【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

Facebook「華文俳句社」 〜【俳句界】2022.9月号〜

2022年08月25日 00時50分28秒 | 月刊誌「俳句界」
俳句大学国際俳句学部!
 
☆Facebook「華文俳句社」☆
〜【俳句界】2022.9月号〜
 
◆2022年『俳句界』9月号が発行されました。
◆華文圏に俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載しています。
◆どうぞご理解とご支援をお願いします。
 
俳句大學國際俳句學部的通知!
~Facebook 「華文俳句社」Kabun Haiku 2022・9〜
◆2022年『俳句界』9月號已出版。
◆於華文圏提倡包含俳句的基礎「一個切」和「兩項對照組合」的二行俳句。
◆請各位多多支持指教。
 
華文俳句【俳句界】2022,9月号
永田満徳選評・洪郁芬選訳
民宿的八腳紅眠床
蚊帳
慢鵝
〔永田満徳評論〕
「紅眠床」象徵使用者的社會地位,漢式的紅眠床以中國傳統圖案裝飾。台灣現在幾乎都是洋式的床具,但是在清治時期和日治前期,紅眠床還被製作並且被使用。台灣的蚊子多且大,蚊帳可以說是日常的必需品。這首俳句以蚊帳和高級紅眠床的兩項對照組合,氣韻生動的描繪台灣的在地生活。
蚊帳を吊る民宿の部屋紅眠床
慢鵝
〔永田満徳評〕
「紅眠床」は使用者の社会的地位を示し、漢式期の紅眠床には中国の伝統的紋様が施されている。現在は洋式ベッドが主要な寝台家具になっているが、清中期から日領前期は紅眠床の制作がなされていた。大きく、多い台湾の蚊の対策として必需品とも言える「蚊帳」と高級な「紅眠床」とを取り合わせることによって、台湾の生活の特色を浮き彫りにしている。
迎城隍人看人
亂彈
胡同
〔永田満徳評論〕
「迎城隍」是迎接守護城市的城隍神的儀式。「人看人」、「亂彈」是指參觀的人觀看參加的人,然後接下來人們演變成觀看京劇中的歌舞「亂彈」。台北有俗諺:「五月十三人看人」,就是描寫大稻埕「霞海城隍廟」的盛況。此俳句將台灣的重要祭典描繪得栩栩如生。
迎城隍人は人見て乱弾す
胡同
〔永田満徳評〕
「迎城隍」は都市を守る神である城隍神(じょうこうしん)を迎える儀式。「人は人見て乱弾す」とは見物人が参加している人の数を見て、のちに京劇に発展する「乱弾」という歌や踊りを始めるということである。台北では「5月13日は人を見る」ということわざがあるほどの大盛況ぶりを描写することによって、台湾の重要なイベントの特徴を表現している。
愛玉
鄒族爬樹高手
穆仙弦
〔永田満徳評論〕
「鄒族」是台灣原住民的一個族群。日語稱為愛玉子,是藤本植物,常纏繞於岩石或樹木上,果實可用來製作果凍狀的點心。鄒族的故鄉為神木所在地的檜木森林,遍地皆是原始的自然秘境。作者對焦在「爬樹高手」,並與台灣特有的「愛玉」冰點搭配,勾勒出原住民文化的特有生態景觀。
雛族の木登りの名手愛玉子
穆仙弦
〔永田満徳評〕
「鄒族(ツォウ)」は台湾の先住民族の一つ。日本語では愛玉子と呼ぶ、つる性植物の「愛玉」はその果実からゼリー状デザートが作られる。鄒族の里は神木と称されるヒノキの林があり、自然のままの景色が広がる秘境である。「木登りの名手」に焦点を当て、台湾の定番スイーツ「愛玉子」と取り合わせることで、先住民の文化や希少な生態を描き出している。
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〜季語で一句 33 〜 『くまがわ春秋』8月号

2022年08月01日 00時57分04秒 | 月刊誌「俳句界」
俳句大学投句欄よりお知らせ!
 
〜季語で一句 33 〜
 
◆『くまがわ春秋』8月号が発行されました。
◆Facebook「俳句大学投句欄」で、毎週の週末に募集しているページからの転載です。
◆お求めは下記までご連絡下さい。
・info@hitoyoshi.co.jp 
 ☎ 0966-23-3759
 
永田満徳:選評・野島正則:季語説明
季語で一句(R4.8月号)
 
水無月(みなづき)   「夏-時候」
大工原一彦
水無月や聴診器から水の音
【永田満徳評】
「水無月」をここでは水が無いから「水無月」だとする説を採ってみる。診察室の情景だろう。暑いさなかに「聴診器から水の音」が聞こえているという。「水無月」にふさわしい涼やかな診察風景を捉えている。
【季語の説明】
旧暦六月の異称。「無(な)」が「の」にあたり、「水の月」である説や田に水を引く時期で「水無月」という説など。本格的な暑さとなり、農家では稲の生育を待つばかりの農閑期となる。酷暑にあえぎながらも、夕立が起こり、涼しさに秋の気配を覚える時期でもある。青葉の茂る時期なので「青水無月」としても詠まれる。
 
蚊(か)         「夏-動物」
西村楊子
蚊の羽音止みて刺さるる覚悟かな
【永田満徳評】
「蚊の声」は蚊の羽音。蚊に刺されると、かゆいので、嫌われる虫のひとつ。「蚊の羽音」がしているうちはいいが、しばらくすると、止む。刺されるかもしれない瞬間を「覚悟」という言葉で言い留めている。
【季語の説明】
「蚊」はハエ目に属する昆虫。世界に存在し、うち日本は100種程度である。ヒトなどから血液を吸う吸血動物であり、種によっては各種の病気を媒介する衛生害虫。夜分出ることが多いが、藪蚊などは昼も出る。蚊帳を吊ったり、蚊遣火を焚いたりして、蚊が近づくことを防ぐ。一団になって飛んでいることを「蚊柱」という。
 
黴(かび)        「夏-動物」
大津留直
黴臭き聖書繙き懺悔する
【永田満徳評】
「黴」は「古くなる」などの意味があるが、有益な種類の黴もある。「聖書」であればこそ、古くなって、黴臭くなればなるほど価値が出てくる。「懺悔する」ことで、キリスト教を大切しようとしているところがいい。
【季語の説明】
「黴」は梅雨時の高温多湿化で生育するものが多いため、夏の季語となる。黴が発生しやすい4大条件は、温度、湿度、酸素、栄養で、ホコリや食べカス、皮脂や垢などの栄養分が揃えば、どんな場所でも繁殖する。梅雨の季節を象徴するが、味噌醤油を製造する麹黴やペニシリンを作る黴など、有益なものもある。
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Facebook「華文俳句社」 〜【俳句界】2022.8月号〜

2022年07月27日 01時18分22秒 | 月刊誌「俳句界」
俳句大学国際俳句学部!
 
Facebook「華文俳句社」
〜【俳句界】2022.8月号〜
 
◆2022年『俳句界』8月号が発行されました。
◆華文圏に俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載しています。
◆どうぞご理解とご支援をお願いします。
 
俳句大學國際俳句學部的通知!
~Facebook 「華文俳句社」Kabun Haiku 2022・8〜
◆2022年『俳句界』8月號已出版。
◆於華文圏提倡包含俳句的基礎「一個切」和「兩項對照組合」的二行俳句。
◆請各位多多支持指教。
 
華文俳句【俳句界】2022,8月号
永田満徳選評・洪郁芬選訳
 
翻臉無情的臉友
查某雨
明月
〔永田満徳評論〕
「查某」是台灣閩南語的「女人」。「查某雨」指啓蟄至啓蟄後四十九日之間的雨,是台灣季語,形容女人的心情般善變的雨,又稱陰陽雨。臉書上的交友可以很輕鬆,似乎有了衝突,便可以馬上解除朋友關係。以季語「查某雨」為兩項對照組合的這首俳句,正是形容當今社會輕薄,善變的現代風俗。
友変はるフェイスブックや查某雨
明月
〔永田満徳評〕
「查某」は閩南語(台湾の方言)で「女」のことである。「查某雨(ツアーボオホオ)」は啓蟄から49日の間に起こる、台湾の季語で、女のようにお天気屋のような雨、日照り雨のこと。「フェイスブック」では手軽に友達になり、仲違いをすれば、簡単に友達を解除する。「查某雨」と取り合せることによって、軽薄な現代の風俗をうまく切り取っている。
啟開陳年老甕
涼風
鄭如絜
〔永田満徳評論〕
「陳年老甕」指長久時間貯藏釀酒的罈子。華語「陳年」有「古老」,「日經月累」等意義。「陳年五年」便是指貯藏五年的意思。這裡的「酒」可能是紹興酒,釀存於老甕,愈陳愈香醇。俳句的場景或許是與同好的飲酒聚會。在涼風吹拂中,一同享受剛啟開的老酒,真是人生一大樂事!
涼風や古き酒甕開きたる
鄭如絜
〔永田満徳評〕
「陳年老甕」とは、長い年月を経た酒の甕。「陳年」とは中国語で「古い」「長い年月を経た」といった意味で、陳年5年は熟成期間が5年ということになる。「酒」は紹興酒のこと、「甕」で貯蔵し、長く熟成させるほどいい紹興酒ができあがる。利き酒会の場面であろうか。「涼風」の吹き渡るなか、蔵出しのお酒を楽しんでいるところがいい。
仰聽七星潭夜潮
夏北斗
胡同
〔永田満徳評論〕
「七星潭」是台灣花蓮縣的礫石海灘,位於台灣東海岸,是俯瞰美麗鈷藍色大海的旅遊勝地。夜晚時,幾乎感受不到光害。滿天星斗鋪張開來,可觀測星座,可仰天遐思。生動清晰的「夏北斗」和輕輕湧動的「夜潮」聲,場景無限遼闊,視覺和聽覺的描繪使海灘的美景脫穎而出。
夏北斗七星潭で聞く夜潮
胡同
〔永田満徳評〕
「七星潭」は台湾の花蓮県にある礫石の海辺。台湾東海岸に位置しており、コバルトブルーの綺麗な海を望む観光名所である。夜は夜で、ほとんど光害がなく、満天の星空が広がり、星空観察におすすめである。くっきりとした「夏北斗」と、やさしく打ち寄せる「夜潮」の音とを描き、視覚と聴覚によって、美しい海浜の一情景をよく浮き上がらせている。
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国際俳句〜Facebook「Haiku Column」〜【俳句界】2022年8月号

2022年07月25日 01時02分58秒 | 月刊誌「俳句界」
俳句大学国際俳句学部よりお知らせ【国際俳句の取り組み】!
 
〜Facebook「Haiku Column」【俳句界】2022年8月号〜
 
注目記事:『ウクライナ侵攻】(今月の秀句)
 
◆俳句総合誌『俳句界』2022年8月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕のHAIKUから選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」2019年1月号から毎月連載しています。
※ 2021年の『俳句界』10月号から、優秀な作品が揃って来ましたので、1ページ増えて、3ページに渡って掲載しました。
◆R 2・12月号から作者の国名を入れています。人種、国籍を問わず投句を受け入れていることから、その「人道主義的」スタンスが広く支持されています。
◆ 向瀬美音氏は日本語訳の改善に着手している。五七五の17音の和訳は、HAIKUをただ端に日本の俳句の五七五の17音にしただけではなく、原句のHAIKUの真価を再現するものであり、国際俳句の定型化に一歩近づくための有効な手立てであることを強調しておきたい。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「飢えた難民の/前に口元に差し出す/マイクロフォン一本」のような三行書きにしただけで散文的な国際俳句が大会大賞、或いはある国際俳句協会のコンクールで「古い振り子時計―/蜘蛛の巣だらけになっている/祖父のおとぎ話」のような切れがあっても三段切れで冗漫な国際俳句が特選を受賞しているように、三行書きの国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が参加し、500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。そして、6号を2020年12月に出版しました。また、2020年3月1日には「国際歳時記」の第1段として【春】、2022年6月には【冬・新年】を出版しました。「HAIKU」6号と「歳時記」春・冬・新年は原句の内容を損なうことなく五七五に訳出しています。
◆総合俳句雑誌「俳句界」2118年12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」が3頁に渡って書いています。
◆「華文俳句」に於いては、華文二行俳句コンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日にニ行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆ 二行俳句の個人句集では、洪郁芬氏が『渺光乃律』(2019、10)を〔華文俳句叢書1〕として、郭至卿氏が『凝光初現』(2019、10)を〔華文俳句叢書2〕として、次々に刊行している。さらに、全季節を網羅した「華文俳句歳事記」が2020年11月には刊行されて、これで季重なりの問題が解消されるでしょう。
◆さらに、2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載している。
◆『俳句界』2020年3月号の特別レポートにおいて、熊本大学で行われたラウンドテーブル「華文俳句の可能性」の報告が8頁に渡って掲載されました。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。
 
The August issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the August issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published.
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.
Août aout de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆L Août de aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.
 
永田満徳選評・向瀬美音選訳(仏・伊)・中野千秋訳(英)
 
【今月の秀句(monthly excellent Haikus)】  
(Facebook「Haiku Column」より)
 
Angela Giordano(Italy)
poppy -
macchie di sangue sulle mani dei combattenti
papaveri-
bloodstains on the fighters' hands
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
The daisy is an annual plant of the poppy family native to Europe. It is simply called poppy, including other poppy plants. With 'sleep' in the language of flowers, the 'poppies' clasped in the hands of Ukrainian war dead are a wish for repose in death. The contrast between the redness of the 'blood' and the whiteness of the 'poppies' appeals to the ruthlessness of the battlefield and is sympathetic.
アンジェラ ジオルダーノ(イタリア)
ポピー咲く戦士の手には血の汚れ 
〔永田満徳評〕
ヒナゲシはヨーロッパ原産のケシ科の一年草。他のケシ科の植物も含めて単にポピーという。花言葉に「眠り」があることから、ウクライナの戦死者の手に握りしめられた「ポピー」には死の安息への願いが込められている。「血」の赤さと「ポピー」の白さとを対比することによって、戦場の非情さを訴えていて、共感できる。
Patric Sompru(France)
vacances d’été
50,000 obus par jour
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
Les vacances d'été en Ukraine durent trois mois, de juin à août. Selon le ministère ukrainien de la défense, le 10 juin (heure locale), les troupes russes tiraient environ 60,000 obus et roquettes par jour. J'aime le fait que le film exprime fortement le sentiment anti-guerre en découpant le quotidien d'un enfant ukrainien, dont la vie est en danger, non pas le temps de vacances, mais pas un seul jour de tranquillité d'esprit.
パトリック ソンプル(フランス)
砲撃は一日五万夏休み 美音
〔永田満徳評〕
ウクライナの夏休みは6~8月の3ヶ月間。ウクライナ国防省の発表によると、6月10日(現地時間)、ロシア軍は1日約6万発の砲弾とロケットを撃っているという。休暇どころでなく、心休まる日は一日たりともない。命の危機にさらされているウクライナの子どもの日常を切り取って、反戦の気持を強く表しているところがいい。
Nuky Kristijno(Indonesia)
blue sky of Ukraine
children on wreck of a war tank
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
The number of Russian tanks destroyed since the start of the invasion of Ukraine is said to number in the hundreds. The scene is of children jumping on and off the wreckage of tanks left behind in a city reduced to rubble under a blue sky. By depicting the innocent play of a child who does not know the cruelty of war, this haiku captures the essence of war.
ナッキー クリスティジーノ(インドネシア)
ウクライナ破損戦車に子ども達 
〔永田満徳評〕
ウクライナ侵攻の開始以降、破壊されたロシア軍の戦車は数百台に上るという。あくまでも青い空のもと、瓦礫と化した街に取り残された戦車の残骸に子どもが飛び乗ったり、飛び降りたりしている情景であろう。戦争の残酷さを知らない子どもの無邪気な遊びを詠むことによって、かえって戦争の本質を捉えた句である。
 
【今月の季語(Kigo of this month】     
(Facebook「Haiku Column」より)
 
【 初夏 はつなつ hatsunatsu / beginning of summer / début de l’été 】
Mafizuddin Chowdhury(India)
beginning of summer
her old scooty with new tires
マフィズディン チュードハリ(インド)
スクーターのタイヤを替へて夏初め 
Olfa Kchouk Bouhadida(Tunisia)
début de l'été ~
toutes les peaux sont claires la plage
オルファ クチュク ブハディダ(チュニジア)
初夏や砂浜の肌皆白く   
【 夕凪 ゆうなぎ yuunagi / quiet evening sea / mer calme du soir 】
Ariani Yuhana(Indonesia)
quiet evening sea
fisherman' sons pick fishes from net
アリアニ ユハナ(インドネシア)
夕凪や魚網の魚を子が拾ふ  
Kim Olmtak Gomes(Holland)
quiet evening sea
grandmother rocking in her chair
キム オルムタック ゴメス(オランダ)
夕凪や揺り椅子に居るおばあちゃん  
【 ハンモック はんもっく hanmokku / hammock / hamac 】
Paul Callus(Marta)
lying on the hammock at night -
shooting stars show for free
ポール カルス(マルタ)
流星の無料のショーやハンモック  
Sylvie Theraulaz(France)
hamac -
les nuages bercés
シルビー テロラズ(フランス)
ハンモック雲に揺らされゐたりけり
【 螢 ほたる hotaru / firefly / luciole 】
Kim Olmtak Gomes(Holland)
luminescence in my heart
my eye catches a firefly
キム オルムタック ゴメス(オランダ)
ほうたるや心の中にある光 
Veronika Zora Novak(Canada)
even with my eyes closed...
fireflies
ヴェロニカ ゾラ ノヴァック(カナダ)
目を閉ぢて眼裏を舞ふ螢かな 
【 薔薇 ばら bara / rose / rose, rosier 】
Ariani Yuhana(Indonesia)
rose petals
seven months pregnant sister takes a bath
アリアニ ユハナ(インドネシア)
薔薇風呂へ入り妊娠七カ月  
Anna Rimondi(Italy)
resta soltanto l'impronta sul cuscino-
sboccia una rosa
アンナ リモンディ(イタリア)
枕辺の君の痕跡薔薇開く
【 青林檎 あおりんご aoringo / green apple / pomme verte 】
Rina Darsa(Indonesia)
green apple
a kiss on baby's cheek
リナ ダルサ(インドネシア)
青林檎赤子の頬にキスをして  
Francesco Palladino(Italy)
son rire
le son croustillant d'une pomme
フランシスコ パラディノ(イタリア)
青林檎齧りて君の笑まひかな 
【 紫陽花 あじさい ajisai / hydrangea / hortensia 】
Thuillier Françoise(France)
de ma naissance à sa mort ce ciel qu'elle portait –
cet hortensia
チュイリエ フランソワーズ(フランス)
今生の空持ち上ぐる濃紫陽花 
Iwan Setiawan(Indonesia)
blue hydrangea
when blue is blue
イワン セチワン(インドネシア)
青といふ青を極めて濃紫陽花  
【 ラベンダー らべんだー ravenda- / lavender / lavande 】
Angela Giordano(Italy)
grandma's house...
bunches of lavender inside the wardrobe
casa di nonna...
mazzetti di lavanda dentro l'armadio
アンジェラ ジオルダーノ(イタリア)
祖母の家ワードローブにラベンダー  
Anne-Marie Joubert-Gaillard(France)
lavande -
dans les draps parfumés sommeil du juste
アンヌ-マリー ジュベール-ガヤール(フランス)
香りたるシーツに眠るラベンダー
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〜Facebook「華文俳句社」〜 【俳句界】2022.7月号

2022年06月25日 01時09分49秒 | 月刊誌「俳句界」
俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!
 
〜Facebook「華文俳句社」〜
〜【俳句界】2022.7月号〜
 
◆2022年『俳句界』7月号が発行されました。
◆華文圏に俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆東北公益文科大学教授の呉衛峰氏、台湾詩人の洪郁芬氏を中心として、マレーシア詩人の趙紹球氏、台湾詩人の郭至卿氏の四人が2018年にFacebookグループ「華文俳句社」を立ち上げました。
◆2018年11月1日には、華文俳句社の四人による二行書きの華文俳句の合同句集『華文俳句選』(醸出版)が刊行されました。
◆ 二行俳句の個人句集では、洪郁芬氏が『渺光乃律』(2019、10)を〔華文俳句叢書1〕として、郭至卿氏が『凝光初現』(2019、10)を〔華文俳句叢書2〕として、次々に刊行しています。
※全季節を網羅した、世界的にも画期的な「歳事記」が2020年10月に発行されました。これで季重なりの問題が解消されるでしょう。
◆さらに、2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載しています。
◆2020年『俳句界』3月号の特別レポートにおいて、「熊本大学」で呉衛峰氏が行ったラウンドテーブル「華文俳句の可能性」の報告が8頁に渡って掲載されました。
◆どうぞご理解とご支援をお願いします。
 
俳句大學國際俳句學部的通知!
~Facebook 「華文俳句社」Kabun Haiku 2022・7〜
◆2022年『俳句界』7月號已出版。
◆於華文圏提倡包含俳句的基礎「一個切」和「兩項對照組合」的二行俳句。
◆2018年12月1日已出版華文俳句的合著,『華文俳句選』。
◆2020年『俳句界』3月號以八頁的篇幅特別報導了於「熊本大學」舉辦的「華文俳句の可能性」座談會。
◆請各位多多支持指教。
 
華文俳句【俳句界】2022,7月号 
永田満徳選評・洪郁芬選訳
 
互相畫眉的閨蜜
婦女節
丁口
〔永田満徳評論〕
三月八日是國際婦女節。是日,華語圈的商家會實施女性商品的優惠特賣,社區或國家會舉辦適合婦女參加的盛大活動,使女性成為矚目的焦點。唐朝古風的妝髮和服飾在台灣一直受到歡迎。畫眉作為閨中密友的鐵證,俳句中的兩人相互畫眉,一齊分享同為女性的喜悅。
婦女の日や互ひに眉を描く友
丁口
〔永田満徳評〕
3月8日は「婦女の日(国際女性デー)」。中国圏では女性にお得な商品を購入できるキャンペーンや女性向けの大々的なイベントが行われ、女性が主役になれる特別な日。台湾では唐代のメイクが人気を集めているという。ごく親しい友どうしの証として、「眉」を描き、化粧し合うことで、女性であることを満喫している姿がよく捉えられている。
九十老奶奶親縫金縷鞋
媽祖生
ylohps
〔永田満徳評論〕
「媽祖生」是台灣的季語,意謂媽祖的誕辰。台灣基本上屬於儒教文化,相當重視高齡者。家族成員之間的關係非常緊密,傳統的大家族常見親子三代,或是四代一同定居的情形。祝賀家族長老之「耄耋壽」,奉贈一雙親手縫紉金絲的「金縷鞋」。此俳句充分展現人民尊老愛老敬老的風氣。
媽祖誕や卒寿祝ひに金縷靴
Ylohps
〔永田満徳評〕
「媽祖誕」は台湾の季語で、媽祖(まそ)の誕生日のこと。台湾は基本的には”儒家文化”で、高齢者を大事にしている。家族の絆が非常に強く、伝統的に大家族で親子三代、四代が一緒に生活することが珍しくない。「卒寿」のお祝にきわめて豪華な、金の糸で織った靴「金縷靴」をプレゼントしたのである。敬老の意識が高いことを示す句である。
救國團溪阿縱走活動
一葉蘭
鄭如絜
〔永田満徳評論〕
「一葉蘭」是多年生的草本植物,常見於阿里山等地區。「溪阿縱走」是台灣熱門的健行路線,沿線有林道、森林、鐵道、車站等景觀。「救國團」為中國青年救國團,最初的名稱為中國青年反共救國團。搭配「一葉蘭」的兩項對照組合,眼前彷彿出現那受過嚴格訓練的青年身姿,穿越在綿延的山脊之上。
一葉蘭溪阿縦走の救国団
鄭如絜
〔永田満徳評〕
「一葉蘭」はラン科の多年草で、阿里山などで見られる。「溪阿(けいあ)縱走」は台湾の人気のハイキングルートで、林道、鉄道、駅などがある。「救国団」は中国青年救国団で、前身は中国青年反共救国団。高山植物の「一葉蘭」と取合せることによって、険しい尾根を「縦走」し、厳しい鍛錬にいそしむ若者たちの姿がよく浮き彫りにされている。
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