【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

〜Facebook「Haiku Column」【俳句界】2021.10月号〜【HAIKU】

2021年10月25日 08時28分10秒 | 月刊誌「俳句界」
俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!
 
〜Facebook「Haiku Column」【俳句界】2021.10月号〜
 
◆俳句総合誌『俳句界』10月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕のHAIKUから選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」2019年1月号から毎月連載しています。
※ 『俳句界』10月号から、優秀な作品が揃って来ましたので、1ページ増えて、3ページに渡って掲載しました。
◆R 2・12月号から作者の国名を入れています。人種、国籍を問わず投句を受け入れていることから、その「人道主義的」スタンスが広く支持されています。
◆ 向瀬美音氏は日本語訳の改善に着手している。五七五の17音の和訳は、HAIKUをただ端に日本の俳句の五七五の17音にしただけではなく、原句のHAIKUの真価を再現するものであり、国際俳句の定型化に一歩近づくための有効な手立てであることを強調しておきたい。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「飢えた難民の/前に口元に差し出す/マイクロフォン一本」のような三行書きにしただけで散文的な国際俳句が大会大賞、或いはある国際俳句協会のコンクールで「古い振り子時計―/蜘蛛の巣だらけになっている/祖父のおとぎ話」のような切れがあっても三段切れで冗漫な国際俳句が特選を受賞しているように、三行書きの国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が参加し、500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。そして、6号を2020年12月に出版しました。また、2020年3月1日には「国際歳時記」の第1段として【春】を出しました。「HAIKU」6号と「歳時記」は原句の内容を損なうことなく五七五に訳出しています。
◆総合俳句雑誌「俳句界」2118年12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」が3頁に渡って書いています。
◆「華文俳句」に於いては、華文二行俳句コンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日にニ行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆ 二行俳句の個人句集では、洪郁芬氏が『渺光乃律』(2019、10)を〔華文俳句叢書1〕として、郭至卿氏が『凝光初現』(2019、10)を〔華文俳句叢書2〕として、次々に刊行している。さらに、全季節を網羅した「華文俳句歳事記」が2020年11月には刊行されて、これで季重なりの問題が解消されるでしょう。
◆さらに、2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載している。
◆『俳句界』2020年3月号の特別レポートにおいて、熊本大学で行われたラウンドテーブル「華文俳句の可能性」の報告が8頁に渡って掲載されました。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。
The October issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the October issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published.
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.
octobre aout de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆L octobre de aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.
Haiku Column(俳句大学)(「俳句界」R3.9月号)
【今月の秀句(monthly excellent Haikus)】    
永田満徳選評・向瀬美音選訳
(Facebook「Haiku Column」より)
シウ ホング(インドネシア)
おとぎ話のごとき無数の螢かな 
〔永田満徳評〕
「螢」は雨上がりの夜や闇夜が特に美しく、夏の訪れを感じさせてくれる。「無数」に飛び交う様は乱舞という言葉がふさわしい。「おとぎ話」とはよく言ったもので、「人が死ぬと魂が蛍になる」という言い伝えもそうであるが、「螢」の輝きそのものが幻想的で、夢物語であることをうまく表現している。
Siu Hong(Indonesia)
all around thousands of fireflies
a fairy tale
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
" Fireflies " is especially beautiful on nights after rain and dark nights, and makes us feel the arrival of summer. The word "Ranbu" is appropriate for flying "innumerable". "Fairy tales" are often said, and so is the legend that "when a person dies, the soul becomes a firefly", but the brilliance of " fireflies " itself is fantastic and expresses well that it is a dream storying.
アンジェラ ジオルダーノ(イタリア)
アルツハイマー夏の記憶は舌先に 
〔永田満徳評〕
「アルツハイマー」は脳がうまく働かなる症状。過去の「記憶」があたかも現在起きているかのように、「舌先に」出て話し掛けているのであろう。この患者の最も活動的で、最も思い出が多かった「夏の記憶」であるからこそ、唯一の記憶として残っているのである。記憶の本質が描かれていて、心打たれる。
Angela Giordano(Italy)
alzheimer...
un ricordo estivo sulla punta della lingua
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
"Alzheimer's" is a symptom that makes the brain work well. Perhaps the "memory" of the past is "on the tip of the tongue" and talking as if it were happening now. It remains the only memory because it is the patient's most active and most memorable "summer memory." The essence of memory is drawn, and it is touching.
アドニス ブリュネ(フランス)
エオリアン耳の窪みの子守唄 
〔永田満徳評〕
「エオリアン」は冬の季節風が柵や竹垣に吹き当たってヒューヒューと鳴る音のこと。日本では虎落笛という。エオリアンの音色を「子守唄」に思うのは、冬の烈風のさなか、母の温かな懐に守られて眠った経験があるからである。「耳の窪み」という表現に、母との思い出の根深さが切々と伝わってくる。
Adonis Brunet(France)
éoliennes
une berceuse au creux de l'oreille
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
L'éolien est le son de la mousson d'hiver qui souffle contre les clôtures et les clôtures en bambou. Au Japon, on l'appelle sifflet d'automne du tigre. Je considère le ton d'Eolian comme une "berceuse" parce que j'ai eu l'expérience de dormir sous la poitrine chaude de ma mère au milieu de la brise de l'hiver. L'expression "bosses dans les oreilles" traduit la profondeur des souvenirs avec ma mère.
【今月の季語(Kigo of this month】        
(Facebook「Haiku Column」より)
【 滝 たき taki / waterfall / chute d’eau.cascade 】
ザヤ ヨークハンナ(オーストラリア)
滝しぶき肩にはためく君の髪  
Zaya Youkhanna (Australia)
waterfall
her long hair floating across her shoulders
フテン フルティ(チュニジア)
滝落ちて私の涙は流れない
Feten Fourti (Tunisia)
mes larmes ne coulent pas
chute d’eau
【 裸 はだか hadaka / naked, nude, bare / nudité, nu 】
ザザミ イスマイル(インドネシア)
叫びより勝る囁き裸かな  
Zamzami Ismail (Indonesia)
naked
whispering is sharper than screaming
イザベル カルヴァロ テレス(フランス)
曲線に続く曲線裸婦像よ  
Isabelle Carvalho Teles (France)
papier blanc
courbes après courbes le nu se dévoile
【 サングラス さんぐらす sungurasu / sunglasses / lunettes de soleil 】
アンジェラ ジオルダーノ(イタリア)
サングラス孫娘さへ真似をして  
Angela Giordano(Italy)
imitation...
even the granddaughter with sunglasses
imitazione...
anche la nipotina con gli occhiali da sole
アブダラ ハジイ(モロッコ)
サングラス写りたる我が笑顔かな   
Abdallah Hajji(Morocco)
lunettes de soleil
sur tes yeux j'imprime mon sourire
【 ビール びーる bi-ru / beer / bière 】
ザザミ イスマイル(インドネシア)
ビール酌む別るる前の人と会ふ  
Zamzami Ismail(Indonesia)
beer
last meeting before separation
ザヤ ヨークハンナ(オーストラリア)
唇やビールの泡の艶めかし  
Zaya youkhanna(Austlalia)
cold beer
the foam on her lips is seductive
【 冷酒  れいしゅ reishu / cold sake / saké froid 】
イスマン カーン(チュニジア)
冷酒や夜空の星の美しき 
Ismahen Khan(Tunisia)
des étoiles
et un saké froid-la nuit
ザザミ イスマイル(インドネシア)
冷酒注ぐ良き音立つるクリスタル  
Zamzami Ismail(Indonesia)
crystal glass cup
beautiful harmony when pouring cold sake
【 アイスクリーム あいすくりーむ aisukuri-mu / ice cream / glace 】
ナッキー クリスティジーノ(インドネシア)
子の拍手アイスクリーム屋のクラクション  
Nuky Kristijno(Indonesia)
children clapping hands
loud honking sound of the ice cream van
エリック デスピエール(フランス)
指間より君を見つむる林檎アイス 
Eric Despierre (France)
sorbet à la pomme
je te regarde à travers mes doigts
【 紫陽花 あじさい ajisai / hydrangea / hortensia 】
キム オルムタック ゴメス(オランダ)
紫陽花やポンポン揺らすチアリーダー  
Kim Olmtak Gomes(Holland)
pom poms in the air the cheerleader blossoms
hydrangea
バーバラ オルムタック(オランダ)
紫陽花や夜空の青をひとつまみ  
barbara olmtak(Holland)
a pinch of blue in the starry night
hydrangea
【ジャスミン じゃすみん jyasumin / jasmine / jasmin 】
ヴェロニック ゾラ(カナダ)
ジャスミンや味とも言へるその香り  
Veronika Zora(Canada)
its fragrance almost a taste
night jasmine
ラシダ ジェルビ(チュニジア)
ジャスミンや夜の静かなる約束よ
Rachida Jerbi(Tunisia)
jasmins exubérants -
les promesses silencieuses de la nuit

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