【中川博司】これまで条例に基づく契約審議会が7月、9月と2回開催され、長野県の契約に関する条例の取り組み方針について議論が行われています。特に「労働者の賃金が適正な水準にあることなどの労働条件の整備」は、もっとも重要な論点です。
私は、長期的に健全な地域企業の育成や品質の確保のためには、若手技術者の育成が急務であるとこれまでも訴えてきました。建設現場は「キツイ、キタナイ、キケン」の3Kに加え「給料が安い、結婚ができない、休暇がとれない」という新3K職場となっています。これでは、若手労働者が育つわけがなく、現に20代の若者の建設業離れは顕著です。
平成15年一般競争入札の導入により、落札率が73.1%まで下がり、労働者の賃金も下がり始めました。官庁が建設工事で設計見積もりを行う際に使う設計労務単価は、前年労働者に支払われた賃金を参考に決められることからマイナスのスパイラルとなります。末端の現場労働者に払われる賃金は設計労務単価の6、7割にまで落ち込みました。
これまで長野県は、総合評価入札制度の導入や、失格基準を導入することによって、ダンピングを防ぎ、落札率を上げ近年では90%台まで回復しました。しかし、落札率が上がってきているにも関わらず労働者賃金は一向に改善されていないのです。だからこそ、せめて設計労務単価を基準とした労働者賃金の支払いを求めてきたのです。
さらにいえば、設計労務単価が適正な労働賃金であるかといえば、決してそうではなく例えば長野県の主要8職種の現在の労務単価の平均は18,250円ですが、これに年間労働日240 日をかけても438万ですが、建設労働者の年収の全国平均は392万円です。
日本建設業連合会でさえ、現状に強い危機感を覚え「建設技能労働者の人材確保・育成に関する提言」を今年の4月に発表し、この中で「建設技能労働者の年間労務賃金水準を、全産業労働者レベルの530万円となるようつとめる」とし、40代で600万円を目指すとしています。この600万円を240労働日で割り返せば25,000円となり、現在の設計労務単価を7,000円ほど上げる必要があります。
建設業界も現在の技能労働者不足をきわめて深刻に受け止めていることからも、建設労働者の賃金引上げは、喫緊の課題であり、県としても強い決意で取り組み方針の取りまとめをしていただかなくてはなりません。建設部長の決意をお聞かせ下さい。
【建設部長】取組方針の取りまとめについてのお尋ねでございます。
議員御指摘のとおり、建設業では、若年入職者の建設業離れによる担い手不足が懸念されているところでもあり、労働環境の改善は、大変重要な問題と受け止めております。
労働環境の改善をし、人材確保を図るため、昨年末、設計労務単価の見直しを行っており、これまで2回、併せて3割弱の引き上げを行っているところであり、こうしたことが下請企業を含めた労働賃金に反映されることが肝要であると考えております。
長野県の契約に関する条例の基本理念のひとつを「労働者の賃金が適正な水準にある事などの労働環境の整備」としており、現在、その基本理念を踏まえた具体的な取組方針の策定を進めているところでございます。
この取組方針の策定にあたりましては、労働者、建設企業双方にとってよいものであることが、実効性を伴うものであると考えております。
このため、県議会、契約審議会のご意見を聴きながら検討を重ね、しっかりと労働環境の整備を図ってまいりたいと考えております。
【中川博司】さきほど全国の建設労働者の平均賃金は392万円と申し上げましたが、長野県の建設労働者の平均年収は長野県建設労働組合の集計では324万円です。さらに50万円も低いのです。ここが改善されない限り、建設産業から技能労働者はいなくなってしまうという危機的な状況にあるというご認識をもっていただくこと、さらには知事の基本政策の中にある「持続的な地域産業の発展を確保するため、中小企業や地場産業、農林業等の事業承継や後継者育成を支援する」ことにもならないということを最後に強く申し上げ質問を終わります。
私は、長期的に健全な地域企業の育成や品質の確保のためには、若手技術者の育成が急務であるとこれまでも訴えてきました。建設現場は「キツイ、キタナイ、キケン」の3Kに加え「給料が安い、結婚ができない、休暇がとれない」という新3K職場となっています。これでは、若手労働者が育つわけがなく、現に20代の若者の建設業離れは顕著です。
平成15年一般競争入札の導入により、落札率が73.1%まで下がり、労働者の賃金も下がり始めました。官庁が建設工事で設計見積もりを行う際に使う設計労務単価は、前年労働者に支払われた賃金を参考に決められることからマイナスのスパイラルとなります。末端の現場労働者に払われる賃金は設計労務単価の6、7割にまで落ち込みました。
これまで長野県は、総合評価入札制度の導入や、失格基準を導入することによって、ダンピングを防ぎ、落札率を上げ近年では90%台まで回復しました。しかし、落札率が上がってきているにも関わらず労働者賃金は一向に改善されていないのです。だからこそ、せめて設計労務単価を基準とした労働者賃金の支払いを求めてきたのです。
さらにいえば、設計労務単価が適正な労働賃金であるかといえば、決してそうではなく例えば長野県の主要8職種の現在の労務単価の平均は18,250円ですが、これに年間労働日240 日をかけても438万ですが、建設労働者の年収の全国平均は392万円です。
日本建設業連合会でさえ、現状に強い危機感を覚え「建設技能労働者の人材確保・育成に関する提言」を今年の4月に発表し、この中で「建設技能労働者の年間労務賃金水準を、全産業労働者レベルの530万円となるようつとめる」とし、40代で600万円を目指すとしています。この600万円を240労働日で割り返せば25,000円となり、現在の設計労務単価を7,000円ほど上げる必要があります。
建設業界も現在の技能労働者不足をきわめて深刻に受け止めていることからも、建設労働者の賃金引上げは、喫緊の課題であり、県としても強い決意で取り組み方針の取りまとめをしていただかなくてはなりません。建設部長の決意をお聞かせ下さい。
【建設部長】取組方針の取りまとめについてのお尋ねでございます。
議員御指摘のとおり、建設業では、若年入職者の建設業離れによる担い手不足が懸念されているところでもあり、労働環境の改善は、大変重要な問題と受け止めております。
労働環境の改善をし、人材確保を図るため、昨年末、設計労務単価の見直しを行っており、これまで2回、併せて3割弱の引き上げを行っているところであり、こうしたことが下請企業を含めた労働賃金に反映されることが肝要であると考えております。
長野県の契約に関する条例の基本理念のひとつを「労働者の賃金が適正な水準にある事などの労働環境の整備」としており、現在、その基本理念を踏まえた具体的な取組方針の策定を進めているところでございます。
この取組方針の策定にあたりましては、労働者、建設企業双方にとってよいものであることが、実効性を伴うものであると考えております。
このため、県議会、契約審議会のご意見を聴きながら検討を重ね、しっかりと労働環境の整備を図ってまいりたいと考えております。
【中川博司】さきほど全国の建設労働者の平均賃金は392万円と申し上げましたが、長野県の建設労働者の平均年収は長野県建設労働組合の集計では324万円です。さらに50万円も低いのです。ここが改善されない限り、建設産業から技能労働者はいなくなってしまうという危機的な状況にあるというご認識をもっていただくこと、さらには知事の基本政策の中にある「持続的な地域産業の発展を確保するため、中小企業や地場産業、農林業等の事業承継や後継者育成を支援する」ことにもならないということを最後に強く申し上げ質問を終わります。