上田市多文化共生推進協会と信州イスラーム世界勉強会の共催による「異文化理解講演会」が上田市中央公民館であり参加しました。
講演は東京大学名誉教授の板垣雄三さんで、信大シンポジウムやイラン駐日大使の講演会などでこれまでにもお話を聞いたが、今回はじっくり2時間弱イスラム社会についてお話を聞いた。
テーマは「壊れゆく世界の中でイスラームの未来を考える」で、最初に板垣先生から「壊れゆく世界」という感覚をお持ちの方がどのくらいいるかという質問に私も含めて10人くらいが手をあげました。次に「壊れゆく世界」とはどんなことを指しているのか」という質問に、「テロと反テロ戦争」「家族の崩壊」などをあげた方がいました。板垣先生からは、「相模原の障がい者殺人事件、企業の不正、政治の腐敗、テロ・・どうやったら解決できるのかわからない状況が広がっている。アメリカも混乱している。」
この世界の中でムスリムの人口は2010年16億人で世界の3分の1だが、2050年には28億人3分の1になる。石油埋蔵量も世界一。しかし反テロ戦争で130万人~200万人が死んでいる。反テロ戦争をやればやるほどテロが多くなる。永久に終わらない。イラクでは300万人の人口のうち50万人が死んでいる。シリアでは国内人口の半分に当たる1100万人が難民となっている。
そもそもイスラームとは、無条件降伏・身も心も差し出す・神にすべてをゆだねる・帰依するという意味。タウヒートという考えがその基で、「多であって一である」。この考え方は、キリスト教や仏教にも影響を与えてきた。しかし西欧の二項対立の考え方がイスラームの中に入ってきてISなどのテロ行為が起きているのではないか。
「壊れゆく世界」を救うのは、人口的なことからいってもイスラームではないか、とまでは板垣先生は言わなかったが、イスラームの思想についてさらに興味をもったしだい。