リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ジョン・ダウランド・アズ・知名度No.1?(2)

2007年07月27日 11時27分25秒 | 音楽系
その時代、リュート伴奏による声楽曲はもっとも好まれた形式で、イギリスでは非常に多くの作曲家がおびただしい量の作品を出版しています。でも、ダウランドのように一人で何集も出し、さらに重版まで出したというのは彼だけで、彼が当時いかに人気が高かったかが伺われます。

17世紀初め頃にイギリスで出版されたリュートソングはその量と多彩さで、ひとつの小宇宙を形成していると言ってもいいと思います。その中でもダウランドの作品群はさすがと思わせるくらい洗練されています。「流れよ我が涙」はその中でも特に有名な曲で、当時のヨーロッパ中に知れ渡っていました。

ダウランドの作品の録音では、私の師匠のホプキンソン・スミスが優れた録音を出しています。(2004年)また今はオランダで教えているナイジェル・ノースもナクソスにシリーズで録音を開始しました。これらはソロですが、リュートソングの録音では、アンドレアス・ショル(カウンターテナー)とかエマ・カークビーがいい録音を出しています。エマは最近ヤコブ・リンドベルイと組んですばらしい録音を残しています。(これはダウランド以外の作品も入っています)