田中豊治様より以下のご質問をお受けしましたので、当方なりに回答します。
自身で小さい電気窯を購入しました新米です。
いま市販の亜鉛結晶釉でなんとか結晶ができるようになりました が 釉を自作して
みたいと思いいろいろ拝見しこの記事を見つけました、石灰三号透明釉:酸化亜鉛(亜鉛華)
= 100:20~25(外割) この調合だけで亜鉛結晶釉が出来るのですか?
何か補足すると言うのは無いのですね。
試行錯誤はあると思いますが・・・。
これとは別件で撥水剤を筆で塗り模様を抜く作業でコンプレッサーでスプレー掛けすると
釉を殆ど弾きません、やり方が悪いのか誰でもそうなるのかお聞きしたいです。
因みに浸すと弾きました。
◎ 明窓窯より
1)基本的には上記の割合になります。
他の成分を添加する人もいる様ですが、それはその人の研究の結果ですので、
必ずしも、必須事項ではありません。
尚、その人なりの研究とは、より確実に結晶を作りたい。温度範囲を広げたい、
より綺麗で大きな結晶を造たい等の要求による物で、特にご自分の窯に適する割合
を模索した結果であり、万民向けと言う訳でありません。
2) 上記配合では白色の針状結晶か扇状結晶になります。
結晶状態は焼成温度と保持時間に左右されます。
着色剤として他の金属類を添加する事で、色の着いた結晶を作る事が出来ます。
例えば、酸化ニッケルで青色、酸化コバルトでは紺、鉄で薄茶色酸化銅を添
加すれば緑色になります。
3) 任意の場所に結晶をより確実に出現させる為、酸化亜鉛粉末を糊状の物(CMC)等
で練り、筆置きするやり方もあります。これは結晶の核を作りここを拠点として
結晶を成長させようとする方法です。施釉する前に行うか施釉後に行う方法があります。
4)結晶釉が流動性のある事と、結晶成長温度に長時間保持する事が大切です。
特に、保持温度を保つ為には、ご自分の窯の性格をつかむ事が肝要です。
失敗する事も多々あります。「めげずに」努力して下さい。
5)撥水剤を筆塗り後、釉をスプレー掛けすると、釉を弾かない件。
あなた様が使用している撥水剤の種類がどの様な物かが判りませんので、的確な答えは
出来ません。
市販されている陶芸用の撥水剤には、油性の物、水性の物、臭いの強い物、弱い物、
赤又は青色の色の着いた物、無色の物、生素地に適応する物、素焼きにも適応する、
更には釉に混入させて使う物、施釉後使用し後掛け釉を弾く物、更には焼き上がり表面に
使用し水漏れ防止用(食器用、花瓶等用)など種類が多いです。
速乾性の有る物、乾きが遅い物など千差万別です。
水性用は油性用より撥水性が弱い様です。又素地が粗い場合には撥水効果が弱い
と言われています。値段と容量にも変化があります。
詳しくは、ネットで調べる事が出来ます。
ご自分の希望する撥水剤を見つけて下さい。
以上ご検討下さい。