鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

子年なんで・・・『鉄鼠の檻:京極夏彦・著』

2008-01-01 21:33:23 | Weblog
明けましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

2008年第1回目は、京極夏彦さんの『鉄鼠の檻』。
このブログでも何回か取り上げましたが、京極堂シリーズ第4弾でございます。

今、実寸してみましたが、50mm・・・です。
私は、昔、すこ~しだけ、設計業務をやらされたことがありまして、図面を引くとき、ミリメートル単位で計る癖がついてしまいまして、普通なら5cmと書くべきなのでしょうが・・・。

文庫本で、この厚みは、ちょっとスゴイよ。
業界では、弁当箱と呼ばれているそうで、本屋さんでもディスプレイするのが大変かな・・・と思うくらい厚いです。
ワタクシは、お行儀が悪いので、いつも本を読むときは、横になって読むのですが、重量感も相当なものなのです。握力も弱いし、ページを捲るのもちょっと片手では無理みたい・・・。

・・・で、ねずみ年にちなんで、この本です。

雪の箱根のお寺(明慧寺)で起こる連続殺人事件・・・。
山中に現れる振袖の童女・・・。今回のテーマは、『禅』にあるようです。
『禅』は、理解するのが相当難しいらしいのですが、入門編として、ミステリーを楽しみながら、この『鉄鼠の檻』を一読すれば、なんとか格好は、つきそうです。

ちなみにタイトルの『鉄鼠』は、天台宗園城派の高僧・實相房阿闍梨頼豪の霊が怨念のあまり、妖怪に姿を変えてそうです・・・。
こういうことをスラスラと書いてしまう京極さんってもしかして妖怪・・・???なんて思えるほどです・・・「天台宗園城派の高僧・實相房阿闍梨頼豪」にしても阿闍梨なんて単語、変換しても出てこないからさ、IMEパッドで、いちいち呼び出して記載してんのよ・・・もう大変。

人は、獣の脳を抱え込んでいると云う。
人の脳は、人が使わぬ脳に包まれていると云う。
悟りは脳の外にあると云う。
思い出は檻の中にあると云う。

京極さんは、こんなふうに書いています。


脳という檻に囚われた囚人・・・なのか・・・私たちは・・・。

この本は、ウンベルト・エーコが書いた『薔薇の名前』を彷彿させると解説にありましたが、こちらもかなりな長編だったと思います。

長いお休みにミステリーは、いかがでしょう・・・ねずみ年も始まったばかりだし・・・。