友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

雪になるのだろうか

2011年12月16日 19時05分20秒 | Weblog

 昨夜から猛烈な風が吹いている。昼間は途切れていた風が夕方からまた強くなった。昼過ぎも、太陽が出ていたと思ったら急に西が真っ暗になり、雨なのか霙なのかがどっと降ってきた。朝方会った人に、「今日は寒くなりそうですね」と挨拶すると、「雪になるかも知れませんけど、冬はこんなものじゃーないですか」と言われてしまった。確かにこれまでが暖かすぎたから、急な寒さが身に応えるのだろう。風が強い。我が家から伊吹山が見えるけれど、その北の辺りから黒雲がどんどん広がってくる。冬の雪雲だ。その様子を見ていると恐ろしいほどの景色なのになぜかワクワクもする。

 

 子どもの頃、伊吹おろしは冷たくて身震いしたが、あれは着る物が貧しかったからなのだろうか。子どもたちの中には冬でも素足の子がいたし、毛糸のセーターのない子もいたように思う。家の中で暖をとるといっても火鉢があればいい方だった。昭和30年代になる頃、小学校の高学年の頃だと思う。友だちの家には電気ストーブがあったし、蓄音機もあった。次第に生活が豊になっていくのだが、その差は大きかった。トヨタの城下町だったから、争議も度々あった。我が家の斜向かいにトヨタの重役の家があり、赤い鉢巻の労働組合の人たちがその家を取り囲んでいたこともあった。

 

 私が家庭を持つ頃は、みんなの家にテレビがあり、暖房器具があり、そこそこに暮らしていられた。国民の多くが自分は中流と感じられる時代だった。労働争議は下火になり、学生運動は見られなくなった。今では政党や組合が主催するようなデモはなくなり、普通の主婦や若者がインターネットの呼びかけで、脱原発を訴える行進をしている。その一方で、父親が1歳のわが子をマンションの10階から投げ落としたり、派手な生活を維持するためなのか連続殺人を犯した人もいる。毎年3万人が自らの命を絶つ社会はどこかが狂っている。

 

 昨日のテレビで、アメリカのオバマ大統領がイラク戦争の終結を宣言していた。勝手に人殺しをしておいて終結宣言とはなんと恐ろしい国だ。大量破壊兵器は存在しなかったのだから、攻撃の目的はなかったのに、そのまま居座り続けた。命令でイラクに派兵された若者はどんな思いで留まっていたのだろう。フセインを捕らえた後もアメリカ軍は撤退しなかった。オバマ大統領は「お帰りなさい」と兵士に語ったけれど、「申し訳なかった」とは言わなかった。あくまでも対テロとの戦いであり、正当な行為と思っているからだ。最前線ではなく、暖かな湯水がたっぷり使える場所にいる人には結局何も見えないのだ。

 

 豊かな暮らしをしていると、苦しかったことを思い出すことなどない。いや思い出したくない。ニューヨークのウォール街で、「99%が貧しくて働く場もないのに、1%はぬくぬくと暮らしているのは不公平だ」と叫んでいた人たちはどうしているのだろう。アラブ諸国で起きたデモも同じ内容だったが、国の形を変えるほどだった。アメリカやヨーロッパのような先進国では無力なのだろうか。ロシアではプーチン体制が揺るぎ始めている。長期政権は受け入れられなくなった。中国も例外ではないだろう。外はまだ強い風が吹きつけている。雪になるのだろうか。

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