【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

〜 季語で一句 60 〜   ◆2024年『くまがわ春秋』11月号(第104号)◆

2024年11月06日 16時10分22秒 | 月刊誌「くまがわ春秋」

俳句大学投句欄よりお知らせ!

〜 季語で一句 60 〜
 
◆2024年『くまがわ春秋』11月号(第104号)が発行されました。
◆Facebook「俳句大学投句欄」で、毎週の週末に募集しているページからの転載です。

◆お求めは下記までご連絡下さい。
 ・info@hitoyoshi.co.jp 
 ☎ 0966-23-3759

永田満徳:選評・野島正則:季語説明

季語で一句(R6.11月号)
 
秋の日(あきのひ)       「秋―天文」
 
森川雅美

死亡事故現場看板秋入日
【永田満徳評】
「秋日」は「秋入日」のことで、「看板」に日差しがスポットライトように当たっている情景。「死亡事故現場」であるがゆえに、日差しがまぶしいのである。陰影もくっきり見える「秋入日」の特徴を詠んでいる。
【季語の説明】
「秋の日」は秋の日の光であり、秋の一日でもある。まぶしく美しい秋の太陽、その日差し。ことに秋の入り日は美しく華やかである。近年では秋といえども秋の太陽は残暑をもたらす。しかし、しだいに秋らしく、爽やかになり、晩秋には日差しも衰える。冬が近づくころには「釣瓶落し」と言われるように、一気に暮れる。
 
 
小鳥(ことり)           「秋―動物」
 
岩永静代

小鳥来る古地図にここは森であり  
【永田満徳評】
「古地図」と言えば、近代地図などを含めて良い。まだ森林開発が進んでいない江戸時代以前の「古地図」であろう。「古地図」を見ながら、現代の乏しくなった「小鳥来る」頃の森の佇まいを思いやっている。
【季語の説明】
俳句で「小鳥」といえば、秋、日本に飛来する小鳥、また留鳥のカラ類など山地から平地に下りてくる小鳥のこと。遠くに出かけなくても、身近にたくさんの野鳥を見つけることができる。具体的には尉鶲、連雀、花鶏、鶸、鶫などが含まれる。庭木に来る小鳥は可憐であり、小鳥が飛び交う景はいかにも秋らしい。

 

栗(くり)            「秋-植物」

檜鼻幹雄

丹波栗大字小字の住所録
【永田満徳評】
「丹波栗」は古来、丹波の名産として知られ、丹波地方から産する実の大きな栗である。「大字小字」の多い山間部の「住所録」を拡げて、気候と風土に恵まれている「丹波栗」の産地の豊かさを思っているのである。
【季語の説明】
「栗」はブナ科の落葉高木の実。栗の皮だと思われている表面の皮(鬼皮)が他の果物の果肉にあたる部分。鬼皮だけむいた渋皮つきのものが種である。実は中の胚乳を焼いたり茹でたりして食べる。硬く光沢のある外皮や渋皮を剥き、栗飯などの料理に使うほか菓子の原料にもする。丹波栗など大粒種もある。


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