わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

窯を築く 1 準備

2016-05-26 14:35:01 | 陶芸の窯を築く
陶芸の窯を築くに当たって、予め計画を立て確認をしておく必要があります。主な事項は以下の事柄

です。

1) 窯を築く場所の確保。屋内か屋外か?

 広い敷地であれば、専用の小屋を建てる事も可能ですし、屋外であっても工房や母屋から離れた

 場所に築く事が可能です。しかし都会の様な狭い場所では、設置場所を探すのも大変です。

 窯の種類によっては、屋内に置いた方が良い物と、屋外に設置する方が良い場合があります。

 尚、屋外に設置する場合でも、雨を凌げる屋根は必需品です。即ち窯は雨に対してすこぶる弱く、

 窯の寿命を短くしてしまいますので、出来るだけ雨に当たらない様に工夫します。

 ① 屋内でよい窯は電気窯です。

  燃料を使いませんので、空気を供給する必要が無い為です。但し電気の場合にも還元で焼成する

  場合、燃料を供給しますので、空気が必要になります。一酸化中毒に成らない為にも、換気扇が

  必要です。

 ② 屋外に設置したい窯は、ガスや灯油、薪などの燃料を使う窯です。

  多量の空気(酸素)を必要とするこれらの窯は、十分に燃焼させる為に、開放的な屋外に設置

  する方がベターです。屋外に設置する上で重要なのは、しっかりした地盤の上に築く事です。

  窯本体はかなりの重量(数十kg~数トン)となりますので、それに耐える水平で強固な地盤が

  必要です。

2) 窯の大きさ(容量)を決める。決めるに当たり以下の事柄を検討します。

 すでに窯をお持ちで、新たに別の窯を持ちたいと思っている方もいると思います。これらの方にも

 新たな窯をどの様に使いたいかを、検討する必要があります。

 ① 個人専用の窯か。共同で使う窯か?

  ) 販売する作品を作るとしても、個人専用でれば、比較的小型の物で十分です。

   当然作品の大きさと量によって違いますが、窯が大きいと、窯を一杯にするのに数ヶ月掛かる

   事も稀ではありません。なるべく小回りの利く窯の方が使い勝手が良い様です。

  ) 近頃は共同で使う窯は少なくなっています。お互いの都合を付け合って窯焚きするのが

   面倒に成っている事と、制作期間を短くし早く完成せるで為です。又、安価で容易に窯を

   個人で持つ事が可能になった為と言われています。

 ② どの様な大きさの作品を焼成するのか?

  窯の大きさは、その内側の寸法(縦x横x高さ)で「立法メーター」で表示します。

  本焼きの際、窯に作品が何個入る必要があるかが基本になります。小さな作品ならば数多く

  入りますが、大きい場合数は限定されます。  

 ③ 焼成する頻度は?

  燃料を必要とする窯では、窯を焚く度に燃料費がかかりますが、使用していない場合には

  燃料費が掛からないのが一般的です。(尚、都市ガスの様に月契約の検針がある場合は基本料

  が掛かる場合もあります。)電気窯の場合、特に200Vの場合は、使用しなくても基本料が

  掛かります。 

3) 燃料の種類を選ぶ。電気、ガス(プロパン、都市)、灯油、薪、電気(100V、200V)等

 燃料が異なれば、窯の構造も違ってきます。又、窯以外にバーナや送風機などの他、燃料タンクや

 ガスボンベ、薪の置き場所などと、燃料を使う窯では煙突が必要になります。

 (尚、都市ガスなどは、ある地域のみしか使う事が出来ないかも知れません。)

4) 資材置き場と作業場所を確保する。

 窯の制作に取り掛かると、セメントや耐火煉瓦、モルタル等かさ張る物が手近にないと作業が

 はかどりません。それなりのスペースを確保する必要があります。

5) 作業日程。何時までに完成させる必要があるか?大雑把でも一つの目安が欲しいです。当然

  雨天の際に屋外の作業は制限されます。又、自由に作業できる時間が確保できるかも、日程に

  影響します。

 とりあえず以上の事柄が決れば、次に窯の設計に取り掛かります。  
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