リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

中村栄宏&川口成彦デュオリサイタル

2019年12月28日 22時13分46秒 | 音楽系
リコーダーの中村栄宏&ピアノ川口成彦デュオリサイタルに行ってきました。会場は桑名市NTNシティーホール中ホール。



リコーダーの中村君は彼が中学校3年の時に県のリコーダーコンテストで私が伴奏を務めました。県大会で優勝したので東京行われた全国コンクールに出場してそこで金賞を頂きました。確か伴奏をした曲はマルチェッロのチャッコーナだったと思います。

お陰で主催のリコーダー音楽教育協会だったかのホームページには私の名前がなんと優秀指導者として載っていました。彼は最初からちゃんと弾けていたし、彼にリコーダーそのもの指導はしたことはなかったのですが。それってまだ載っているのかな?

彼はその後東京の大学に進学し、企業に勤めていました。その後意を決して退職してオランダのアムステルダム音楽院に留学して今に至っています。留学前の彼は指だけはよく動いていましたが、音楽的にも楽器の本質的な技術的にも未熟でした。私は早くから、きちんと勉強したいのなら、アムスかスコラあたりに留学せんとあかんよと言っていましたが、それが実現したわけです。終演後の控え室で聞いた彼のことば「(留学して)今までとは吹き方を全く変えないといけませんでした」を聞いて「ふむふむ」と返事しましたが、「やっぱそやろ」なんて密かに心のなかでつぶやいたものでした。

その彼が同じ学校の川口さんとのコンサートに臨みました。川口さんはブルージュのフォルテピアノ部門最高位(1位なしの2位)を取るなど古楽界ではすでに充分知られた存在。こんな実力者お二人でのコンサートがごく普通に開催されるなんて桑名は本物の文化都市です。

プログラムはポップ系の曲目が中心ですがとてもセンスのいい選曲でした。

曲目は:

ピアソラ/リベルタンゴ
カルディーに/Dolls、もみじ
ヴァン・エイク/笛の楽園より
バッハ/パルティータBWV1013よりサラバンド、ブレ・アングレーズ
ロドリーゴ//遙かなるサラバンド、朱色の塔の陰で、カレセーラス、バレンシアの踊り
モンティ/チャルダッシュ
バルトーク/ルーマニア民俗舞曲
ピアソラ/ブエノスアイレスの冬
坂本龍一/戦場のメリークリスマス

バロックの曲はバッハのみでしたが、とくにブレ・アングレーズを聞いて、勉強の成果が出ていると強く感じました。

いずれまたバロック音楽の旅にお二人を招待したいなと考えています。特に川口さんにはフォルテピアノを弾いてほしいなと思っています。シリーズではオルガンやトランペットを含むほぼ全ての楽器のコンサートをしてきましたが、バロックの終焉時に開発された楽器、フォルテピアノだけはまだ唯一紹介してきていませんので、是非実現したいところです。