色釉を作るには、金属元素又はその酸化物を添加するのが一般的な方法です。
釉を作る際には、熔融剤(媒熔剤)として、アルカリ成分が使われますが、どの種類の物を
使うかによって、発色に違いがあります。又同じ熔融剤を使用しても窯の雰囲気(酸化、
還元)によって発色に違いが出ます。ここでは、ナトリウム(ソーダー)とカリウムの熔融
剤の場合に付いて述べます。
取り上げる金属(酸化物)は、鉄、銅、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、チタン、
ウラニウムです。尚、現在では鉛はほとんど使用する事は有りませんが、参考までに記して
おきます。
1) 鉄(酸化第一、第二酸化鉄=弁柄など)
① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、褐色掛かった黄色。
② 熔融剤にカリウムを使用した場合、褐色。
いずれも鉄の成分が多くなるに従い、黒色に近付きます。
③ 熔融剤に鉛を使用した場合、明るい黄色又は赤褐色。
④ 酸化焔では、黒、黄褐色。
還元焔では、褐色掛かった黒、青緑。
2) 銅(酸化銅、炭酸銅など)
① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、空色に近い青。
② 熔融剤にカリウムを使用した場合、トルコブルー。
③ 熔融剤に鉛を使用した場合、草緑。
④ 酸化焔では、緑、青緑、暗い緑。
還元焔では、赤、紫掛かった褐色。
3) クロム(酸化クロムなど)
① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、草色に近い緑。
② 熔融剤にカリウムを使用した場合、黄色掛かった緑。
③ 熔融剤に鉛を使用した場合、赤味を帯びた黄色、朱赤。
④ 酸化焔では、黄色を帯びた緑、又は青緑。
還元焔では、青緑。
4) マンガン(酸化マンガンなど)
① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、暗い黄色。
② 熔融剤にカリウムを使用した場合、紫。
③ 熔融剤に鉛を使用した場合、黒又は紫掛かった褐色。
④ 酸化焔では、黄褐色、黒褐色。
還元焔では、褐色掛かった黒、黄褐色。
5) コバルト(酸化コバルト、塩化コバルト、炭酸コバルト、燐酸コバルト、呉須など)
① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、草色ぽい青。
② 熔融剤にカリウムを使用した場合、緑掛かった青。
③ 熔融剤に鉛を使用した場合、青掛かった藍色(青藍)。
④ 酸化焔では、青藍。
還元焔では、青藍、桃紅色。
6) ニッケル(酸化ニッケルなど)
① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、褐色。
② 熔融剤にカリウムを使用した場合、褐色。
③ 熔融剤に鉛を使用した場合、黄色掛かった緑。
④ 酸化焔では、緑。
還元焔では、灰色。
7) チタン(酸化チタニウムなど)
① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、黄色。
② 熔融剤にカリウムを使用した場合、黄色。
③ 熔融剤に鉛を使用した場合、黄色。
④ 酸化焔では、橙(だいだい)黄色、茶褐色。
還元焔では、暗い黄色、茶褐色。
8) ウラニウム(酸化ウラニウム)
① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、黄色。
② 熔融剤にカリウムを使用した場合、橙黄色。
③ 熔融剤に鉛を使用した場合、橙黄色、朱紅。
④ 酸化焔では、黄色、黄緑。
還元焔では、黒色。
注意事項: 上記はおおよそ(凡そ)の目安です。当然金属類の添加量によって色も
変化しますし、熔融剤も単一の事は少なく、複数の物が混在しているのが一般的ですので
上記の通りに発色する保障はありません。あくまで参考程度に頂ければ有り難いです。
以下次回に続きます。
釉を作る際には、熔融剤(媒熔剤)として、アルカリ成分が使われますが、どの種類の物を
使うかによって、発色に違いがあります。又同じ熔融剤を使用しても窯の雰囲気(酸化、
還元)によって発色に違いが出ます。ここでは、ナトリウム(ソーダー)とカリウムの熔融
剤の場合に付いて述べます。
取り上げる金属(酸化物)は、鉄、銅、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、チタン、
ウラニウムです。尚、現在では鉛はほとんど使用する事は有りませんが、参考までに記して
おきます。
1) 鉄(酸化第一、第二酸化鉄=弁柄など)
① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、褐色掛かった黄色。
② 熔融剤にカリウムを使用した場合、褐色。
いずれも鉄の成分が多くなるに従い、黒色に近付きます。
③ 熔融剤に鉛を使用した場合、明るい黄色又は赤褐色。
④ 酸化焔では、黒、黄褐色。
還元焔では、褐色掛かった黒、青緑。
2) 銅(酸化銅、炭酸銅など)
① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、空色に近い青。
② 熔融剤にカリウムを使用した場合、トルコブルー。
③ 熔融剤に鉛を使用した場合、草緑。
④ 酸化焔では、緑、青緑、暗い緑。
還元焔では、赤、紫掛かった褐色。
3) クロム(酸化クロムなど)
① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、草色に近い緑。
② 熔融剤にカリウムを使用した場合、黄色掛かった緑。
③ 熔融剤に鉛を使用した場合、赤味を帯びた黄色、朱赤。
④ 酸化焔では、黄色を帯びた緑、又は青緑。
還元焔では、青緑。
4) マンガン(酸化マンガンなど)
① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、暗い黄色。
② 熔融剤にカリウムを使用した場合、紫。
③ 熔融剤に鉛を使用した場合、黒又は紫掛かった褐色。
④ 酸化焔では、黄褐色、黒褐色。
還元焔では、褐色掛かった黒、黄褐色。
5) コバルト(酸化コバルト、塩化コバルト、炭酸コバルト、燐酸コバルト、呉須など)
① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、草色ぽい青。
② 熔融剤にカリウムを使用した場合、緑掛かった青。
③ 熔融剤に鉛を使用した場合、青掛かった藍色(青藍)。
④ 酸化焔では、青藍。
還元焔では、青藍、桃紅色。
6) ニッケル(酸化ニッケルなど)
① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、褐色。
② 熔融剤にカリウムを使用した場合、褐色。
③ 熔融剤に鉛を使用した場合、黄色掛かった緑。
④ 酸化焔では、緑。
還元焔では、灰色。
7) チタン(酸化チタニウムなど)
① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、黄色。
② 熔融剤にカリウムを使用した場合、黄色。
③ 熔融剤に鉛を使用した場合、黄色。
④ 酸化焔では、橙(だいだい)黄色、茶褐色。
還元焔では、暗い黄色、茶褐色。
8) ウラニウム(酸化ウラニウム)
① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、黄色。
② 熔融剤にカリウムを使用した場合、橙黄色。
③ 熔融剤に鉛を使用した場合、橙黄色、朱紅。
④ 酸化焔では、黄色、黄緑。
還元焔では、黒色。
注意事項: 上記はおおよそ(凡そ)の目安です。当然金属類の添加量によって色も
変化しますし、熔融剤も単一の事は少なく、複数の物が混在しているのが一般的ですので
上記の通りに発色する保障はありません。あくまで参考程度に頂ければ有り難いです。
以下次回に続きます。
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