リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

次世代自動車(1)

2019年12月04日 14時26分47秒 | 日々のこと
20年くらい前、中国の上海に行ったとき、街の中を走る車がほとんどフォルクスワーゲン(VW)のサンタナという車ばっかりだったことに驚いたことがありました。サンタナは確か30年か40年くらい前には日本でも販売されていましたが、ここ上海で大量に出会うとは思いもよりませんでした。そのサンタナは実は個人の車ではなく、全てタクシーでした。上海の街のどこにいても道を走っている車はサンタナのタクシー、もうどこでもタクシー状態で市内の移動は他の交通機関は不要でした。そのころからVWは中国に進出していて、中国にかなり依存しているメーカーであると言えます。

今日の新聞に、VWがカーボンニュートラルやらで、ID.3という電気自動車の生産過程で二酸化炭素の準排出量をゼロにする、という記事が出ていました。電力は再生可能エネルギーを購入するそうです。車両の輸送で使う二酸化炭素分は、インドネシアの熱帯雨林保存プロジェクトに投じ相殺するとありました。熱帯雨林保存プロジェクトに資金を出し、そのことによって保護された森林が吸収する二酸化炭素と新型電気自動車輸送に使われる二酸化炭素とでもって相殺するということですね。二酸化炭素取引のルールとしてはこれでいいのかもしれないけど、なんかウサン臭い感じもしますが。相殺するのなら、輸送分に使われている二酸化炭素を吸収してくれる熱帯雨林を新たに作らないといけないのでは。

新聞の記事には、ライフサイクル評価で見ると、電気自動車は生産、輸送、廃棄がガソリン車より多くの二酸化炭素を排出することもあるとありました。それなら何も使い勝手の悪い電気自動車よりハイブリッドを含むガソリン車の改良をしていけばいいと思うのですが、中国依存度の高いVWが取ったのは、2050年にカーボンニュートラル達成を目指すという方向でした。この口当たりのいいカーボンニュートラルということばを使って、新聞の論調も電気自動車シフトをあおっているような感じです。