2) 発掘品の様な、古色を付ける方法。
① 古典的な古色の付け方。
) 紅茶など、古代色に近い色の液体に漬け、煮しめる事により貫入部分に染込ませて色付け
します。
) 作品を松や杉の葉などの煙で燻す(いぶす)事で、煙の成分や煙に含まれる脂(ヤニ)を
作品に染込ませる。
) サンドペーパー(紙ヤスリ)で表面を擦り、自然に釉が風化した様に見せる。
発掘品は多かれ少なかれ、必ず風化が見られます。風化の種類は、表面の釉が「ガサガサ」
になり、部分的に釉が剥がれている場合もあります。紙ヤスリでその様な風化に見せ掛け
ます。その他の風化には、銀化や金化を呈する場合もあります。
銀化、金化に付いては後日お話します。
) 染み(しみ)や汚れを付ける。泥や土を擦り付ける事で古色をつけますが、水洗いなどの
意外と簡単方法で、取り去る事も可能な、初歩的な方法の場合もあります。
) 土銹(どしゅう)を付ける。
土銹とは、数百~数千年の間、地中に埋もれていた物には、土の成分と鉄分が一緒に
なって、作品にこびりつきます。これを土銹といいます。
意図的に土に接着材やセメント類と鉄分を混ぜ、作品にくっ付ける事で、土銹の様に見せ
掛けます。
又、弗化水素で表面を荒し、更に数ヶ月~数年間土に埋め込み、発掘品の様に見せ掛けます
② 人工的に風化を作り出す。
焼き物の風化は、主に釉に起こる現象ですので、備前焼の様な焼締陶器には起こり難い
現象です。
) 自然な風化では、次の様な表情を呈します。
a) 表面が白っぽく見えたり、粉を噴いた様に見えます。釉の表面が侵され極く小さな円形の
穴が散らばって見られます。又は、穴が連続的に現れる場合もあります。
b) 表面に艶があるが、釉の内部に空洞が出ている溜、表面が白っぽくなっています。
c) 口縁部や稜(角)部などに、赤茶けた銹さび)の様なものが出現します。
この部分が特に酸化が進み、鉄分などが浸み込んでいます。
d) 作品の表面が金、銀、虹色に輝く。
風化より、釉の中に空洞が広がり、光が乱反射する為に起こると言われています。
e) 貫入に沿って小さな亀裂が続き、所々に火花の様な細かい亀裂が広がります。
f) 釉の一部が剥がれ落ちている。釉の中の空洞に水が浸み込み、水が膨張する事で釉が
素地から、剥がれます。
g) 海上がりの作品には、長年海中に有った為、「フジツボ」、「牡蠣(かき)」などの
生物が付着している事も多いです。これらは、酢酸(お酢)に浸しておけば、綺麗に
取り除く事ができます。
尚、焼成温度が低く、釉が熔けきらず艶消し状態の場合には、当然風化では有りません。
同様の物に、マット(艶消し)釉の焼きが甘い場合も、風化と見間違い易い様です。
) 人工的に風化状態を作り出す方法。
a) 弗化(フッカ)水素などの薬品で、釉の表面に「ザラつき」を付ける。
弗化水素は釉の成分の珪酸分を溶かしますので、薬品に浸して使用します。
b) 以前は、作品全体に「ザラつき」を付けた方法が取られたものが多かった様ですが、
現在では、より巧妙になり部分的に風化状態を作りだす事が多く成っています。
c) 人工的に銀化を作る。薬品の他に、真珠光沢のある塗料や釉を使い、塗ったり吹き付け
たりして、発掘品の様に見せます。
3) 伝世品の経年変化。
以下次回に続きます。
① 古典的な古色の付け方。
) 紅茶など、古代色に近い色の液体に漬け、煮しめる事により貫入部分に染込ませて色付け
します。
) 作品を松や杉の葉などの煙で燻す(いぶす)事で、煙の成分や煙に含まれる脂(ヤニ)を
作品に染込ませる。
) サンドペーパー(紙ヤスリ)で表面を擦り、自然に釉が風化した様に見せる。
発掘品は多かれ少なかれ、必ず風化が見られます。風化の種類は、表面の釉が「ガサガサ」
になり、部分的に釉が剥がれている場合もあります。紙ヤスリでその様な風化に見せ掛け
ます。その他の風化には、銀化や金化を呈する場合もあります。
銀化、金化に付いては後日お話します。
) 染み(しみ)や汚れを付ける。泥や土を擦り付ける事で古色をつけますが、水洗いなどの
意外と簡単方法で、取り去る事も可能な、初歩的な方法の場合もあります。
) 土銹(どしゅう)を付ける。
土銹とは、数百~数千年の間、地中に埋もれていた物には、土の成分と鉄分が一緒に
なって、作品にこびりつきます。これを土銹といいます。
意図的に土に接着材やセメント類と鉄分を混ぜ、作品にくっ付ける事で、土銹の様に見せ
掛けます。
又、弗化水素で表面を荒し、更に数ヶ月~数年間土に埋め込み、発掘品の様に見せ掛けます
② 人工的に風化を作り出す。
焼き物の風化は、主に釉に起こる現象ですので、備前焼の様な焼締陶器には起こり難い
現象です。
) 自然な風化では、次の様な表情を呈します。
a) 表面が白っぽく見えたり、粉を噴いた様に見えます。釉の表面が侵され極く小さな円形の
穴が散らばって見られます。又は、穴が連続的に現れる場合もあります。
b) 表面に艶があるが、釉の内部に空洞が出ている溜、表面が白っぽくなっています。
c) 口縁部や稜(角)部などに、赤茶けた銹さび)の様なものが出現します。
この部分が特に酸化が進み、鉄分などが浸み込んでいます。
d) 作品の表面が金、銀、虹色に輝く。
風化より、釉の中に空洞が広がり、光が乱反射する為に起こると言われています。
e) 貫入に沿って小さな亀裂が続き、所々に火花の様な細かい亀裂が広がります。
f) 釉の一部が剥がれ落ちている。釉の中の空洞に水が浸み込み、水が膨張する事で釉が
素地から、剥がれます。
g) 海上がりの作品には、長年海中に有った為、「フジツボ」、「牡蠣(かき)」などの
生物が付着している事も多いです。これらは、酢酸(お酢)に浸しておけば、綺麗に
取り除く事ができます。
尚、焼成温度が低く、釉が熔けきらず艶消し状態の場合には、当然風化では有りません。
同様の物に、マット(艶消し)釉の焼きが甘い場合も、風化と見間違い易い様です。
) 人工的に風化状態を作り出す方法。
a) 弗化(フッカ)水素などの薬品で、釉の表面に「ザラつき」を付ける。
弗化水素は釉の成分の珪酸分を溶かしますので、薬品に浸して使用します。
b) 以前は、作品全体に「ザラつき」を付けた方法が取られたものが多かった様ですが、
現在では、より巧妙になり部分的に風化状態を作りだす事が多く成っています。
c) 人工的に銀化を作る。薬品の他に、真珠光沢のある塗料や釉を使い、塗ったり吹き付け
たりして、発掘品の様に見せます。
3) 伝世品の経年変化。
以下次回に続きます。
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