伊藤吉和様より、以下のご質問をお受けしましたので、当方なりの見解を述べます。
◎ 何時も貴ブログを参考にさせていただいてありがとうございます。
素人サークルで市の設備、ガス窯にて陶芸をしています。指導者はいません。
質門は950℃に達するまでの焼成の方法です。一番温度が上がる方法は中性炎と聞いてます
が、酸化炎で焼くと書いてるいる本もあり、どちらが良いのか?
又ガラス化する前の→酸化&還元に入るまえまでの焼成は、極端に言って還元・酸化・
中性炎~どの焼き方でも良いように思えてきたんですが、それでよろしいのでしょうか?
宜しくお願い致します。
◎ 明窓窯より
1) 釉がガラス質に変化するのは、950℃前後からとされています。
キッチリ温度が一定でないのは、釉は一定の融点(熔け始め)が無い為です。
ガラス質になる前までに酸化、還元、中性焼きを決める必要は有りますが、その前段階では
伊藤様のおっしゃる通り、どの様な焼き方でも問題有りません。
但し、窯にもよりますが、酸化から急に還元に変更しても、直ぐには変化せず、有る程度の
時間が必要ですので、950℃丁度ではなく、ある程度前から準備した方が上手く行くと
思われます。
2) 温度上昇時の窯の雰囲気は、酸化が良いのか、還元が良いのかの件。
確実に言える事は、強酸化も強還元も温度上昇に寄与しません。
強還元では確実に温度が低下します。強酸化も温度は上昇せず、排熱に伴い熱が煙突から
外に逃げていきます。
① 最適の候補は弱酸化、弱還元、中性炎と成ります。
窯の温度を上げるのは、一概に窯の雰囲気が全てではありません。
窯の構造、大きさ、窯詰めの違い、作品の多さ、作品の大きさ、更にガスか電気か、
又は、薪等の違いにより、同じ焼き方でも雰囲気に違いが発生します。
更に、窯の容量(大きさ)によっては、窯全体が一様な雰囲気に成る事は少なく、
窯の場所場所によって、違いが起きるのが普通です。
ガス窯の場合、煙突の挽(窯への空気の流入量)の大小による事も大きく関係します。
極端に言うとその窯特有の温度上昇の癖があります。この癖は窯焚きの頻度を増す事で
次第に判明してきます。
② それ故、窯焚き時には、時間、温度、窯の雰囲気(炎、挽の強さで判る)等を記録し、
更に、一目で判る温度上昇曲線を描く事をお勧めします。
◎ 結論、本焼時950℃付近までは、窯の雰囲気はどの様な状態でも大差ありません。
最適な温度上昇は、各々の窯の状態や、窯焚き時の事情によって異なる為、どの雰囲気が
最適とは、一概に言えません。ご自分で最適状態を試行錯誤して見つけて下さい。
尚、当方の窯(プロパンガス)では、窯を炊くたんびに温度の上昇度合いは異なります。
常に温度上昇には気を付けています。
更に、窯焚きで一番大切なのは、目標の温度に到達させる事です。
焼き過ぎよりも、焼き不足(釉が溶けない)に成ると窯焚き失敗ですので一大事です。
以上 参考にして頂ければ幸いです。
不明な点が有りましたら、再度ご質問下さい。