前回の続きです。
8) 埋め込み模様を作る。(一種の象嵌模様とも言える技法です。)
金太郎飴風に作った色土の練込み模様を、作品に埋め込んで模様を付ける方法です。
前回の貼り付ける方法ですと、作品より外に出っ張る感じに成りますが、埋め込む方法では、
表面は凸凹しなくてすみます。
① 埋め込む為には、作品はある程度軟らかい状態になっている必要があり、逆に色土模様は
ある程度乾燥しており、押し込む際の圧力で、模様が変形しない状態の時に行います。
② 作品として、皿の様な平たい物や、タタラから作る作品に向いています。
即ち、タタラの状態では、練込み模様を安定して埋め込む事が出来ます。
③ 角皿を作る。
ベースになる四角い皿を、タタラで作ります。土の種類は模様の外側の色(海苔巻きの海苔に
相当する土の色)と同じにする方が、後の処理が楽です。
) 切り出した(スライスした)練込み模様の土を、上記四角い皿の上に並べます。
隙間無く並べる事も可能ですが、ワンポイントとして一箇所のみに置く事も出来ます。
模様の配置の仕方によって、出来上がりに差が出ますので、良く考える事です。
置いた上に濡らして、きつく絞った布を掛けます。くっつき防止です。
) 足の付いた平たい板を逆さにして足を持ち、上記布の上から、体重を掛けて平行に押さえ
ます。 面積の広い板ですと力が分散し、潜る量は僅かですので狭い板の方が有効です。
但し、狭い板の場合には、押す位置によって若干の差(凸凹)が出ます。
) 上記の作業では十分に押し込める事は出来ないはずです。
そこで更に、ローラーを掛けて押し込みます。但し数度に分け、四方八方に中心から外側へ
転がし押し込めます。模様の高さとベースの土の高さ(厚さ)が均一であればOKです。
若干模様の方が出っ張っていても、削り作業で平らにする事が出来ます。
) 上記の作業を行うと、ベースの土は伸びます。
それ故、最初に設定した寸法に成る様にカッター等で切り取ります。
) 角皿にするには、四辺と各角を持ち上げ形を作ります。
又、模様入りの平たい板を乾燥後に組み立て利用し、色々の作品を作る事もできます。
但し、模様の入った部分を急激に曲げない事です。
④ 直接練込み模様を貼り付けタタラを作る。
上記方法はベースの土に練込み土を押し込む方法ですが、ベースの土を使わずに直接
色土を並べ、互いに接着させて板状にする事も出来ます。
) 濡らした布の上に複数枚の模様土を並べます。
基本的には、複数の色土を密着させて貼り合わせます。
四角い模様であれば、比較的隙間を少なくして、並べる事が出来ますが、丸い模様であれば
三枚の模様の中心には隙間ができます。
又、海苔に相当する部分の土を切ったり変形させて、なるべく隙間を少なくします。
) 一枚毎に側面を押して隣の模様の土に圧着させます。同様にして必要の枚数をくっつけて
いきます。乾燥が進んでいる場合には、海苔に相当する外側の土に、筆で水を引きやや
軟らかくして変形と接着を助けます。
) 模様の形によっては隙間ができるかも知れませんが、少しの隙間であれば、次の作業で
修正できます。大きく隙間が出来た場合には、海苔に相当する土を小さく丸めてその
隙間に入れ、上から押さえて伸ばし、隙間を完全に埋めます。
b) 濡らした布を上から掛け、上から圧力をかけ圧着します。更にローラーを掛けて均一に
伸ばします。伸ばす方向によって模様も変化しますので、伸ばす行為より接着する事を
優先させます。
c) 模様同士が隙間無く密着すれば良いのですが、接着が不十分ですと、後から「割れや
ひび」が入ります。
d) 接着方法は、水のみの場合と、側面に傷(刻み)を付け「どべ」を使う事もできます。
乾燥度合いでどの方法を取るかを考えます。
⑤ 鉢などの食器類に埋め込む。
以下次回に続きます。
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