3,有機農業の推進について
【中川】国における「みどりの食料システム戦略」の推進により、有機農業の取組が全国的に広がっている中で、11月7日第2回全国オーガニック給食フォーラムが茨城県常陸大宮市で開催され、全国から会場参加で800人、オンラインによるサテライト会場が長野県内も含めて50カ所以上という盛況ぶりでした。そこで、会派としても常陸大宮市へ有機農業推進の取組みについて調査に伺いました。
常陸大宮市は、令和4年度に有機農業の推進を事業化し、本格的に有機農業の推進を開始しました。「子どもたちに最高の給食を届けたい」という鈴木定幸市長の強い思い入れもあり、JAも全面的に協力しています。
きっかけとなったのは、市内の三美地区において「担い手育成型の県営畑地帯総合整備事業」が行われ、有機農家の3経営体が参入して11.5haにおいて有機農業が展開されたことです。県は、みどりの食料システム戦略に基づいて「三美地区」とともに「鷹巣地区」を特定区域に設定し、大規模な有機農業の団地化をすすめています。三美地区の有機農業の担い手の一つが、JAの子会社で株式会社JA常陸アグリサポートです。
鷹巣地区では、慣行農業者との間で「有機農業を促進するための栽培管理に関する協定」を結び、「有機農業を行うものは、病害虫発生の抑制に努めること」「慣行農業を行うものは、農薬散布に際し、飛散防止に努めること」「有機農業を行うほ場及び慣行農業を行うほ場が隣接している場合、有機農業を行うものは一定の緩衝地帯を設けること」などを協定しています。
販路として、学校給食のオーガニック化を、思いを同じくする自治体と連携して進めること、さらに都市部へのオーガニック農産物の供給も行っていきたいと考えています。
こうした市町村をバックアップする茨城県としての取組みは、「有機農業のモデル団地育成事業」「地域における有機農業産地づくり支援」「荒廃農地等集約・環境整備支援」など、有機農業による付加価値向上に取り組むとして2億3500万円の予算をつけており、このうち県費で6300万円を予算化しています。
長野県でも消費者理解の醸成等に取り組んでいますが、環境に対し有機農業の果たす幅広い役割の観点からも、全国の先駆的事例も踏まえ、県として有機農業の推進をもっとダイナミックに展開していく必要があると考えますが、知事の見解を伺います。
【知事】有機農業は、とりわけ農業の中でも、持続可能な社会の実現のために、大変重要な取組だと考えております。
本県では、これまで全国に先駆け取組を進めてきました。
有機農業推進プラットフォームを創設して、多くの皆様方にご参加いただく中で交流、あるいは研修会を行ってきましたし、また、オーガニックアカデミーの開催であったり、有機農業の実践者から、若手の生産者がサポートを受ける有機農業推進アドバイザー制度ということで、取組を進めてきました。
その結果、令和5年の有機農業の取組面積は、5年間で約1.5倍、634haまで増加をしてきました。また、有機農業に取り組むオーガニックビレッジ宣言をされた市町村も6市町になってきました。
こうした取組を、ご指摘のとおりもっともっと広げていくことが重要だと私も考えている。有機農業を志す個人やグループ、こうした皆様方の取組をしっかり支援していきたいと思いますし、みどりの食料システム法に基づく、有機農業実践区域のゾーニングであったり、有機農業を目指す若い新規参入者の積極的な受入れ、有機給食の拡大に向けた取組支援、安定生産が可能となる技術革新などに取り組んでいきたいと考えております。
これからも志ある農業者の皆様、関係者の皆様としっかり協力しながら、長野県において有機農業がより一層広がるように取り組んでまいります。
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