リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ドレスデン写本苦労話(2)

2007年07月15日 12時18分10秒 | 音楽系
こうして手にいれた35mmのマイクロフィルムを自分で薄い普通の紙のような印画紙に焼き付け、定着処理を施し、水洗し、乾燥するという作業を自分で全部やりました。枚数が300枚を超え結構たいへんな作業でしたが、この方法が最も安上がりだったんです。

実は自分の家が写真屋でしたので、こういうことをする設備がありました。ただその頃はカラー写真に移行しつつある時期で、自宅設備で現像することは激減していた時期でもありました。写真現像のための薬液は残っていたものを使い、印画紙は写真器材を扱う卸屋さんに注文しました。確かフジ・フォトコピーとかいう名前で、一枚あたり12円くらいしていた記憶があります。ちなみにこれを写真屋さんに頼むと一枚あたり、安いところで100円台、高いところだと200円を超えていました。

さてこのドレスデン写本、かなり痛みが激しく、多くのページに大きなシミがあったり、線のかすれがありました。これを加筆修正してちゃんと普通に読めるドレスデン写本を作ろうと思い立ったのが、1970年代の終わり頃でした。