友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

ひとり暮らしの淋しさを知らされた

2024年07月04日 17時36分31秒 | Weblog

 カミさんが「(スーパーで)美味しそうなパンを安く売ってたのよ」と、袋詰めのパンを見せる。「今晩はパンにするから、赤ワインね」と、ニッコリ笑ってジムへ出かけて行った。私は「うん、いいねえ」と、答えて見送る。

 妻が先に逝って、3年になる先輩がいる。どんな夫婦だったのか知らないが、カミさんが亡くなってから先輩は元気になった。生前はいろいろと細かなことまで、注意され指示されていたのかも知れない。

 ただ、気になるのは喫茶店などで、みんなで話しているのに女性のグループを見つけると、席を立って女性群の方に行ってしまうことだ。どこに居ても、何をしていても、すぐに女性に近づき話しかける。

 悪い人では無いから、女性たちも嫌がらないが、近所の女性宅にまで出かけて行き、「やることがあれば言ってくれ」と頼んでいると言う。それで、ひとり暮らしを心配した息子の嫁が家に来て、あれこれと世話をしてくれる。

 先輩は、嫁の肩を揉んでやろうとして、「お父さん、止めてください」と拒否され、「お礼のつもりだったのに」と嘆いていた。「肩だけでなく、腕も、脚も揉んでやりたかった」と言うが、自分が触りたかったに違いない。

 80代の男性が60代の女性の身体に抱きつき、逮捕されたニュースがあった。勃起しない身体であっても、欲望だけは健在なんだと思った。私の中学の時の同級生の女性が、ヘルパーをしていた時に、「やたらと触ってくる人がいるのよ」と話していたことを思い出した。

 「シルバーの健康体操なんか止めて、抱きつき合い体操でもあったらいいのに」と真面目な顔で言う。「そんなに淋しいですか?」と訊くと、「淋しいよ」と本気で言う。高齢者のひとり暮らしの淋しさを知らされた。

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