3) 化粧土の使い方。
作品に化粧土を塗る方法には、大まかに分けて、刷毛(はけ)塗り、粉引(こひき)とイッチン、
柄杓(ひしゃく)掛け等があります。装飾表現によって使い分けます。
① 刷毛塗り。 刷毛や筆を用いて、化粧土を作品の表面に塗る方法です。
) 刷毛目を付ける方法。積極的に刷毛の塗った跡を残す技法です。
a) この場合、表面全体を化粧土で覆い尽くす方法よりも、素地の色が見える程度に、隙間を
空けて塗り、化粧土と素地の色とを対比させると、刷毛の跡がより効果的になります。
市販の土鍋などで良く見掛ける物です。陶印を捺した三島でも使われる方法です。
b) 規則的に刷毛目を付ける場合や、作品全体に施す場合、まばらに付ける場合、大胆な
筆さばきで刷毛目を残す等、その方法は千差万別です。
c) 刷毛の材質、刷毛の幅、刷毛の腰の強弱、刷毛の保水性、刷毛の目の粗さ等により
刷毛目の跡は大きく変化します。又、化粧土の水分量(化粧土の流動性、伸び具合)に
よっても、刷毛目の跡は異なります。
d) 刷毛の種類と効果。
イ) ペンキ塗り用の刷毛。ホームセンターや、100円ショップ(100円均一)等で容易に入手
可能です。材質は、動物の毛や化学繊維を用いた刷毛で、一般に繊維も細く腰も
弱いので、刷毛目の跡も弱々しく見えます。むしろ刷毛目が目立たない様に塗れます。
保水性があり、水切れ(化粧土切れ)を減らし、一様な濃さに塗るのに適します。
刷毛の幅は種類が多いです。但し、幅広の刷毛であっても、刷毛を斜めに使う方法に
よって、幅広から細い幅まで塗る事が出来ますので、2~3種類あれば十分です。
勿論、陶芸材料店で買う事もできますが、比較的高価です。
ロ) 藁箒(わらほうき)を加工した刷毛。
腰のある硬めの刷毛は、刷毛目に勢いがあり、化粧土が周囲に飛び跳ねる事で、男性的
な印象を与える刷毛目となる事も可能です。ホームセンター等で市販されている藁箒を
加工する事で簡単に作る事が出来ます。
・ 藁箒の一部を一束切り取ります。長さが短い程腰は強くなります。
穂先を揃えずある程度ばらばらにします。ばらばらにする事で、箒に掛かる力に強弱が
でき、刷毛の跡に面白味がでます。 穂先の反対側(根元)を束ねて2~3箇所を
糸で強気くくります。根元を揃えて切ます。以上で完成です。
尚、穂先を水平に切り揃え、力が均一に掛かる様にする事もできます。
ハ) 筆を使う方法。細い線状に化粧土を付ける場合や、凹んだ部分などに塗る場合で、
水彩絵の具用の筆や、油絵の具用の筆があります。水彩画用は腰が弱く、油絵の具用は
腰が強いです。丸筆と平筆(刷毛状)が有ります。
又、「ぽってりした質感」を出す為、柔らかな毛を使った腰が弱く、太い筆を使う事も
あります。(書道用の太い筆や、キーボードの埃を払う箒などもあります。)
たっぷり筆に付け、厚目に塗る事が出来ます。但し、刷毛目の感じは弱いです。
) 刷毛塗りの方法。
以下次回に続きます。
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