月刊誌「俳句界」12月号!
〜俳句大学 Haiku Column 「今月の秀句」2020・1〜
◆俳句総合誌『俳句界』12月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕の「今月の秀句」から選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」2019年1月号から毎月連載して行きます。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「難民の/口元に差し出す/マイクロフォン」の俳句が大会賞を受賞しているように、三行書きにしただけで散文的な国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が参加し、500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。また、2020年3月1日には「国際歳時記」の第1段として【春】を出す予定です。
◆最近では華文二行俳句のコンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日にニ行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆なお、総合俳句雑誌「俳句界」12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」3頁に渡って書いています。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。
Janvier aout de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆Le Janvier de aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.
The January issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the January issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published.
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.
今月の秀句(「俳句界」12月号
永田満徳選評/向瀬美音選訳
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Dennis Cambarau
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Undici settembre
L'abbraccio del mondo in un solo grido
September 11th
The embrace of the world in a single cry
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
デニス カンバロ
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九月十一日
ひとつの泣き声のもとに世界の抱擁
〔永田満徳評〕
9・11の被害者の悲痛な叫びを「ひとつの泣き声」と述べたところがよく、たった「ひとつの泣き声」でさえ、世界の人々は「抱擁」つまり慰めを惜しまなかったことを的確に捉えている。
He describes well the terrible cry of the 11th September as [a single cry].The expression of embrace for [only one cry] is very nice.
※
Natacha Karl
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papillon de nuit
mes pensées s’envolent contre mon sommeil
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
Elle décrit bien la nuit d'été quand ses pensées l'empêchent de dormire en utilisant [papillon de nuit]
ナタシャ カール
●
蛾
眠気に反して考えが飛ぶ
〔永田満徳評〕
不眠気味であったところに、「蛾」が入ってきて、眠りを妨げている様を詠んだのであろう。寝苦しさに頭が冴えて、「考え」が出てくる夏の夜をうまく詠んでいる。
※
Sarra Masmoudi
●
palabres électorales~
le chat remue l'oreille en dormant
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
Il est intéressant d'imaginer à quel point un chat écoute la discussion politique. C'est comme [je suis un chat] de Soseki Natsume.
サラ マスモウディ
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政治の論争
猫は寝ながら耳を動かす
〔永田満徳評〕
狸寝入りしながら、ご主人たちの政談を盗み聞きしている猫を描いているのである。夏目漱石の「吾輩は猫である」さながらの情景であるところがおもしろい。
※
حسان زموري
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night without the moon
telling the sleeping beauty story for the children
nuit sans lune
raconter l'histoire de la belle au bois dormant pour les enfants
Hassane Zemmouri
ハッサン ゼムリ
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月のない夜
子供達に語る「眠り姫」
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Giuliana Ravaglia
●
la luna all'alba:
fugace incontro oltre la soglia
the moon at dawn:
fleeting encounter beyond the threshold
ギウリアナ ラヴァグリア
●
夜明けの月
戸口の上の束の間の出会い
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Coralie Berhault Creuzet
●
seuil de l'automne -
mon amie d'enfance joue avec mes enfants
コラリ ベルホート クルーゼ
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秋初め
子供の頃の友達は私の子供と遊ぶ
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Neni Rusliana
●
starry night
two cups of hot chocolate in the veranda
ネニ ルスリアナ
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星月夜
ベランダにホットチョコレートのカップが二つ
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Nadia Ben
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Étoile filante.
les adieux se font sur le quai avant le départ du train
ナディア ベン
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流れ星
電車の出発の前のホームの別れ
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Nuky Kristijno
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cold autumn
brisk walk in high leather boots
ナッキー クリスティジーノ
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秋寒し
丈長の革のブーツで颯爽と歩く
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Evelyne Bélard
●
nuit sans lune
au loin un train passe
エブリン ベラー
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無月
遠くに電車が通る