5) 後絵後の二度焼き。
③ 無地の古陶磁に後染付けする。
釉面に染付け用の絵の具(コバルト、呉須)で、絵を描き高温で再焼成すると、以下の様に
成ります。
) 釉が熔けますので、釉の上に描いた絵が、若干流れると考えられますが、ほとんど流れる
事は無い場合もある様です。但し、釉の流れ易さや、再焼成温度によっては、若干流れ、
絵が滲む場合もあります。
) 筆で描いた絵は、釉の下に描いた通りに定着し、釉も絵の上を完全に覆います。
) 釉は艶(つや)や透明感が増します。
) 「カセ」や「貫入」に着いた汚れが可燃性の場合は、綺麗に無くなりますが、非可燃性の
汚れは釉に取り込まれ、釉を汚す事に成ります。
) 陶器の「ニュウ」は再焼成で、広がり太くなる事が多いですが、磁器の場合には陶器程
の変化はありません。
) こびり付いた土銹(どしょう)は無くなる場合が多いです。
④ 後色絵、後赤絵、後金彩に付いて。
) 無地や古染付けの陶磁器、又は上絵や金彩が薄くなったり、絵が剥落してしまった物を、
商品価値を高める為に、後絵で赤絵(色絵)を施し、色絵窯(錦窯)を使い800℃程度の温度で
再度焼成する方法です。尚、後で述べる様に、窯に入れずに後絵を施す方法もあります。
) 後絵の技法その物は、通常の上絵付けと同様ですので、困難でありません。
但し、焼き物が焼かれた当時と同じ色調の絵の具が手に入る事と、描かれている絵の具と同じ
絵の具が調合できる事、更には、同じ描き方(描き振り)が出来るかが難問に成ります。
a) 白磁皿に柿右衛門様式の後絵施した偽の作品が、多く出回っている様です。
図柄も柿右衛門様式で描かれていますが、色調や描写方法もオリジナルとは異なる様で、
目の肥えた人には、後絵と解かるそうです。
b) 染付けのみの磁器に、部分的に色絵で後絵を施した作品も多く存在しています。
これらの作品では、染付けのみで絵が完成している為、後絵が邪魔になっている場合が多く
構図的にも、不自然さが出るとの事です。(後絵が蛇足になっている)
c) 本体が作られた時代と、絵柄が一致しない物もある。
白磁の壷や大徳利などに、元禄美人を描がいてある物があるそうですが、壷や徳利の作ら
れた時代(様式から判断する)と元禄美人がが流行した時代に「ズレ」があり不自然です。
) 窯に入れない方法。
a) 「焼継ぎ」の方法。
幕末から昭和初期まで盛んに行われていた方法で、現在ではほとんど見る事がなくなった
方法です。「ニュウや割れ」などの傷を、低い温度で熔着する方法で、最も強力な接着
方法と言われています。主に、大切な食器類の補修に使われ、茶陶器の直しには使われて
いないとの事です。この方法で、後色絵を焼き付けます。
後色絵の上に、白玉粉(鉛ガラスの粉、楽焼用の釉に使用)を置き、ガスバーナー等で
加熱し焼き付けます。新たなガラス部分が盛り上がったり、上絵に泡が生じ易く、色調も
異なる為、真作とは大きく異なります。
b) 硬質ワックスを用いた後上絵付け。
色絵の中で、本物の緑、黄、紫、藍色は、ガラス質で盛り上がった感じになっています。
熔した硬質ワックスに絵の具を混ぜ、垂らす様にして作品に落として行きます。筆塗り
同様の曲線も描く事が出来、色調や透明感や盛り上がり感も自然に見えます。
更に、薄く塗る事で赤や黒などの色や、汚れや黒ずみ等の古色を付ける事も可能です。
硬度も強く、爪で押しても凹む事はありません。
・ タイ、インドネシア、中国南部などの東南アジアを中心に、安南赤絵、呉須赤絵、
明朝赤絵などの作品に多く見られるものです。
c) 塗料を用いて色絵を描く。
最も簡便な方法ですが、その場限りの誤魔化した物です。
強い接着力は無く、布で強く拭いたり、爪で擦ると剥がれます。
使われる色は、赤、黒、金など盛り上がりの無い平たい線が多いです。
以下次回に続きます。
③ 無地の古陶磁に後染付けする。
釉面に染付け用の絵の具(コバルト、呉須)で、絵を描き高温で再焼成すると、以下の様に
成ります。
) 釉が熔けますので、釉の上に描いた絵が、若干流れると考えられますが、ほとんど流れる
事は無い場合もある様です。但し、釉の流れ易さや、再焼成温度によっては、若干流れ、
絵が滲む場合もあります。
) 筆で描いた絵は、釉の下に描いた通りに定着し、釉も絵の上を完全に覆います。
) 釉は艶(つや)や透明感が増します。
) 「カセ」や「貫入」に着いた汚れが可燃性の場合は、綺麗に無くなりますが、非可燃性の
汚れは釉に取り込まれ、釉を汚す事に成ります。
) 陶器の「ニュウ」は再焼成で、広がり太くなる事が多いですが、磁器の場合には陶器程
の変化はありません。
) こびり付いた土銹(どしょう)は無くなる場合が多いです。
④ 後色絵、後赤絵、後金彩に付いて。
) 無地や古染付けの陶磁器、又は上絵や金彩が薄くなったり、絵が剥落してしまった物を、
商品価値を高める為に、後絵で赤絵(色絵)を施し、色絵窯(錦窯)を使い800℃程度の温度で
再度焼成する方法です。尚、後で述べる様に、窯に入れずに後絵を施す方法もあります。
) 後絵の技法その物は、通常の上絵付けと同様ですので、困難でありません。
但し、焼き物が焼かれた当時と同じ色調の絵の具が手に入る事と、描かれている絵の具と同じ
絵の具が調合できる事、更には、同じ描き方(描き振り)が出来るかが難問に成ります。
a) 白磁皿に柿右衛門様式の後絵施した偽の作品が、多く出回っている様です。
図柄も柿右衛門様式で描かれていますが、色調や描写方法もオリジナルとは異なる様で、
目の肥えた人には、後絵と解かるそうです。
b) 染付けのみの磁器に、部分的に色絵で後絵を施した作品も多く存在しています。
これらの作品では、染付けのみで絵が完成している為、後絵が邪魔になっている場合が多く
構図的にも、不自然さが出るとの事です。(後絵が蛇足になっている)
c) 本体が作られた時代と、絵柄が一致しない物もある。
白磁の壷や大徳利などに、元禄美人を描がいてある物があるそうですが、壷や徳利の作ら
れた時代(様式から判断する)と元禄美人がが流行した時代に「ズレ」があり不自然です。
) 窯に入れない方法。
a) 「焼継ぎ」の方法。
幕末から昭和初期まで盛んに行われていた方法で、現在ではほとんど見る事がなくなった
方法です。「ニュウや割れ」などの傷を、低い温度で熔着する方法で、最も強力な接着
方法と言われています。主に、大切な食器類の補修に使われ、茶陶器の直しには使われて
いないとの事です。この方法で、後色絵を焼き付けます。
後色絵の上に、白玉粉(鉛ガラスの粉、楽焼用の釉に使用)を置き、ガスバーナー等で
加熱し焼き付けます。新たなガラス部分が盛り上がったり、上絵に泡が生じ易く、色調も
異なる為、真作とは大きく異なります。
b) 硬質ワックスを用いた後上絵付け。
色絵の中で、本物の緑、黄、紫、藍色は、ガラス質で盛り上がった感じになっています。
熔した硬質ワックスに絵の具を混ぜ、垂らす様にして作品に落として行きます。筆塗り
同様の曲線も描く事が出来、色調や透明感や盛り上がり感も自然に見えます。
更に、薄く塗る事で赤や黒などの色や、汚れや黒ずみ等の古色を付ける事も可能です。
硬度も強く、爪で押しても凹む事はありません。
・ タイ、インドネシア、中国南部などの東南アジアを中心に、安南赤絵、呉須赤絵、
明朝赤絵などの作品に多く見られるものです。
c) 塗料を用いて色絵を描く。
最も簡便な方法ですが、その場限りの誤魔化した物です。
強い接着力は無く、布で強く拭いたり、爪で擦ると剥がれます。
使われる色は、赤、黒、金など盛り上がりの無い平たい線が多いです。
以下次回に続きます。
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