鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

初冬の音

2022-12-01 23:01:23 | 自然・気象

終日、冷たい雨降ったり、止んだり。

 

午前9時になっても、あたりは薄暗くて、まだ夜明けなんじゃないか・・・と思わせるような師走の始まりの日。

寒いので、終日、床の中。

今日も、何もしないで、終わってしまった・・・。

 

午(ひる)前から、パラパラっと音がしたので、外を見ると、冷たい雨と、落ち葉の散る音が合わさって、薄暗い灰色の空間が、なんだか、幻想のように思えてきて、ふと・・・たぶん、こんな日・・・私は、好きだったんだよね。

北極圏に近い北欧などでは、終日、太陽が地平線からのぼらぬ極夜を迎えるであろうし、灰色の空から、雪など舞い落ちて来そうな冬のはじまり。

そう・・・たぶん・・・私は、こんな日が好きだったんだよね。

だから、今日は、師走の初日だけれど・・・身体を横にして、本でも読もう。

朝、少しだけ残しておいた冷めた珈琲に、純ココアパウダーとメープルシロップを少し、ミルクを加えて温める。

コレを作るために、珈琲を残しておいたんだもの。

 

そう・・・こんな日は、読みかけたまま、数か月経ってしまったけれど・・・。

ルシア・ベルリンの短編集。

 

ミルクココアの温かみのある色は、冬色。

昔、買っていた犬の色(・・・と記憶していたけれど、本当は、どっちかって言えば、麦わらの色だったんだ)。

 

割れてしまった大振りの・・・冬景色のマグカップ。

 

雨のパラパラ・・・凍ったような音は、落ち葉に当たる音、落ち葉の散るカサカサ・・・。パラパラ・・・。

居なくなった白猫の・・・夜中にカサカサと落ち葉を踏む音。

舞い落ちる落ち葉を追いかけて、まるで、ステップを踏むように、軽やかに歩く水色の瞳の白猫。

 

終日暗い、我が部屋で。

冬の訪れを音と本で、楽しむ・・・。

 

そう。たぶん・・・こんな灰色のような冬の日を、私はすごく愛していたんだ・・・。

この終日暗い、部屋で、過ごす初冬は、これが最後。