昨日は、夕刻より、相方と映画。
随分とご無沙汰で、1ヶ月ぶりの相方でした。
(↑機動戦士ガンダムの安彦良和氏の筆によるイラスト版エルネスト)
1950年代後半から1960年代にかけての世界は、若者達による『革命』でした。
たった6人ではじめた革命は、キューバ政府に圧勝しました。
フィデル・カストロ、チェ・ゲバラ。
このふたりの30歳にも満たないリーダーにより、キューバの社会は変わりました。
そして、そのあとに続くべく・・・南米・ボリビアの日系2世のフレディ・マエムラ。
チェ・ゲバラ同様、医師を志し、革命を成し遂げたキューバの医大への進学を果たします。
映画は、南米・キューバのハバナの風景を美しく映し出します。
そんな中で、静かに、淡々とした描写で、物語は、進んでいきます。
断片的に、フレディが、『革命』へ向かう出来事が、あまり感情を伴うことなく・・・切り取られていくように。
私が考えているような南米の情熱、暑さ(物理的にも、精神的にも)は、この映画にはありません。
しかし、静かな仄蒼い情熱が、幽かに、滲みだしているかのようです。
そんな医学生のフレディを、淡々とした色彩で、演じるのがオダギリ・ジョーさん。
真面目で、友達もたくさん居て、正義感もあり、勉強も出来る優等生のボリビアの青年が、望んだものは・・・違う意味で、祖国のために、人の為になる道は、他にもあった筈・・・そう思わせてしまうほど。
世界大戦から15年。
もはや、戦後では無くなった60年代の煮えたぎった若者達のエネルギーは、社会を変える『革命』に向かい、 あっという間に世界中へ燃え広がりました。
フランスの5月革命、チェコのプラハの春、ベトナム反戦運動へと・・・テレビの映像が、媒体として、背景にあったのでしょう。
キューバで社会革命を成功させたカストロとゲバラは、一躍、世界の若者のカリスマ的存在になりますが・・・。
フレディの祖国ボリビアでの革命で、ゲバラもフレディも命を落します。
フレディのコード・ネームは、ゲバラと同じ『エルネスト』。
でも、フレディは、チェ・エルネスト・ゲバラになりたかったのではなく、祖国を革命によって変えることでした。
人びとが貧困にあえぐことなく、平等に医療が受けられる社会を目指したのです。
世界の警察、世界の正義だったアメリカは、暴走し、今は、腐り果てました。
戦争ビジネスが、巨利を産むことを、二度の大戦で、知り尽くしたアメリカは、中東、アジア、そして、南米に牙を向けてきたのでしょう。
ゲバラは、利用され、殺害されました。
殺害したのは、アメリカ(CIA)とボリビア政府軍でした。
ふたりのエルネストには、早すぎた死でもありました。