鼎子堂(Teishi-Do)

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映画:ジョーカー

2019-10-24 23:48:23 | 演劇・映画

くもりがち。

夕方から雨が降りだす。

 

本日は、朝から、相方の映画『ジョーカー』を鑑賞に。

 

映画『ジョーカー』予告編

 

ヒーローアクション『バットマン』最大の敵である『ジョーカー』が、『ジョーカー』になる迄の物語。

幼い頃のバットマン(ブルース)との初邂逅のシーンもありで・・・。

コメディアンを目指す心優しい青年アーサーの暮らす(架空の街)ゴッサム・シティは、貧富の差が激しく、街は、ゴミとネズミに溢れている・・・その街の一角に母親と暮らすアーサーは、貧しさの中、暴力と矛盾の中で、病んでいく。

薬の量も増え、訳もなく笑い出す病気と貧しさに悩まされながらも、希望を捨てずに生きていた・・・しかし・・・。

ひとつ歯車が狂いだし、狂気に満ちていく。

アーサーの止まらない笑いは、母親(義理母)のネグレクト、虐待によるものが、根幹にあるようで、本当の笑いではない・・・悲しい嗤いだ。

あまりにも、哀し過ぎる現実。

ニューヨークを彷彿とさせる摩天楼の街。

その中で、貧しいアーサーが、凶悪なジョーカーへ変貌を遂げる序曲である。

やり切れない哀しみ、怒り、(母親の妄想による)嘘、踏みつけにされた自尊心で、塗り固められている・・・その素顔の上に残酷で凶悪なピエロの仮面をつけるアーサーがいる。

彼を救える人間は、たぶんこの世にはいない・・・。


そして、そんなアーサー(ジョーカー)の対極にある富める正義が・・・たぶん、ブルース(バットマン)なんだろう・・・。

 

見ていて辛くなる映画でもあった。

ジョーカーの嗤いは、血の叫びのようだ。

人を幸せにする笑いではなくて、凍り付くような心の叫びのような・・・ジョーカーの嗤い・・・。