リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ドレスデン写本苦労話(1)

2007年07月14日 09時48分58秒 | 音楽系
ドレスデン写本苦労話といっても、昔それを筆記した人の苦労話ではありません。私が加筆修正して出している「ドレスデン写本」制作の苦労話です。一昨日、昨日のバルトの話で出ていましたドレスデン写本、正式には、ドイツ・ドレスデン市ザクセン国立博物館所蔵MUS2841といいます。ここにシルヴィウス・レオポルド・ヴァイス(1686-1750)の重要な作品が収められています。

この写本のマイクロフィルムを旧東ドイツ時代の同博物館から購入しました。私の古いメモによれば、1976年3月13日にマイクロフィルム到着、その後代金として30.62マルクを送金した、とあります。もう30年以上も前の話なんですねぇ。この当時、記憶によれば、旧東ドイツに送金するのは結構ややこしくて、確か直送はできなかったと思います。

送金経路は、ロンドンを経由して西ベルリンに行き、そこから東ベルリン、そして東ドイツの住所に届く、という場合もありました。ある旧東ドイツの博物館からは、お金のかわりに、本を送ってくれ(例えばジョン・ケージとか)なんて書いてくるところもありました。ドレスデンには比較的スムーズに送金できたような記憶があります。