【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

☆ 第5回 俳句大学三賞発表 ☆

2023年02月27日 08時06分03秒 | 俳句大学

☆ 第5回 俳句大学三賞発表 ☆

【第5回 俳句大学大賞】
抜井諒一『金色』(角川文化振興財団)令和3年8月

※彗星の如く俳壇に現れた抜井諒一氏は群馬県生まれ。私と同郷である。彼の師山本素竹氏とも旧知の仲だ。抜井氏の才能は、山本氏の「自然凝視による直感の発露」を旨とする俳句の薫陶によって開花したと言ってよもい。本句集は、抜井氏の感性の煌めきを感じつつ、彼の作品の魅力を余す所なく味わえる一書である。(木暮陶句郎)

「第5回 俳句大学大賞准賞」
金子敦『シーグラス』(ふらんす堂)令和3年4月

※ 金子敦さんの『シーグラス』は、小さなもの、役割を終えたもの、人が注目しないものに作者の細やかな視線がそそがれている句集である。伝えたいことをそのようなモノに託し、表現を抑制する書き方によって、読み手とつながろうとする。そんな金子さんの静かな息づかいを聴き取ることができる。(岡田耕治)

選考委員 : 岡田耕治 (大阪教育大学特任教授・「香天」代表) 、木暮陶句郎 (「ひろそ火」主宰) 、五島高資 (俳句大学副学長) 、斎藤信義 (「俳句寺子屋」主宰) 、仲寒蟬(「牧」代表)、永田満徳 (俳句大学学長)

 

【第5回 俳句大学新人賞】
該当者なし
「第5回俳句大学新人賞准賞」
 「手花火」大工原一彦

※「手花火の果てて宇宙の戻りけり」が最初に目に飛び込んできた。花火が終われば暗闇が戻るが、それを宇宙と表現されたのが面白い。「盆帰省歯ブラシ立てに空きふたつ」のような目の前の現実を切り取られた句には実感が伴う。現代的な対象物をカタカナで詠んでいくのは減らす方がいいが、どれも今のご自身の置かれた環境をありありと描いている。(辻村麻乃)

選考委員 : 大高翔 (「藍花」副主宰) 、五島高資、仙田洋子(「天為」同人)、辻村麻乃 (「篠」主宰) 、永田満徳、松野苑子(「街」同人会長)
 


【第5回 俳句大学評論賞】
該当者なし

選考委員 : 井上泰至 (防衛大学校教授) 、加藤直克(自治医科大学名誉教授)、五島高資、永田満徳

 


【選考資料】
「第5回俳句大学大賞候補」

【岡田耕治】
永田満徳『肥後の城』(文學の森)令和3年9月
塩見恵介『隣の駅が見える駅』(朔出版)令和3年5月
金子敦『シーグラス』(ふらんす堂)令和3年4月


【木暮陶句郎】
抜井諒一『金色』(角川文化振興財団)令和3年8月
西宮舞『鼓動』(ふらんす堂)令和3年2月
若井新一『風雪』(角川文化振興財団)令和3年5月

【五島高資】
永田満徳『肥後の城』(文學の森)令和3年9月
松本龍子『龗神』(現代俳句協会)令和3年5月
成田一子『トマトの花』(朔出版)令和3年10月

【斎藤信義】
遠藤由樹子『寝息と梟』(朔出版)令和3年5月
岩岡中正『文事』(朔出版)令和3年10月
井上弘美『夜須礼』(角川文化振興財団)令和3年4月

【仲寒蟬】
抜井諒一『金色』(角川文化振興財団)令和3年8月
佐藤文香『菊は雪』(左右社)令和3年6月
塩見恵介『隣の駅が見える駅』(朔出版)令和3年5月

【永田満徳】
金子敦『シーグラス』(ふらんす堂)令和3年4月
涌羅由美『音色』(ふらんす堂)令和3年3月
遠藤由樹子『寝息と梟』(朔出版)令和3年5月

※『肥後の城』は選考委員の句集のために、選考の対象から外します。よって、順位は繰り上げとなります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆ 第4回 俳句大学三賞発表 ☆

2021年12月01日 01時06分27秒 | 俳句大学

☆ 第4回 俳句大学三賞発表 ☆

 

【第4回 俳句大学大賞】

篠崎央子『火の貌』

(ふらんす堂)令和2年8月

 

※全般的に俳句的な目が確かで、血族や血に関する民俗学的、神話的な世界をベースに、スケールが大きく、大胆で、自在な発想が魅力である。眩しすぎるほどの発想は天性のものであると言ってよく、しかも、俳味があって、読み応えのある句が揃う。(永田満徳)

 

「第4回 俳句大学大賞准賞」

川越歌澄『キリンは森へ』

   (俳句アトラス)令和2年6月

 

※ 文學の森主催の第1回「北斗賞」の選考委員として、川越歌澄を「俳句の骨法をきちんと踏まえた上で決して気負わず、しかも独自の世界が展開されている。」として強く推薦した。今回の『キリンは森へ』では、川越歌澄という個人的、さらには集合的無意識を介して、高い詩境の展開を見せている。(五島高資)

 

選考委員 : 岡田耕治 (大阪教育大学特任教授・「香天」代表) 、木暮陶句郎 (「ひろそ火」主宰) 、五島高資 (俳句大学副学長) 、斎藤信義 (「俳句寺子屋」主宰) 、仲寒蟬(「牧」代表)、永田満徳 (俳句大学学長)

 

【第4回 俳句大学新人賞】

該当者なし

 

選考委員 : 大高翔 (「藍花」副主宰) 、五島高資、仙田洋子(「天為」同人)、辻村麻乃 (「篠」主宰) 、永田満徳、松野苑子(「街」同人会長)

 

【第4回 俳句大学評論賞】

該当者なし

 

「第4回 俳句大学評論特別賞」

〔国際部門〕

Anikó Papp

【季語の研究】「風」の名前に季節感

 

※「俳句大学評論賞」に毎回応募し、その熱心さには脱帽に価する。受賞作品は、ハンガリー在住ながら、日本の春夏秋冬の季語を例に挙げながら、季節によって表現の仕方が変わっていくこと、また、例えば「風」でも、それぞれの季節によって、「風」の印象が違い、季節の特色があることを究明しているところが評価できる。(永田満徳)

 

選考委員 : 井上泰至 (防衛大学校教授) 、加藤直克(自治医科大学名誉教授)、五島高資、永田満徳

 

 

【選考資料】

 

「第5回俳句大学大賞候補」

 

【岡田耕治】

渡辺誠一郎『赫赫』(深夜叢書社)令和2年10月

「ふくしまの大根一本ふりまわす」

など、静謐な秀句が収められている。

田 彰子『田さん』(ふらんす堂)令和2年7月

「旅に出てザボンのように眠りたし」

など、独自の境地を切り開いた。

豊里友行『宇宙の音符』(沖縄書房)令和2年9月

「オリオンの火種をもらうウイルスよ」

など、現実を捉える大きな眼差しが光る句集。

 

【木暮陶句郎】

藤本美和子『冬泉』(角川書店)令和2年9月

名取里美『森の螢』(角川書店)令和2年11月

篠崎央子『火の貌』(ふらんす堂)令和2年8月

 

 

【五島高資】

鴇田智哉『エレメンツ』(素粒社)令和2年11月

朝吹英和『光陰の矢』(ふらんす堂)令和2年11月

川越歌澄『キリンは森へ』 (俳句アトラス)令和2年6月

 

 

【斎藤信義】

小池康生『奎星』(飯塚書店刊)令和2年10月

川越歌澄『キリンは森へ』 (俳句アトラス)令和2年6月

菅敦『仮寓』(書肆アルス)令和2年8月

 

 

【仲寒蟬】

太田うさぎ『また明日』(左右社)令和2年5月

篠崎央子『火の貌』(ふらんす堂)令和2年8月

 

 

【永田満徳】

篠崎央子『火の貌』(ふらんす堂)令和2年8月

三島広志『天職』(角川書店)令和2年2月

青島玄武『優しき樹』(文學の森)令和2年3月

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

機関誌『俳句大学』第6号

2021年06月28日 13時39分48秒 | 俳句大学

機関誌『俳句大学』第6号

巻頭言

俳句大学学長  永田満徳

現代は、インターネットの普及によって海外でのHAIKU作家との交流が格段に増えてきた。主にSNSを介したリアルタイムな交流も盛んになってきており、日本の俳句の原理への関心も非常に高くなっている。そこで、「俳句は何か」という、自明の問いを改めて考えてみたい。

本学の五島高資は一早く、俳句の本質である「切れ」に注目し、「俳句の詩的構造である『切れ』をまずHAIKUの必要条件とすべきである」と述べている。これは誰も異論のないことであろう。ただ、「切れ」があっても、「取り合わせ」でないことである。例えば、「大蛍ゆらりゆらりと通りけり 一茶」や、切れ字のある「白藤や揺りやみしかばうすみどり 芝不器男」のように、切れ、或いは切れ字のある一物仕立ての二句一章はその内容から言って、二句があまり断絶していず、句意が一句一章とは大差がない。しかし、切れ(切れ字)があることによって、空間をもたらし、想像の余地を与え、余韻を残す。これが「切れ(切れ字)」の最大の効用である。HAIKUにおいて、二行俳句を推進しているのは、「KIRE(切れ)」を明確にするためで、KIREのない、単なる散文詩的なHAIKUの是正を図っている。

さらに、五島高資は「五七五(四拍子)定型という韻律は日本語の構造に特有なものであり、外国語の俳句(HAIKU)において5-7-5シラブルを適用するのは無意味である」と述べている。俳句の場合はどうかというと、「初蝶の遠きところを過ぎつつあり 山口誓子」という句のように、切れのない、一句一章の句を〈俳句〉と言えるのはひとえに定型であるからである。それほど「定型」は必要不可欠である。私が自由律を俳句と認めないのはこの定型の強固さを定型のないHAIKUによって思い知らされたからである。

 ところで、HAIKU連載中の『俳句界』において、「俳句は『切れ』を基本として、主に『季語』が重要な役割を持つ短詩型文芸である。」という標語で、より強く「KIGO(季語)」を取り入れたHAIKUを提唱している。Mohammad Azim Khanの「sunny spot/the push of a wheelchair」 というHAIKUを例にして、sunny spotに(in winter)を補ってみたらどうだろう。「車椅子」を「陽だまり」の中に押し出し、少しでも温まってほしいという気持ちは「冬」の季節でなければ伝わらない。それほど「KIGO(季語)」の喚起力は強いのである。五島高資のように、KIGOはあくまで詩語の一つであって、無季の句もKIREがあればHAIKUと言って良いとの考えもある。その考えは良しとして、今や、国際俳句学部の「Haiku Column」においては、はっきりとした四季のない国からもKIGOのあるHAIKUが数多く投句されてきており、俳句は〈KIGOの詩〉という認識が世界で広まっている。

 俳句大学は、実践的な俳句の取り組みを通して、俳句の国際化に対応するために、俳句あるいはHAIKUを定義し直し、俳句を国際文芸として位置づけ、ひいては、現今の現代俳句における真の俳句の確立の礎になりたいと思っている。

※参加者のお名前は2校次のままである。

                                          

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

角川『俳句年鑑 2021年版』全国結社・俳誌 俳句大学

2021年02月14日 11時39分21秒 | 俳句大学

角川『俳句年鑑 2021年版』全国結社・俳誌

 

【俳句大学】

学長=永田満徳

【副】五島高資

 

〒 860-0072 熊本県熊本市西区花園6丁目42-19

永田満徳

HP  https://haiku-university.jimdofree.com/

mail  haiku_university@yahoo.co.jp

◇平成25年、高橋信之が創刊。芭蕉の俳諧精神を復興し、ネット時代を見据え、俳句の可能性を探る。活動の拠点はFacebookやネット。〔年2回刊〕

◇俳誌「俳句大学」・国際俳誌「HAIKU」を刊行し好評。東京、九州、北海道キャンパスにて講義・句会あり。

 

鰓呼吸したき残暑の夜なりけり   永田満徳

春星へかよふ寝息となりにけり   五島高資

クリオネといふ流氷の雫かな    斎藤信義

たましひは鳩のかたちや花は葉に  辻村麻乃

ここよわたし赤きコートで君を待ち 歌代美遥

声までも日焼しさうな甲子園    北野和良

うららけしおまはりさんの描く略図 野島正則

ぐわんぐわんと非常階段雁渡る   山野邉茂

ちつぽけな光の調べ草の露     洪 郁芬

 

担当者:永田満徳(みつのり) 

mail:mitunori_n100@hotmail.com

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

機関誌「俳句大学」第5号

2021年01月14日 17時12分54秒 | 俳句大学

機関誌「俳句大学」第5号よりのお知らせ!

 

〜初校、印刷所に送付(1/14)〜

 

  • 特集記事の概要が決まりました。

特集 俳句大学三賞

・第3回俳句大学大賞

  仙田洋子『羽ばたき』 選評:仲 寒蟬

    大賞特別賞

  向瀬美音『詩の欠片』 選評:斎藤信義

・第3回俳句大学新人賞

  正山小種「犬とゆく」 選評:松野苑子

    新人賞特別賞

  白石業兵「懐炉」   選評:大高 翔

    新人賞選考委員審査評

・各受賞者の受賞後の作品

 

※ 「俳句大学三賞」について、それぞれの選考委員の方から審査評を書いて頂くことになりました。

お忙しいところ、喜んでお引き受け頂き、感謝申し上げます。

  • 俳句大学三賞の決定並びに各受賞者の受賞後特別作品が整いましたので、初校を印刷所に追加して回します。
  • 若干、残りの原稿はありますが、2月の末には発行する予定です。

 

「俳句大学」 第5号  目 次(案) 

巻頭言 永田 満徳

講師作品

永田満徳・五島高資・斎藤信義・辻村麻乃・

歌代美遥・向瀬美音・

 

特集 俳句大学三賞

・第3回俳句大学大賞

  仙田洋子『羽ばたき』 選評:仲 寒蟬

    大賞特別賞

  向瀬美音『詩の欠片』 選評:斎藤信義

・第3回俳句大学新人賞

  正山小種「犬とゆく」 選評:松野苑子

    新人賞特別賞

  白石業兵「懐炉」   選評:大高 翔

    新人賞選考委員審査評

・各受賞者の受賞後の作品

 

会員作品

亜仁子/安倍真理子/一路/石井真波/大津留直

北野和良/熊谷房子/桑本栄太郎/洪郁芬/十河智

鼎心/野島正則/中野千秋/野島正則/紀宣

山野邉茂

 

「俳句大学ネット句会」(2020年度上半期)

 

「一句鑑賞」(俳句大学投句欄・2020年度上半期)

しのぶ日月・選/辻村 麻乃・選/瀬戸優理子・選・安倍真理子選

 

「一日一句互選」(俳句大学投句欄・2020年度上半期)

 

「席題で一句」(俳句大学投句欄・2020年度上半期)

 

「写真で一句」(俳句大学投句欄・2020年度上半期)

 

「今月の秀句」(Haiku Column・2020年度上半期)

 

俳句大学投句欄初心者教室より

 

キャンパスの紹介

・東京キャンパス・熊本キャンパス・北海道キャンパス

機関誌「俳句大学からのお知らせ」

・第4回俳句大学三賞(大賞・新人賞・評論賞)

・新鋭作品欄参加募集

・「俳句大学」第6号参加要項・俳句大学基金のご案内

編集後記

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする