わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 239 自前の電動轆轤は何時購入するのが良いか1?

2016-05-10 11:07:54 | 素朴な疑問
本題に入る前に、これから述べる事は、当方(明窓窯)の考え方ですので、あくまで参考意見として

お読み下さい。

陶芸を楽しんでいる方の中には、電動轆轤の面白さに惹かれ、嵌まり込んでいる人も多いと思います

但し、多くの方はご自分で轆轤を持つ事なく、陶芸教室や公民館活動などで共同して使用する轆轤を

使う事が多い様です。その為、何時でも自由に使える自前の轆轤が有れば、更に早く上達すると

考えるのが普通です。実際に電動轆轤を購入した方も多く知っています。又購入したいと相談を受け

た事も多々あります。その様な相談の場合、多くは自前の轆轤を持つのは、「もう少し後にした方が

良いのではないか」と、助言する事が多いです。その理由は以下の事が言えるからです。

尚、地方の窯場などで、将来陶芸家を目指して、修行している方々は上記の事は当てはまりません。

自分専用の轆轤を持つ事は稀ではありません。但しあくまでも与えられた仕事を遂行する為に、

貸し与えられる場合が多いです。この場合には当然確実に技術がアップする事は間違いありません。

自前と窯場の違いは環境の差と言えます。

1) 轆轤が誰の助けも無くても、作品が作れる程度の技術が習得出来ている人では、問題無い

  のですが、(尚、一人で轆轤が挽ける様になる為には、実働500時間が一つの目安になります。)

  技術をこれから磨こうと思っている程度の人には、自前の轆轤は「宝の持ち腐れ」となる可能性

  が多いです。即ち、自前の轆轤で更に上達を目指すには、何時でも見ていてくれ、悪い処を的確

  に指摘してくれる人や、質問や相談に載ってくれる人が、身近にいる事が必要だからです。

  轆轤は自己流でもそれなりの技術を習得できますが、轆轤技術をマスターしたいのであれば、

  しっかりした指導者(先生など)に付いて学ぶ事です。但し学ぶには、時間と費用が掛ます。

2) 自前の轆轤を買った人が、常に轆轤を使っているのは、むしろ珍しいとも言えます。

  何時でも使えるからと言って、場所的、時間的制約を受け易いからです。

  例え自宅に轆轤を据える工房(工房風)を設けたとしても、意外と使い難い場合が多いです。

  洗い場など無くても、轆轤を置くスペースがあれば良いのですが、重たい轆轤をしっかり固定

  するには、それなりの場所が必要になります。又、轆轤挽きした作品を置く場所なども必要です

3) 何時でも出来ると言う心の油断も大きく作用します。

  轆轤作業に取り掛かる前には準備が必要です。勿論、作りたい物を予め考えていたとしても、

  やる事は多いです。例えば、轆轤周りの整理や掃除などの他、粘土等の準備、土練なども必要に

  なりますので、この準備で時間が取られ、直ぐに轆轤作業に取り掛かれる訳では無い為、始める

  前から嫌気がさしてしまい勝ちです。轆轤挽きはその日の調子や、気分によって巧く行かない

  場合も多いですので、嫌な感情を抱いた状態では、轆轤挽きも巧く行きません。

  自由と言う事は自分に厳しくなければならない事でもあります。

  三日坊主と言う様に、最初は張り切っていても長続きしない場合も多いで様です。

  一方陶芸教室や公民館活動などでは、多くの仲間もいますし、決まった時間内での作業ですので

  それに対応する事で、楽しく轆轤を挽く事ができます。但し実技の短いのが欠点です。

4) 道具を持つ事が必ずしも、上手になる訳ではありません。

  道具はあくまでも、手段であり技術的に未熟であれば、思う様に使いこなす事はできません。

  轆轤挽きの基礎的技術と言えば、土を練る事もありますが、重要な事は、土殺しの作業です。

  即ち轆轤の中心に土を据える事ですが、この作業をマスターしない限り、先に進む事は出来ま

  せん。土殺しも数挽きの様に小物を作る場合と、大皿などを作る場合ではそのやり方は異なり

  ます。それ故、作品に応じてやり方を変える必要がありますので、それらのやり方をマスター

  しておく必要があります。

以下次回に続きます。
コメント
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