今年最初の田辺寄席・・遊喬さんの段なれば、出かけなければ。
開口0番・・「ク」熊野詣・・・・・・・・・・文太
「熊野詣り」という噺は、熊野の観光アピールの為にと依頼があり、
師匠文枝が創られたた唯一の落語。
亡くなられる最後の演目もこの「熊野詣」
大阪の八軒家から、熊野まで長い道中なので、どうするかと、文太さんも一緒に考え
ヤタガラスに乗って一足飛びににとアイデアをだすと、熊野市から
実際に見てくださいと、師匠はヘリコプターに乗って上空から見られたと・・・。
(注、ヤタガラスは熊野で神武天皇の道案内をしたとか、
今ではサッカーの日本代表のシンボルだが)
今や、演じる人もいないので、一門で選ばれて、文太さんが継いで、
このまえ、新宮と田辺とかで公演し、好評であったとか・・・。
丁度、今日、落語仲間のT氏から頂いたのが、天満橋の永田屋昆布本店が発刊している
「八軒家の今昔」に、熊野参詣道として、九十九王子と熊野への道が紹介されている。
今や世界遺産、熊野詣でとか、行ってみる価値はありますな。
一、笑福亭喬介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「狸賽」
狸と狐は、仲が悪いと覚えておいてください・・・と短いマクラで即「狸賽」へ。
でも、今日の喬介さん、なぜかかみかみ。老舗、田辺寄席のプレッシャーか。
終盤の、あたり続ける主人公に周りの者が、サイコロの目を言うなで
「ターチャン、両目やで」というところで、「2やでー」・・・あれぇ
「あぁ・・聞かなかったことにしてや・・・」と、こんな喬介さん、とってもかわいい。
言い間違いなんて、ささいなこと、おもしろければ、全て良しでおます。
落語は、生きもの、ライブ感で、違った楽しみがありますな。
二、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「二人癖」
マクラで、奥さんのこと、娘さんのこと、仲の良さが子供が挟んで
遊喬家の、ほのぼの感が伝わってくる。
「たまらん」、「一杯のめる」が口癖の二人が、癖を直そうと賭けをする。
その1000円を取る為に、あの手この手で仕掛ける。
私の、口癖は何なのか・・・。
結構、このブログでも、語り口、くせありますな。
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「崇徳院」
「瀬をはやみ、岩にせかるる滝川の、われても末にあわんとぞおもう」
百人一首の、崇徳院さんの句。崇徳天皇も、一度、熊野参詣されている。
恋煩い、携帯電話があり、いつでも会えて、ひっつくのも早いが別れるのも早い
今の若い男女には、まったく死語なのか。
四、笑福亭鶴志・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「千早ふる」
最高。・・・・・落語のおもしろさ。生の愉しさ。
あそこで聴いた、あの噺と、一期一会が印象に残る。
鶴志さんの「千早ふる」、相撲の八百長事件はでてくる。
落語協会の分裂騒動とか。落語の修行の苦しさとか。
どんどん、膨らみ、30分強の長講。
最後の、「とは」の部分だけでも、
「とは」、トーナツのト・・とドレミの歌が。
隣の家の家政婦が見たで、人の口には、「戸は」立てられないと。
竜田川が助けてあげて、「永久(トワ)」の愛を誓うと。
最後の、千早の本名やったの「とは」まででも、5分は楽しませてくれる。
こんな、落語を聴くと、演出も含めての、落語のもつ、自由な幅の広さ、
おもしろさに、はまりますな。
五、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「尻餅」
普通は、「尻餅」、見台なしで演るのですが、今日は、見台をつけて初めて演ります。
松之助師匠は、演られていますが・・・春団冶師匠は、すべて見台なし。
「田辺寄席なので、あえて、気ぃ、つこうてますねんで・・・」と。
女房のお尻を出しているのが、見台に隠れて見えない分、
お色気が薄れて、良いのか悪いのか、シャイな遊喬さんらしい、選択と理解したが。
まあ、艶笑噺にならぬ様、「田辺寄席なので、あえて、気ぃ、つこうてますねんで・・・」と、
最初のマクラの言葉に戻る・・・単に、深読みしすぎか。
松喬師匠、直伝の一席でおました。
第559回・田辺寄席~笑福亭遊喬の段
2011年2月19日(土)午後1:40開演
開口0番・・「ク」熊野詣・・・・・・・・・・・・文太
一、笑福亭喬介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「狸賽」
二、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「二人癖」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「崇徳院」
仲入り
四、笑福亭鶴志・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「千早ふる」
五、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「尻餅」
11-06-23
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