーに出たからこその贅沢なわけで、矢作先生はじめ関係者の皆さんには本当に感謝しかありません。できれば毎年こういう気分を味わいたいものですが、さて、一年後は果たしてどんな状況になっているのか…。ということで、今週は出資馬の出走もありませんから、ダービーの余韻に浸りつつ、新たな妄想(と現実世界復帰へのリハビリ(^^ゞ)を楽しみたいと思います。
出資馬の次走としては、来週のグランソヴァール障害2戦目が現実世界復帰初戦になりそうです。障害戦は競馬の祭典とは全く違った雰囲気ですが、もしかしたら『平地で叶わなかった夢を障害で!』というロマンの第一歩になるかもしれず、前走からの大きな前進を期待したいところです。
そのあとになると、やはりゴッドシエル、リナーシェ、ヴィジャーヤといった3歳未勝利(未出走)勢の動向に注目せざるを得ないでしょう。最高峰のレースに出たバスラットレオンにはゆっくり休んでもらいたいですが、3歳未勝利馬にとってはここからがまさに正念場、『勝たなければ意味がない』という点においては、ある意味ダービーより厳しい闘いが待っていますから…。(そう言えば、先週からずっと担当者不在のヴィジャーヤ、どうしたのかなぁ(^^;))
あとは、(先週の報知ブログで)6/5函館競馬場にキングエルメスが入厩予定と伝えられていますが、もしもそうなら今週の近況報告で入厩後の進め方、目標などが聞けるかもしれません。19年産世代にはカイザーノヴァ、バスラットレオン中心の18年産世代以上に濃い活躍を期待していますので、是非とも順調に進んで欲しいと思います!
**出資馬の状況**
**2021年総合成績**
東京優駿(日本ダービー)で15着となったバスラットレオンの関係者コメントです。
◇藤岡佑騎手のコメント 「以前よりも気性が落ち着き、良い馬になってきました。今日も乗りやすくて安定していましたからね。ハナを取りに行ったこと、また結果的に距離が長かったこともあって最後は止まってしまいましたが、本馬もまだ日々向上していっている最中。ここで一度お休みを挟み、より一層成長した姿が見られることを期待しています」
◇矢作調教師のコメント 「今日に関して言えば、距離が大きかったのでしょう。ただ、輸送を挟んでも+2kgで出走できたのは頼もしいですし、スタンド寄りからのスタートにも一切動じず、しっかりとゲートを出てハナを取りに行き、レースのペースを作れたことは評価できると思います」
◆クラブのコメント 「大外枠からスタートを無難に決めて押してハナに立ち、道中は後続を引き付けての逃げ。果敢にクラシックの最高峰・日本ダービーに挑戦しましたが、距離の壁は大きく、ラスト300mで脚が上がってしまいました。なお、このあとは、「1回放牧に出して夏休みを取り、秋に向けてまたしっかりと調教していきましょう」と調教師。今後のさらなる成長にも期待を寄せつつ、大舞台へのチャレンジを続けていければと思います」
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今夜はいつもより多めに飲んでしまったので、少し気分が良くなっています… みたいな話はどうでも良くて、藤岡佑騎手が仰る通り、バスラットレオンはまだまだ成長途上、日々良くなりつつある課程ですからね。この時季に距離適性外のレースで負けたからと言って、全然悲観する必要はないと思います。
藤岡佑騎手も、誰の所為でもない落馬をいろいろイジられて大変だったと思いますが、デビュー前からこの馬の素質を高く評価し、結果を残してきた中でのダービー出走でしたから、今日のレース内容にかかわらず、『マイル路線に戻る秋にはまた乗りたい』との気持ちを強くしたのではないかと思います。
また、矢作先生の「輸送を挟んでも+2kgで出走できたのは頼もしい」とのコメントについても、私も全くその通りだと感じています。いや、単にプラスで出走したからイイとかではなく、レースを使い込まれていても余力を失っていない、そういう状態で休養に入れるのがすごく大きいし、まだまだ鍛えがいがある馬だよなぁと…。
引き続き矢作先生に『この馬でマイルの頂点を!』と思って頂くためには、ライバルたちを凌駕する成長力の発揮が必要で、これから秋までの休養がスゴク重要な意味を持つことになるでしょう。しばらくバスラットレオンに会えないのは寂しいですが、この休養が秋の飛躍への第一歩だと信じ、楽しみに待ちたいと思います!(^^)
東京優駿(日本ダービー)に出走したバスラットレオンは15着でした。
【レース内容】やや外に逃げ気味も互角のスタート。宣言通りに先手を取って、1コーナーから2コーナーでは単騎逃げのカタチ。向こう正面でペースを落とし、1000m通過は60.3秒という平均より遅い流れに。そのまま一団となった後続を引き連れて3コーナーへ入りましたが、4角あたりで手応えが少しずつ怪しくなり、直線ではいつもの末脚を見せる余力は残っておらず、結果、15着での入線となりました。
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お疲れ様でしたm(_ _)m
宣言通りに逃げたこと、末脚勝負になるのを承知の上で、できるだけスタミナを温存するペースを作りだしたこと、4角まで先頭で頑張ってくれたこと…。結果は15着ではありますが、バスラットレオンにとっての正攻法で勝負をしてくれて良かったと思いますし、これだけきっちり負かされたのですから悔いはありません。
マイルカップでの落馬以降、ダービーに向けての調整も大変だったと思いますが、陣営も馬もできる限りのことをやってくれましたから、今日は本当に『お疲れ様でした&ありがとうございました』で良いと思います(^^)
その上でなのですが、やはり2400mは長かったですね(^^;) さすがに(最期流したとはいえ)上り36.8秒まで失速してしまうと、今後も距離延長に期待とは言いにくい…。逆に言えば、マイル路線でトップをめざすことへの迷いはなくなりましたし、世代最高のメンバーたちとの戦いは決して無駄にはならないだろうと思います。
ちなみにマイルカップ後にしっかり調教をして、しかも東京に輸送をしたのに今日の馬体重はプラス2で482kg。これだけ使って全然ヘコタレないと言いますか、まだまだ成長途上なのは心強い限りです。このあとはしっかり休んで疲れを取って、マイル路線の強い馬たちとの戦いに備えて欲しいと思いますm(_ _)m
**2021/5/30東京11R 東京優駿(G1/芝2400m)・良**
第88回日本ダービー出走馬紹介、JRA公式動画です。バスラットレオンは6分10秒あたりからです。
メンバー随一のレース経験を武器に完全燃焼の快走劇を披露する。
2018年に生を受けたサラブレットの頂点を決める夢の決戦、この日のためにこの瞬間のためにすべてをかけて挑む第88回日本ダービー。夢の先には最高の景色が待っている。(JRA)
前日最終オッズは以下の通り、大方の予想通り1枠1番エフフォーリアさんが断然の人気を集めています。バスラットレオンは54倍の12番人気ですが、これはアレですね、さすがにバスラットレオンの単勝がこんなにつくのは最初で最後かもしれません。(過去最高はG1・朝日杯FSでの25倍)
全体的には断然のエフフォーリアに続くのが国枝先生×ルメールさんのサトノレイナスで、3~5番人気にはいわゆる別路線組のワンダフルタウン、グレートマジシャン、シャフリヤールが並んでいます。やはり、皐月賞でエフフォーリアが後続につけた3馬身の差は決定的で、『皐月賞出走組との勝負付けは済んだ』と考えているファンが多いんですね。
**2021/5/30東京11R 東京優駿(G1/芝2400m)当日05:00時点単複オッズ**
ということで、あと10時間ほどで本番を迎えることになりました。
バスラットレオンは(マイルカップの時と違って)人気薄で気楽な立場。私が言うまでもなくですが、藤岡佑騎手には肩の力を抜いてもらって、とにかく気分良く回ってきて欲しいと思います。そして、ニュージーランドTで見せた『逃げて上り最速』という、前に行ってさらに末脚が伸びる最大の特徴を引き出して欲しいです。
バスラットレオンは放っておいても頑張る馬なので、あえて『頑張れ!』とは言いません。今日もきっと頑張ってくれちゃうでしょうから、最後までしっかり応援し、晴れ舞台の雄姿を瞼に焼きつけたいと思います。
私にとってはエタンダール以来の出資馬ダービー出走。あの時勝ったディープブリランテの矢作先生に、こんな形でお世話になるとは夢にも思っていませんでしたが、これも何かの縁かもしれませんねぇ(^^)
**2021/5/30東京11R 東京優駿(日本ダービー/G1/芝2400m)15:40発走**
◎ バスラットレオン
○ シャフリヤール
▲ グレートマジシャン
△ エフフォーリア
△ レッドジェネシス
△ ディープモンスター
△ ヨーホーレイク
△ サトノレイナス
△ ワンダフルタウン
まずは展開についてですが、大外枠でも「やることは決まっている」と逃げ宣言をしているバスラットレオンに対し、6番枠のバジオウ陣営からは早々に逃げない宣言が出ています。14番枠のタイトルホルダーも「バスラットレオンが何が何でも行くなら、ハナにはこだわらない」との姿勢なので、バスラットレオンが普通にスタートを切れば、自然とハナに立つ流れになるのではないでしょうか。
順当ならバスラットレオンとタイトルホルダーが先頭2番手、その後ろにバジオウ、エフフォーリア、タイムトゥヘヴンといった内枠先行勢が続く隊列になるのでしょうが、もちろん、イザとなると主張をしてくる三味線馬がいないとは言い切れません。ただ、コチラも番手から競馬ができないわけではないですし、どうしても譲らない馬がいれば意地を張る必要は全くなく、結果、1000m通過60秒程度の平均ペースに落ち着くのではと思います。
そうですねぇ、枠順の関係からエフフォーリアより後ろになるであろうシャフリヤール、グレートマジシャン、国枝先生が「バスラットレオンにガンガン行って欲しい」とコメントしているサトノレイナス等にとってはあまり嬉しくないでしょうが、結局、ある程度落ち着いた流れからの末脚勝負になる可能性が高い気がしています。
そういう展開の中でバスラットレオンにチャンスがあるとしたら、やはり3~4角で息が入るタイミングが欲しいです。道中は2番手が予想されるタイトルホルダーにできるだけ可愛がってもらい、エフフォーリア以下に『何時でも交わせる』的な油断があれば、思った以上の余力を持って直線に入ることができるかも…。
確かに2400mは未知数ながら、逃げて上り最速という卓越したパフォーマンスを2度も見せた馬ですから、2分23秒程度の決着に収まるなら、その高い能力で粘り切る場面があっておかしくないでしょう。『混戦を制するのは逃げ馬』と昔から言われていますし(言われてるかな?)、とにかくバスラットレオンには気分良く走ってもらい、世間様をアッと驚かせるパフォーマンスを見せて欲しいと思います!
前日昼の段階で単勝1倍台のエフフォーリアについては、無敗の皐月賞馬にして東京コース2戦2勝の実績から、ある意味当然の人気だろうと思います。ただ、この断然人気の皐月賞馬に逆らわないと勝ちがない立場としては、何とかしてアラ探しをするしかないわけで、微力ながら私も頑張ってみました。。(^^ゞ
その結果、『エフフォーリアの東京コース2戦2勝はたまたまで、本当はバリバリの中山コース向きレース巧者なのでは!?』という、世間様に全く受け入れられそうもない結論に達し、△までの印としたのは少しやり過ぎだったかもしれません。(いや、そうでもしないとなかなか死角がなかったもので(^^;))
結論だけだとさすがに気が引けるので、簡単に理由を説明します。まず、1000m通過63.4秒のスロー過ぎる流れと相手関係微妙な百日草特別は、これはさすがに参考外でも良いかなと。。問題はヴィクティファルス、シャフリヤールなどに2馬身半差をつけて勝った共同通信杯の方で、おそらくこのレースが『スローからの瞬発力勝負に強い』、『東京コースに向いている』との評価のベースになっていると思うんですよね。
でも、1000m通過61.9秒の楽なペースを好位で進み、3番手で直線に入ってバテた2頭を難なく交わした共同通信杯を何度も見直してみると、強さやすごみではなく、むしろレースセンスの良さが目立つ内容だったと思うんです。実際、後ろに控えて外を回った馬たちと上りタイムはどっこいですし、直線に入った隊列のままゴールになだれ込んだレースで、正直、これを理由に東京コースならパフォーマンスが上がる…とは考えにくい気がします。
ただし、皐月賞で後続を3馬身離した時は本当に強かったと思います。この時も、好位からソツなくレースができるセンスの良さが勝敗を分けましたが、あのカタチから上り3F36.7秒の脚で抜け出せるのは、これは中山コース巧者ならではの強みでしょう。もちろん、『やっぱりすごく強かったのね…』との結果に終わる可能性もありますが、私としては、中山から東京へのコース替わりは決してプラスではない、と考えたいですm(_ _)m
ええと、全ての馬についてコメントしていると終わらなくなりそうなので、2番人気のサトノレイナスについて少しだけ。。まあ、確かに強いと思いますし、果敢な挑戦には敬意を表しますが、ルメールさんのコメントだけで(16番枠なのに)こんなに人気になるのは如何なものかですし、あくまでダービーを種牡馬登竜門と考えている私としては、やはり牡馬に頑張って欲しい…。でも、ちょっとありそうなディープ牝馬なので△はつけておきました(^^ゞ
そんなこんなで全体の印としては、気持ち良く応援するためのバスラットレオン本命を固定して、どう考えても末脚驚異のディープインパクト産駒をズラッと並べ、普通に考えれば強いよね!のエフフォーリアと青葉賞勝ちのワンダフルタウンを適当にちりばめた予想にしています。当然ながら、全部がこの印通りに決まらないはずですが、できるだけバスラットレオンに粘ってもらい、夢見心地の時間を長く、長~く楽しみたいと思います(^^)
SponichiAnnex『【ダービー】(17)バスラットレオン 大外で逃げ宣言、矢作師「やることは決まっている」』
バスラットレオンは金曜朝、角馬場から坂路(4F59秒4)へ。矢作師は「十分、仕上がっている。輸送で少し減ると思うけど、2400メートルなのでプラスよりはいいと思う」と報告。大外17番にも「中途半端な外よりは大外がいいと思っていた。やることは決まっているからね」と逃げを宣言した。
バスラットレオン Photo by スポニチ
ZBAT!競馬『【日本ダービー】金曜日の陣営』
〈美浦トレセン〉
エフフォーリアは坂路でラスト1ハロン14秒7(4ハロン62秒9)。「坂路でサッとやって予定通り」と鹿戸調教師。
サトノレイナスは坂路でラスト1ハロン15秒6(4ハロン68秒9)。「しまいの脚は切れるのでどんどん(前が)行って流れてくれた方がいい」と国枝調教師。
グレートマジシャンは坂路で4ハロン63秒6-14秒7。「今までで一番攻めてきて、体重が増えているのは成長分」と宮田調教師。
<栗東トレセン>
シャフリヤールは角馬場で体をほぐしてから、CWコースをキャンターで流した。「体を大きく見せている。このままいい状態で送り出したい」と藤原英調教師。
ワンダフルタウンは角馬場からEコースに入り、ゲートを確認。「青葉賞のときと同じような雰囲気で、変わらずにきています」と高橋忠調教師。
ディープモンスターは4ハロン65秒0で登坂。「輸送して減るだろうけど、(調教後の馬体重が)前走より体が増えていたのは良かった」と兼武助手。
レッドジェネシスは角馬場で調整。「順調にきています。前走ぐらい(馬体重488キロ)で出せそう」と友道調教師。僚馬ヨーホーレイクは角馬場で汗を流し、「在厩調整でしっかりやれています。速い時計は出していませんが、しまいの反応がいい」と納得の仕上がりだ。
バスラットレオンは角馬場で体を慣らしてから4ハロン59秒4-14秒2で登坂。「十分、仕上がっています」と矢作調教師。 (私の印の馬のみ抜粋して掲載)
netkeiba.com『バスラットレオン“NHKマイルC落馬”の悪夢を吹き飛ばす満点馬体/トレセン発秘話』
NHKマイルC直後、バスラットレオンはSNS上で「トレンド入り」してしまった。3番人気の支持を集めながら、スタート直後につまずいて、まさかの落馬。仮に大観衆の前で行われていたなら悲鳴が聞こえてきそうなシーンだった。付け加えると、空馬状態でも無邪気に走る姿もまた、いろいろな意味でうけていたような…。
このバスラットレオンの知名度を飛躍的に引き上げたのは3走前(1勝クラス平場)。3月デビューの新人女性騎手・古川奈穂が初勝利を挙げた時の“相棒”として地上波のスポーツニュースでも取り上げられたほどで、2馬身半差快勝の鮮やかなゴールシーンが記憶に残っている方も多いのでは。
続くニュージーランドTでは藤岡佑介に乗り替わったものの、そのレース内容はこれまた圧巻。2ハロン目からすべて11秒台のラップを刻んだ上で5馬身差の独走劇を決めてしまった。
ここで改めて問いたい。バスラットレオンの快進撃の始まりは「奈穂マジック」によるものだったのか? 担当の武村助手には「そうだとファンは盛り上がるんやけどな(笑)」と、やんわり否定されてしまったが、変身ぶりの要因については丁寧に教えてもらえた。
「札幌2歳S(3着)が終わって栗東に戻ってきてから担当になったんだけど、当時の状態は最悪。初めてまたがった時はトモがクタクタで、ハミに乗っかってキャンターをしていたくらい。本当に新馬を勝った馬なのかっていう感じだった」
振り返れば、札幌2歳Sはラスト1ハロン13.0秒を要する、2歳戦にしては相当にタフな競馬。その疲れが肉体面、そして内臓面にも出てしまっていたようだ。つまり、昨秋からは明らかに本調子には程遠い状態。にもかかわらず、暮れの朝日杯FSでは4着と格好をつけられたのは地力の高さ以外の何ものでもない。
「(年明けの)シンザン記念(3着)の後に放牧に出たんだけど、そこからようやく本来の姿に戻ってきた感じだった。いい状態の時に(古川)奈穂が乗って結果も出してくれたって感じかな」
もちろん、落馬による競走中止になった後も、上り調子だった状態に陰りはない。
「1週前追いに乗ってくれた(藤岡)佑介も“前回よりも良くなっている”と言ってくれたくらい。馬体がムキムキになって張りからして違うからね。力みもうまく取れている感じだから、今の雰囲気なら距離もこなしてくれるんじゃないかな」
左肩の手術を行い、現在は秋の復帰に向けてリハビリ中の古川奈穂は、NHKマイルC時に東京競馬場に駆けつけて手伝いをしていた。このダービー(30日=東京芝2400メートル)も裏方として携わることになるようだが、自身に初勝利をプレゼントしてくれたバスラットレオンの走りを見て何を思うのか。
復帰後もしっかりと結果を残せていければ、近いうちにすべてのジョッキーの憧れでもある「夢の大舞台」に立てる日が訪れるのではなかろうか。(栗東の遠吠え野郎・難波田忠雄)
日本ダービーに出走予定のバスラットレオン(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規氏
SponichiAnnex『【ダービー】(17)バスラットレオン 大外枠から魅せる迷いなき逃げ』
【G1ドキュメント・栗東=27日】誰もが嫌がるダービーの大外枠を引いたのは、何と逃げ馬のバスラットレオン。直近では18年にワグネリアンがこの枠から頂点を極めているが、逃げと差し。脚質が全く違う。
朝からの雨も上がった木曜午後2時すぎ。投票所で枠順を確認した宮内助手は試練と思える極端な枠にも冷静だった。「大外枠でも、この馬の戦法は変わらない。スタートは速い。腹をくくって行くだけ」
迷いなき逃げ。それも後続を引き離した逃げになるはずだ。前走・NHKマイルCは落馬で競走中止。だが、不幸中の幸いでダメージはなかった。追い切りの動きもはつらつとしていた。「つまずいた前走は仕方ない。元々、ゲートに問題のある馬ではない。ケガもなかったし順調に来ている」(同助手)
枠は悪いが展開の利はあるかもしれない。好位につけるタイトルホルダー、バジオウ、ラーゴムあたりは深追いしない。エフフォーリアを警戒するのに忙しいはずだ。
距離に関しては未知。やってみないと分からないが父は距離万能型のキズナ。母の父はステイヤー色の濃いニューアプローチ。配合的には東京2400メートルを克服しても何ら不思議はない。
何かを起こすのは逃げ馬だ。悩んだ末、印は入れられなかったオサムだが後ろ髪を引かれる思いで当日を迎えそうだ。
洗い場で大きくあくびするバスラットレオン(Photo by 提供写真、スポニチ)
お馴染みスポーツ報知さんのPOGブログ『もうすぐやって来ます(栗東)』によれば、キングエルメスは6/5函館競馬場に入厩予定とのこと。クラブの近況では「6月上旬の検疫で函館競馬場へ入厩」となっていましたが、POGブログには具体的に日付まで書いてありましたので、これはもうほとんど間違いのない情報なのだと思います。
例えば目論見通りに6/5に函館入厩するとして、半兄カイザーノヴァ同様、最初の目標が函館2歳Sだとしたら、デビュー戦は7/3か4、函館開幕週の芝1200m戦が有力でしょう。函館2歳Sは7/17なので中一週のローテーションにはなりますが、それはカイザーノヴァも同じでしたし、デビュー戦向けには最初からオツリを残して調整しておけばよいですからね。(まあ、ローテなんて新馬戦を勝ってから心配しろよって話ですが(^^ゞ)
いずれにしても、キングエルメスにはこのあとも順調にトレーニングを積んでもらい、函館への無事入厩、そして入厩直後のゲート試験と、次々にイベントをこなしてもらわなければいけません。個人的には『もっとゆっくりやっても…』という気がしないでもないですが、何しろこの世代の矢作厩舎は過去最高レベルとも言われる良血馬揃いで、募集総額3,200万円のキングエルメスは、実力でのしあがっていかなければいけない立場ですからね。
一年後にはコントレイルやラヴズオンリーユーの下をはじめ、セール4億円馬や募集価格6,000万超えのクラブ馬たちにヒケをとらない期待馬になるためにも、出だしから能力のあるところを見せつけておきたい… いや、これで結果が全然だと格好悪いのでやめておきますが、(バスラットレオンのように)矢作厩舎の世代トップクラスになるってのは、口で言うほど簡単なことじゃないよなぁと、つくづくそう感じる今日この頃です(^^;)
【シュウジデイファーム在厩のキングエルメス:公式HP(2021/5/7更新分)より】
バスラットレオンは、5月30日東京11R 東京優駿(日本ダービー・芝2400m)に藤岡佑介騎手で出走します。
- 21.05.26 助 手 栗東坂良 1回 52.0-37.8-24.4-12.0 強めに追う
- 21.05.21 助 手 栗東坂不 1回 54.5-40.1-26.8-13.4 馬ナリ余力
- 21.05.18 助 手 栗東坂稍 1回 61.1-44.1-28.6-14.2 馬ナリ余力
◇岡助手のコメント 「先週の金曜日は前日からの雨で馬場が重たくなっていましたので、鞍上とも話をした上で、『一週前は無理をしないでおこう』ということに。よって26日はしっかりと追い切りました。騎乗した藤岡佑騎手から『ゴールを過ぎた後もさらに加速していた』とのコメントがあったように時計や動きも良かったですし、飼葉喰い、脚元などの問題もなし。あとは無事にスタートを切ってくれれば、ですね。距離はやってみないと分からない部分もありますが、自分のリズムで楽に行ければ、能力でこなせなくもないのでは。いかにごまかせるかだと思います。ダービーという大一番、厩舎としても楽しみにしています。今週末ベストを尽くせるよう、しっかり努めさせていただきます」
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バスラットレオンの東京優駿出走、そして枠順が確定しています。
枠順の話の前に、まずは最終追い切りについてですが、藤岡佑騎手が『ゴールを過ぎた後もさらに加速していた』とコメントしているように、『強めに追う』以上に手応えの良さが感じられましたし、52.0-37.8-24.4-12.0秒と時計も充分に出ていますから、馬場が悪くて軽めになった一週前の分をカバーしてオツリがくる内容だったと思います。
もちろん坂路でこのぐらいの時計、動きを見せるのはバスラットレオンにとっては当たり前なのですが、マイルカップからキッチリ好調を持続できたのがポイントで、これも藤岡佑騎手を含めたチーム力の成果と言えるでしょう。
そして注目の枠順は、なんとまさかの大外17番枠にっ!!
いやぁ、正直、8番より内側が欲しいと思っていたのですが、よりによってここで大外を引くとは…。でもまあ、昔のように25頭立ての25番みたいな話ではないですし、スポーツ報知の記事で宮内助手が「腹をくくって行くだけ」とコメントしている通り、かえって変な迷いがなくて良いのかもしれません。ゲートをポンと出てハナを取りに行き、もしもバジオウあたりが主張してくるようなら番手からでもOKですし、そのあたりは藤岡佑騎手にお任せですね。
泣いても笑ってもあと少しで日本ダービー。エフフォーリアを筆頭に、3歳の精鋭16頭がゲートに入ってバスラットレオンを待つという、その光景を思い浮かべるだけでも興奮してきます(^^)
**2021/5/30東京11R 東京優駿(G1/芝2400m)15:40発走**
【2021/5/9東京 NHKマイルカップ(G1)でのバスラットレオン:公式HPより】
スポーツ報知『【日本ダービー】逃げ宣言のバスラットレオンは大外17番枠 陣営「戦法は変わらない」』
2018年に生まれた3歳馬の頂点を決める第88回日本ダービー・G1(5月30日、東京競馬場・芝2400メートル)の枠順が27日、JRAから発表された。
ニュージーランドTの勝ち馬で、マイル路線からの参戦となるバスラットレオン(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎、父キズナ)は大外17番枠からの発走となった。
陣営はすでに“逃げ宣言”を出しており、宮内助手は「大外枠ですが、戦法は変わらないので。スタートが速く、腹をくくって行くだけです」と改めてハナを奪う考えを示した。
前走のNHKマイルCはスタート直後につまずいて競走中止に。同助手は「つまずいてしまったので仕方ありません。この中間はけがもなく順調に調整できています」と万全の仕上がりを強調した。
SponichiAnnex『【ダービー】バスラットレオン 素軽い伸び、藤岡佑「しまい少し追いました」』
バスラットレオン(牡=矢作)は先週金曜に続いて藤岡佑が騎乗、単走でリズミカルに坂路を上った。軽く促され4F52秒0を計時。
藤岡佑は「しまいは少し追いました。手応えに余裕がありましたし順調にきています」と好ムードをにじませた。加速ラップを刻んでラスト2Fは12秒4→12秒0と素軽い伸び。前走のNHKマイルCはスタート直後の落馬で競走中止になったが、その影響は感じられない。
藤岡佑介騎手を背に坂路を単走で追い切るバスラットレオン
ZBAT!競馬『【日本ダービー】バスラットレオン坂路で鋭伸52秒0』
バスラットレオンは、藤岡佑騎手を背に栗東坂路4ハロン52秒0-12秒0を馬なりでマーク。直線ではフォームがブレることなく、一直線に駆け上がった。NHKマイルCで落馬競走中止となった影響は感じさせない。
◆藤岡佑騎手「先週金曜の追い切りは、馬場が悪かったので加減をしながらだった。『しっかり』という指示で、少し追いましたが余裕がありました。この時期は距離適性よりも能力で距離をこなすことがあるので、能力の高さに期待」
美浦トレセン在厩のグランソヴァールは、27日、ウッドで時計をマークしています。
- 21.05.27 助 手 美南W良 5F 69.5-54.3-40.3-12.8(8) 馬ナリ余力
◇尾関調教師のコメント 「帰厩後も順調にきており、26日はゲートから坂路を1本。27日にウッドで追い切りました。内容は放牧を挟んで行きっぷりが良く、抑えながらといった感じのもの。五十嵐雄祐騎手と調整を図り、次走までに飛越の確認を一度やってみようかとも思っています。トモや脚元に注意しつつ、6月12日東京1R 障害未勝利(ダ3000m)を目標に進めていきましょう」
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先週22日に美浦トレセン帰厩したあと早速23日に坂路で脚慣らし。26日にはゲートから再び坂路を軽く乗って、27日にはウッドで追い切りと、復帰戦の準備が順調に進んでいます。尾関先生によれば「行きっぷりが良く、抑えながら」と動きも良かったようですから、6/12の復帰戦では障害戦初勝利を期待したいです。
飛越に関しては「次走までに確認を一度やってみようか」ということなので、そもそもあまり心配いらないようです。まあ、今さら猛練習をしなくちゃいけないとかだと困るわけですが、まだ障害2戦目なのも確かなので、素人的には『確認ぐらいはしてもらった方がありがたい』という気もしています(^^ゞ
【2021/4/17中山4R 障害未勝利(ダ2880m)でのグランソヴァール:公式HPより】
テンコートレーニングセンター在厩のクレッシェンドラヴは、現在は周回コースでのウォーミングアップ後、おもに坂路でハロン20秒ペースのキャンター1本を乗られています。
◇伊藤マネージャーのコメント 「先週末にショックウェーブ放射を行い坂路入りを開始。お休みを挟んだこともあってトモはこれからといった感じですが、27日からは坂路を2本乗りに増やすなどして適度に刺激を与え、再び体を作っていきたいと思います。ここからはいつもの坂路中心のメニューへ。週末にかけて少しずつペースを上げていきましょう」
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現状の調整内容から、出走の可能性はもうないと思っていますが、一応、宝塚記念のファン投票を済ませておきました。(ついでと言っては何ですが、念のためバスラットレオンにも投票しました(^^ゞ)
投票はコチラから! https://takarazukafan-vote.com/pc/index.aspx
それはさて置き、宝塚記念パスが既定路線なら、次走はやはり7/10の七夕賞になるでしょうか。もしもそうなら(昨年は57kgで見事に優勝しましたので)今回はディフェンディングチャンピオンとしての参戦になりますし、G1より2枚落ちのメンバーが相手になりますので、当然『めざすは勝利』でしょう。
G3だから勝つのは簡単…なんてことにはならないですが、昨年の七夕賞勝ち以降は勝利から遠ざかっており、『クレッシェンドラヴが勝つところを見たい』という気持ちも強くなっていますので、そこに向けた第一歩として是非とも万全の状態で戻ってきて欲しいと思います。
いや、実際には次走が七夕賞かどうかも分かりませんが… (^^;)