わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

釉薬 (施釉の利点)

2008-12-02 22:02:50 | 釉薬に付いて 釉薬の種類 熔融剤
釉薬についての、一般的な事を述べたいと思います。

 釉薬について、今までほとんど、述べて来ませんでしたが、それは、

 ① 釉薬の種類は、千差万別で、説明するのにきりが無い事。

 ② 釉薬は同じ釉薬でも、窯(焼成の仕方)との関係で、焼き上がり、色(色相)、模様(結晶釉)

   などが変化し、一律に説明出来ない事。

 ③ 市販の釉薬はともかく、自分で調合(釉薬を作る)するとなると、かなり専門的な

   知識(特に化学)が必要な事。

  (本などで、調合割合(レシピ)などが書かれていますが、中々本通りには、いきません)

 以上の事情により、釉薬について、あえて述べま来ませんでしたが、一般的な事なら、述べる必要が

 有るかと思い、説明する事に致しました。

1) 釉薬とは

  釉薬はガラスの仲間だと思ってください。

  そのガラスの材料に、鉄や胴、亜鉛、などの金属を入れて、色を付けたり、結晶物にした物です。

  更に、目的の温度で溶け易くする為、アルカリ類(Ca、Na、Mg、Baなど)を適宜混ぜています。

  (蛇足ですが、化学では、ガラスは固体では無く、液体に分類されています。

  理由は、固体から液体に替わる融点が、一定しない為です。普通融点は全ての固体が

  溶けるまで、一定温度を保持しますが、ガラスは、溶けながら温度が上昇し続けます。)

  ガラスの材料になる物、及びその他の材料については、後で述べたいと思います。

2) 施釉の利点

   陶器には、施釉する物と、施釉しない物が有ります。

   施釉しない代表的な陶器が、備前焼で「焼き締め」と呼ばれています。

   備前焼が施釉しない理由などは、後で述べます。

 ① ガラス質で覆うため、水を通さ無くなります。(水漏れ、吸水性が無い)

 ② 強度が増し、傷付きにくくなります。

 ③ 酸やアルカリ等の薬品に対して、変化しません。

   又、汚れても、容易に洗い流す事が出来ます。

 ④ 最大の特徴は、作品に色が付き、綺麗に仕上がる事です。

   焼き物の最大の見所は、焼き、即ち色の発色の良し悪しと言っても、過言ではありません。

   (尚、備前焼の見所も、釉薬では有りませんが、発色の良し悪しが重要です)


以下、次回に続きます。

  釉薬の歴史(発見、発明)。釉薬の種類(分類)。釉薬と素地との関係。

  釉薬の材料。 釉薬の調合(ジェーゲル式)などを、順に述べていきます。

  
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ロクロ挽きの要点 (3) | トップ | 釉薬の発見発明 »

コメントを投稿

釉薬に付いて 釉薬の種類 熔融剤」カテゴリの最新記事