鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『パール・パーティ(全3巻):名香智子・著』

2011-06-27 22:51:53 | Weblog
くもりがちで、凌ぎよい一日。

腰痛も一段落してきて、徐々に復調の兆し。

先々週は、ずっと床についていて、昼夜逆転の生活をして、その間に読んだのが、今日の御題。

医大生の主人公・栞が、父親の負債で、医師への道を閉ざされ、結婚の約束をしていたインターン・一也と別れて、海辺の街で、真珠養殖の白藤巽と出会い、結婚するも、夫・巽の過去の恋人の出現により、幸福だと思っていた生活が崩れて行く。
人生の早い時期に、『金銭』に関する試練に翻弄される栞が、目指したのは、事業家。
『真珠』に魅せられ、事業を展開していくなかで、失ったもの、見つけたものは・・・。

このお話、フジテレビの13:30からのいわゆる昼メロの時間帯で、実写すれば、いいのになぁ・・・。
別に、昼メロでなくても、夜のドラマでも・・・。

・・・なんて、思いながら、読んでおりました。

名香智子さんの華麗な画力と宝石である『パール』への思いいれは、相当深いようです。
もともと、欧州貴族・王室・宝石・アンティーク・・・といった日常生活には、あまり縁の無い世界を、描いたら当代一の漫画家さんだと思うし、特に、宝石をテーマにした作品だったら、もっともっと読みたいと思います。

所謂、病床(?そんなに大袈裟でもないのだけれども)で読ませていただきましましたが、一気に読んでしまいました。
ワタクシは、相当な貧乏性なので、お楽しみは、後にとっておく・・・といったケチくさい性格ですが、とにかく、読んでいて、現実(手術後の痛みだとか、腰痛だとか)を、一瞬でも忘れることができた次第で、コレは、随分と気分的にラクになりました。
一日中、これからのことだとか、痛みのことばかり考えているのは、大変、よくないことだし、少しでも、忘れた方が、身体のためだし・・・。

今月の9日のブログで、宮尾登美子さんの『連』を取り上げましたけれども、この『パール・パーティ』も、真珠に魅せられた女性をテーマにしています。
海から生まれて、月の光で育ち、やがて、母貝の中から、光り輝く一粒として手にすることのできる宝石・真珠・・・。

宮尾さんも名香さんも、『バロック・パール』について取り上げていましたが、このバロック・・・形が、真円
でなく、いびつなのだけれど、柔かな虹色の光を放つ真珠として、本来の天然の真珠の形であろうかと思います。

私も、アメリカ人同様、真円の綺麗な形の揃ったネックレスの方が好きでしたが、某デパートの宝飾品売り場で、『バロック・パール』を見てからは、バロックも好きになりました。