リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ジョン・ダウランド・アズ・知名度No.1?(1)

2007年07月26日 17時57分19秒 | 音楽系
昔のリュート奏者で、現代において最もよく知られているのは誰でしょうね。
ヴァイスなんかはリュートを弾く人の間とか一部のバロック音楽愛好家にはよく知られた存在ですが、一般的にはまだまだって感じです。音楽史的にはゴーティエ一族は鍵盤楽器に与えた影響大ということで、大概の音楽史の本にのっていますが、一般的な認知度となると高くはないでしょうねぇ。

となってくるとやはりダウランドでしょう。ダウランド(John Dowland)はイギリスの16世紀終わりから17世紀にかけてのリュート奏者です。なぜダウランドが一般的知名度ナンバーワンかというと、多分合唱関係とかリコーダー関係の方の認知度によることが大きいような気がします。またナクソスのサイトでも、各時代の有名作曲家の中に、リュート奏者ではダウランドだけが入っていました。

リュート愛好家の中ではもちろんソロ作品がよく知られています。特に何曲かのファンタジアとかパヴァーン舞曲なんかは絶品揃いです。でも彼を現代において知名度ナンバーワンリュート奏者に押し上げたのはリュート伴奏歌曲集(リュートソング)(歌はソロ、4声、5声の形態があります)のおかげでしょう。これは多分当時も同じで、ダウランドは4冊もリュートソングを出版し、そのうち第一歌曲集は第二版まで出しています。(1597年と1613年)