前にもお話した様に、再焼成で後赤絵以外では、全面的に釉を熔かし直しますので、上手に焼けば、
風化や古色は全て無くなります。但し、胎土、造形、釉、文様はそのまま本物ですので、見慣れない
人では、二度焼きを見破る事は困難と言われています。
二度焼きされる作品は、温度が上昇せずに焼き損じた発掘品や、焼成中に大きな割れや傷付いた
作品群、物原(ゴミ捨て場)からの発掘品などであり完品はありません。そのままでは、ほとんど
価値がありませんので、二度焼きや補修によって、商品価値を高める事が出来ます。
6) 二度焼きのまとめ。
二度焼きの特徴には以下のものがあります。
① 「カセ」や「染み」が無く、釉に光沢があり、真新しい感じになります。
又、表面に「摩れ」や「擦り傷」も全く見られません。
但し、この状態では新作と見られますので、人工的な古色が着けられています。
それ故、人工的な古色付けを見破る必要もあります。
② 釉に「ニュウ(ひび)」が無く、その下の胎土に細い「ニュウ」が見える。
但し、「窯傷」と呼ばれる、焼成前や素焼中に発生した傷の場合にも、同様な現象が起こり
ます。両方の「ニュウ」を比べると、前者の場合が直線的なのに対し、後者はやや蛇行して
いる場合があります。又、窯傷の場合には、軟らかい内に出来た為、底割れや欠けた部分が
「スパット」綺麗に成っていない場合が多いですので、傷の状態で判断できる事も多いです。
③ 「欠け」や「ホツ」の周囲の全体が、熔けた釉で丸味を帯び、鋭利な角部分が出ていません。
④ 釉が黒ずみ、汚れた感じがします。これは、元の作品が不燃性の物質が残っていたからです。
更に、複数個の大小の泡状の突起が、表出する場合があります。
⑤ 後絵では、現代人が好む兎(うさぎ)、水鳥、魚、桜、家、人物、舟などの文様が多いです。
⑥ 後絵の絵付けが「ぎこちなく」熟練した職人が描いた感じがなく、当時の絵付けと微妙に
雰囲気が異なります。
⑦ 自然にこびりついた土銹(どしゅう)が無い。特に貫入に入り込んだ土銹や釉の表面に半透明
状の薄い幕の土銹も無く、綺麗な状態の物は、二度焼きと思って間違い無い様です。
⑧ 二度焼きの場合、新たに釉を補充する場合と、補充しない方法があります。
補充すると、オリジナルの釉と同じ成分にする必要がありますので、一般には補充しない事が
多いです。補充しない場合、二度焼きの際、釉が若干素地(特に陶器の場合)に吸収される為
透明釉がやや褐色になる場合があります。又、陶器の場合は「ニュウ」がより大きく広がり
まので、「ニュウ」が埋まる事はありません。「ニュウ」を隠す為には、釉を追加しています。
⑨ 上絵付けの作品の再燃焼(二度焼き)は、磁器の作品がほとんどです。それ故、貫入も少なく
比較的古色や汚れは付き難いですので、昔の絵の具を使い、絵柄も当時の模様を使った場合、
上絵を追加しても、ほとんど見破る事は困難との事です。
注: 当ブログでは、「二度焼き」を再焼成の意味で使っています。本来この言葉は、上絵付
けの際の錦窯で焼成する事を指す言葉との事ですので、当ブログの上絵の「二度焼き」
は「三度焼き」が正式な言葉となります。
以下次回に続きます。
風化や古色は全て無くなります。但し、胎土、造形、釉、文様はそのまま本物ですので、見慣れない
人では、二度焼きを見破る事は困難と言われています。
二度焼きされる作品は、温度が上昇せずに焼き損じた発掘品や、焼成中に大きな割れや傷付いた
作品群、物原(ゴミ捨て場)からの発掘品などであり完品はありません。そのままでは、ほとんど
価値がありませんので、二度焼きや補修によって、商品価値を高める事が出来ます。
6) 二度焼きのまとめ。
二度焼きの特徴には以下のものがあります。
① 「カセ」や「染み」が無く、釉に光沢があり、真新しい感じになります。
又、表面に「摩れ」や「擦り傷」も全く見られません。
但し、この状態では新作と見られますので、人工的な古色が着けられています。
それ故、人工的な古色付けを見破る必要もあります。
② 釉に「ニュウ(ひび)」が無く、その下の胎土に細い「ニュウ」が見える。
但し、「窯傷」と呼ばれる、焼成前や素焼中に発生した傷の場合にも、同様な現象が起こり
ます。両方の「ニュウ」を比べると、前者の場合が直線的なのに対し、後者はやや蛇行して
いる場合があります。又、窯傷の場合には、軟らかい内に出来た為、底割れや欠けた部分が
「スパット」綺麗に成っていない場合が多いですので、傷の状態で判断できる事も多いです。
③ 「欠け」や「ホツ」の周囲の全体が、熔けた釉で丸味を帯び、鋭利な角部分が出ていません。
④ 釉が黒ずみ、汚れた感じがします。これは、元の作品が不燃性の物質が残っていたからです。
更に、複数個の大小の泡状の突起が、表出する場合があります。
⑤ 後絵では、現代人が好む兎(うさぎ)、水鳥、魚、桜、家、人物、舟などの文様が多いです。
⑥ 後絵の絵付けが「ぎこちなく」熟練した職人が描いた感じがなく、当時の絵付けと微妙に
雰囲気が異なります。
⑦ 自然にこびりついた土銹(どしゅう)が無い。特に貫入に入り込んだ土銹や釉の表面に半透明
状の薄い幕の土銹も無く、綺麗な状態の物は、二度焼きと思って間違い無い様です。
⑧ 二度焼きの場合、新たに釉を補充する場合と、補充しない方法があります。
補充すると、オリジナルの釉と同じ成分にする必要がありますので、一般には補充しない事が
多いです。補充しない場合、二度焼きの際、釉が若干素地(特に陶器の場合)に吸収される為
透明釉がやや褐色になる場合があります。又、陶器の場合は「ニュウ」がより大きく広がり
まので、「ニュウ」が埋まる事はありません。「ニュウ」を隠す為には、釉を追加しています。
⑨ 上絵付けの作品の再燃焼(二度焼き)は、磁器の作品がほとんどです。それ故、貫入も少なく
比較的古色や汚れは付き難いですので、昔の絵の具を使い、絵柄も当時の模様を使った場合、
上絵を追加しても、ほとんど見破る事は困難との事です。
注: 当ブログでは、「二度焼き」を再焼成の意味で使っています。本来この言葉は、上絵付
けの際の錦窯で焼成する事を指す言葉との事ですので、当ブログの上絵の「二度焼き」
は「三度焼き」が正式な言葉となります。
以下次回に続きます。
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