昨日の演劇で、「人生には3つの坂がある。何だかわかるか?」というセリフがあった。こういう言葉遊びは好きなので、思わず考えてしまった。「上り坂、下り坂」と、問われた側の役者が答える。「もう1つは?」と言われて考え込む。
「マサカ」が出てくる。マサカは坂ではないから、まさか?であるが、東北大震災が演劇のテーマだから、重要な言葉だった。漢字で書けば、「真逆」となるようなので納得できる。パソコンで打つと、「真坂」と出てくるが、どういう坂なのだろう。
「人生、山あり谷あり」ならば、誰もが実感できる。良い時もあれば悪い時もあるからだ。けれど、「真っ逆さま」となると愕然としてしまう。東北大震災を体験した人々にとって、確かに3つ目の坂は余りにも酷かった。それでも前を向いて生きていく姿に打たれた。
人はどうしても断定しがちになる。生まれた家柄とか環境とかで、人の価値まで決めてしまう。キリストも釈迦も、人は何度でも変わることが出来ると説いた。自分が気付けば、そこから変わろうと努力する。「あの人はダメだ」と決めつける前に、自分を見つめることだと思う。
「イジワルする人がいる」と聞いたが、私はそういう人は知らない。「気配りが出来ない人」はいるし、自己中心の人もいるが、わざわざイジワルする人が本当にいるだろうか。その人はきっと、係り合いが欲しいのに上手く表現が出来ないのだろう。
世の中に、悪人で生まれてくる人はいないと思う。人生の3つの坂で、知らず知らずのうちに、追い込まれて、悪人になってしまったのだろう。誰かが手を差し出せば、悲劇にはならなかったかも知れない。「まさか、ねえー」と嘆く前に、誰かのために何かをしてあげられる人でありたい。
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