「新しい戦前にさせない」シンポ
第5回「軍拡と『ゾンビ家制度』の罠」
-性差別大国(ジェンダーギャップ指数125位)・生活小国日本
8月11日(金)13:30-16:30
文京区民センター2A会費室
<プログラム>
総合司会:白石孝(NPO法人官製ワーキングプア研究会理事長)
コーディネーター・基調説明:竹信三恵子(ジャーナリスト・和光大学名誉教授)
・軍拡は、社会保障削減と女性搾取をすすめる
・社会保障のための増税が、軍拡に使われ、生活保障がされなくなる
・性別役割負担をさらに強化していく(家庭や育児は女性、男性はかせぐ)ことで、政治が生活を保障しないですむ。
・女性が経済的に自立でない仕組み
・国家財政に占める軍事費率
1894年日清戦争69.4%
1904年日露戦争81.9%
1944年太平洋戦争85.3%
パネリスト
・杉原浩司(武器取引反対ネットワーク)
1,正気を失った大軍拡時代への突入
・前年を1兆4000億円上回る、26%の伸びは世界最大(米国10%、中国7%)
・米国からの武器購入費4倍、弾薬日3.3倍、研究開発費3.1倍
・武器の維持費も莫大、米軍に依存。5000億円の軍事研究のための基金
2,軍需産業強化法=“大政翼賛会”的に成立
3,撤退があいつぐ軍需産業を税金で支え立て直すことが目的
・積算根拠は示さない
・それでも撤退するなら国営化
・従業員に守秘義務を課す⇒「秘密保護法の大改悪」でセキュリティクリアランス制度を導入
4,軍拡財源確保法
・単年度主義を壊し、5年で43兆円の財源を確保
・特別会計からの繰入金、積立金や基金の国庫返納金、国有財産の売却、決算剰余金、
・国債依存
5,殺傷武器の輸出解禁
(竹信)税金は社会保障にあてないから、男の意識が変わらない
・雨宮処凛(作家・社会活動家)
人に後を財源で語るな
安部政権下で生活保護費の引き下げ670億円
1000人が訴訟に立ち上がる
新型コロナ禍での貧困相談が増え続けている
10代から30代が60%住まいがない75.4%、携帯とまっている40.9%、女性の割合19.4%
所持金100円以下19.4%、緊急一時保護20台18%(淑子氏は県村4%)
正規496万人、非正規176万人、男性非正規228万人、女性非正規医156万円
炊き出し食品配布 コロナ前50-60人、2023年5月749人(家があるが食べるものがない)若い女性や子連れが多い、
コロナで打撃を受けた飲食宿泊業で女性非正規労働者多い職場。
・なされない安定雇用、貧困対策、ロスジェネ対策、
・荒井裕樹『まとまらない言葉を生きる』弱者保護から切られていく選別の推進
・学校では教えてくれない生活保護(雨宮処凛著)、」2019年から生活保護世帯が減っている。
(竹信)コロナでの貧困が進んでいる。税金が社会保障に使われず軍事費に。日本は最賃をあげるための中小企業支援の予算がない。
・杉浦ひとみ(弁護士)
1,法制度を支える意識、法制度が醸成する意識
(1)立法事実がないところでは法律はなりたたない
(2)他方法律ができる事で社会の意識が変わることもある=戦前、子どもたちは軍国少年、軍国少女として育っていく
・非正規で働いていることで社会の中での自己価値、自己肯定感を失っていく⇒社会のことを考えられない状況になていく
2,戦後、家制度が解体されたが
「家制度は敗れても氏はある」⇒3,選択的夫婦が法制化できない国⇒女性の社会的地位を変えさせたくない社会の層の存在
4,性的マイノリティ 性自認と性志向の二つの問題、性のあいまいさを認めない
5,同性婚が許せない層がある
・法が変われば意識も変わる
(竹信)法律・財源により意識も変わっていく。
・古今亭菊千代(落語家)
1000人いる落語家のうち女性は55人。これでも増えてきた。古典落語は、男性が演じて男性が笑うものだったが、少しづつ変わってきている。
国策落語 「産めよ増やせよ国のため」結婚十訓⇒ナチスの配偶者選択10か条から
「子宝部隊長」「男の子を生まなければ憲兵隊に訴える」
禁演落語 愛国演芸家連盟がつくられた
志ん生師匠 女3界に家無し⇒3階にいえなし
2部
(杉原)コロナ禍で、エッセンシャルワーカーが非正規、低賃金労働者が支えてきたが、改善されてきたのか、日本は、世界では?
(雨宮)改善はされていないと思う。15年前のホームレスで派遣村に来ていた方が、コロナ禍の生活相談に来ている。ニュージーランドの最賃2200円。ドイツはコロナで職を失った人は家を追い出すなと政府が言っている。
(竹信)保育士・ヘルパーは配置基準が変わらず、9000円引き上げ原資があっても、全体の賃上げに回らない。会計年度任用職員で相談業務をやってきた人が、1年で法定化して、首を切られる。
(杉原)現場で頑張っている人が精いっぱいで、制度改善に行きついていない。
(福島)できていない
(竹信)子育てで正規で働けないから短時間パートで働いている人は非正規で雇用保険に入れない。
(杉浦)政治家の姿勢は。
(杉原)自民党の戦中派がいなくなり、野党も維新も国民も、立憲も賛成。殺傷武器輸出は反対している。立憲民主党をしっかりさせる。そのために市民運動は忖度せずに自由にものを言っていかなければならない。政治全体を変えるために力を合わせ、市民運動からも候補者を出していくくらいのことが必要。
(竹信)立憲・連合・マスコミにものを言っていかなければいかない。次から次へとボコボコされることに慣れてきてしまっている。
(杉原)軍拡が政治課題の最優先になっている。5月11日朝日新聞、食料増産・配給制度に向けて食料基本法を変えようとしている。米を作ってももうからない状況に追いやっておいて。
(竹信)会場からの質問を
( )中小企業庁から、第3者の法律事務所を通じて、持続化給付金を不正受給しているかというアンケートか来ている。
( )自分らしく生きたい。
( )種子法廃止、種苗法改正で、食を多国籍企業に売るような法改正をしておいて、戦時立法で補うことはおかしい。
( )福島汚染水放出に反対する運動をしているが、韓国から青年や若者が反対運動している。ミャンマーの運動にも若い人が参加している。
(雨宮)韓国でも非正規労働者多い。自己責任、何か頑張っている人を嘲笑している。
(杉原)人とのコミュニケーションで事を荒立てることが避けられている空気がまん延している。特に女性のアクティビストをたたいている。立法府に女性が少なすぎる。クウォーター制が必要。市民議員立法。被選挙権を18歳にさげろという声もある。根本的なところを変えるために市民発で女性議員をつくろう。
( )投票率の改善をどうしていくべきか。
(竹信)個人で申請できる休業給付金をつくらせたのは個人の意見から。
(古今亭菊千代)女性の落語家に反対したのは、落語家のおかみさんだった。男が男がダメにする、女が女をだめにする。
( )厳しい状況にある人は声を出せない。
(杉原)大分で敵基地攻撃ミサイルの弾薬庫をつくる。青森でもつくられていく。現実に進んでいる。
(竹信)憲法24条つくることに反対勢力多かった。軍拡者は分かっている。主戦場は「差別」であり「生活」だ。