リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

サンフラゥア

2006年05月24日 23時11分04秒 | ローカルネタ
ウチから国道一号線沿いに1キロくらい南にいくと国道258線との交差点があります。その交差点のところに「サンフラゥア」という名前の床屋さんがあります。ふつうなら「サンフラワー」とでも書くところですが、えらく正確というか三重母音を意識した感じの表記です。

前から気にはなっていたので、なんで「サンフラワー」じゃないんですか、って一度直接聞いてみたいんですが、なかなかそこの床屋さんまで行く機会がありませんです。もともと床屋さんに行くこと自体あまり好きでないし・・・(笑)

そこで、考えてみたんですが、実はflowerの三重母音をすごく強調される方がいたのを覚えています。その方は私が中学校3年生の時に英語を教えて頂いたS先生です。先生の授業は大変厳しく、かつコワモテでいらしたので、当時のワルどもは先生の影が見えただけで震え上がっていました。

先生の授業の仕方はきわめてシンプルで、机の列順に教科書に関する質問(ほとんど全て英語です)をして行く方式です。ただし一人あたりの制限時間は1,2秒、2回りくらい答えることができずパスしてしまうと、教室の後ろで授業中ずっと立っていなくてはならないという掟がありました。そしてあまりにいいかげんだと目をつけられ、即廊下へ。(笑)同級生の中には1年間英語の授業は座って勉強したことがなかったという人もいました。今ならあちこちから苦情が来そうな方式ですが、けなげにもそのころの中学校3年生は必死でくいついていたものでした。

その先生の授業で、

「flowerは、フラワーと日本語的な発音で言うものが多いが、実は三重母音なんであーる」

とおっしゃっていたのを今でも覚えています。

先生が私が通っていた中学校に転勤されたのが、私が中学校3年生のときでしたが、その前はM中学校にいらっしゃいました。その「サンフラゥア」の床屋さんはM中学校の校区なんですね。で、推測するに、その床屋さんのご主人、実は中学校時代にS先生にしっかりとflowerの発音をたたき込まれて、ついには店の名前にしてしまった、って。でも意外にそうかもしれません。一度聞いてみたいもんです。

S先生は7年程前の同窓会でお会いしましたが、ずいぶんお痩せになられ、往年のコワモテの影は見られませんでした。それでももう50前になっているというのに、当時のワルどもは昔と同じように震えていました。(笑)私は中学校3年生における超スパルタ英語で鍛えていただいたお陰で英語だけは得意になり、長じて英語が生活を支え、ひいてはバーゼルの留学生活も語学上の不便は全くなくすごすことができました。その意味ではS先生は大恩人と言えます。