ミーロの日記

日々の出来事をつれづれなるままに書き綴っています。

父のつぶやき

2013-07-02 13:00:00 | 介護
父のところで、妹と二人であれこれ今後の用意などをしていると、それを見ていた父が急にこんなことを言った。

「しかし、お父さんは幸せだよなぁ」

てっきり娘二人(私と妹)が、いろいろなことをしてあげているので、それに対して「幸せだ」と言ったのかと思いきや違ったらしい・・・

そのあと父は続けてこう言った。

「お金があってよかったよ」

それを聞いた途端、なんだか力が抜けそうになった。

別に父に感謝されたくてやっているわけではなく、娘として当然のことをしているまでだが、お金を持っていたことが幸せだったとは、予想外の言葉でちょっとがっくりだった。

たしかにお金は無いより、有るにこしたことはない。

・・・が、子供がいてくれて幸せだと言ってくれたら、妹も私も嬉しかったのになぁ。

父はずっと元気だったし、幸いなことに年をとっても雇ってくれる会社があったため70代後半まで働いていた。

だから早々に定年退職した同年代の方に比べると、多少の蓄えはあるのかもしれない。

父が言うには、同年代の知り合いに「今度、高齢者住宅へ移る」という話をしたそうだ。

すると、その知り合いは「いいな。俺は金がないから、そんなところへ行きたくても行けない」とおっしゃったとか。

父はよく分かっていないので、お金がある人しか色々なサービスを受けられないと思っているようだったが、まず行政の窓口に相談し、そこで介護認定がされれば、お金がなくてもある程度のサービスは受けられる。

また高齢者住宅なども上を見ればキリがないが、安い金額でも良心的な施設はあると思うので、できるだけ多くの施設を見学に行って探すのがベストだと思う。

しかし、動くこともままならない一人暮らしの高齢者にそこまで出来るだろうか・・・

たぶん高齢者住宅どころか、介護認定のことなども知らないお年寄りが多いのではないだろうか。

父の知り合いの方は、80代でご夫婦で暮らしているが、お子さんはいらっしゃらないそうだ。

また最近、奥様にボケの症状が現れてきたともおっしゃっていたそうだ。

奥様の介護を一人でしながら、家事もやっているなんて本当に大変だろうと思う。

限界がくる前に、そういった制度があることを知らせてあげたいと、父の話を聞いて思っていた。

それにしても、日本の老人介護制度はすばらしいと思う。

お金があろうがなかろうが、この国では老人も、そして障害者もちゃんと生きていくことができる。

父が「幸せだよな」とつぶやいたのは、充実した介護のサービスに対しての言葉でもあったと思う。

さて、時にはため息も出てしまう父のお世話だが、自分があとで後悔したくないということと、育ててくれた父には「幸せだった」と思える最期を迎えてほしいから、出来る限りのことはしてあげようと思う。

だから今、こうして多くの方に助けられて、父が安心した老後を過ごせることには心から感謝です。







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